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RWAトークン化が始動 | 野村・ARK・Coinbaseが示す制度と市場の転換点

目次

RWAとトークン化の進展 | 野村レーザーデジタルがSeiチェーンでファンド展開

野村ホールディングス傘下のレーザーデジタルは、Seiブロックチェーン上で投資ファンドをトークン化する新商品を発表した。これは、カイオ(KAIKO)を通じてブラックロックやブレバン・ハワードと並ぶ機関投資家向けRWA(現実資産)商品として展開される。

Seiは高速処理と並列化に特化したL1チェーンであり、レーザーデジタルはその性能を活かして、ファンドの流動性・透明性・アクセス性を向上させる狙い。RWAのトークン化は、従来の証券化商品と異なり、ブロックチェーン上での即時取引やグローバルアクセスを可能にする。

この動きは、野村が2022年から進めてきたデジタル資産戦略の延長線上にあり、スイス拠点のレーザーデジタルが主導。同社は既にビットコインやイーサリアムのカストディ、デリバティブ、資産運用を手がけており、今回のRWA商品はその集大成とも言える。

RWA市場は2025年に1兆ドル規模に達すると予測されており、レーザーデジタルの参入は日本発のグローバル金融技術革新として注目される。

イーサリアム蓄積と企業戦略 | クオンタムソリューションズが国内最大のETH保有企業に

東京証券取引所上場のクオンタムソリューションズ(2338)は、7日間で2,365ETH(約10億円相当)を取得し、国内上場企業として最大のイーサリアム保有量を記録した。ARKインベスト創業者キャシー・ウッド氏も支援を表明しており、Web3財務戦略の象徴的事例となっている。

同社は香港子会社を通じてETHを取得し、現在の総保有量は3,866ETH(約23億円)。さらにBTCも11.6BTC、SOLやXRP、DOGEなども保有しており、暗号資産ポートフォリオを多様化している。

クオンタムは9月に1億8,000万ドルを調達し、最終的に10万ETHの保有を目指すと宣言。資金は新株予約権や転換社債によって調達されており、企業トレジャリーとしての暗号資産活用が本格化している。

この動きは、企業財務のデジタル化と分散型資産への移行を示すものであり、日本企業のWeb3対応として先進的な事例と評価されている。

予測市場とステーブルコインの拡張 | ポリマーケット、ゲーム経済、a16zレポート

分散型予測市場のポリマーケットは、米スポーツベッティング大手ドラフトキングスと提携し、清算機関としての役割を担うことを発表。これは予測市場のB2B展開を意味し、NY証取の親会社から20億ドルの投資も受けている。

同時に、ブロックチェーン・ゲーミング・アライアンス(BGA)のレポートでは、ステーブルコインがゲーム経済の中核インフラとして機能し始めていると指摘。3500億ドル規模のゲーム市場において、USDCやUSDTが報酬・決済・資産管理に活用されている。

さらに、a16zの最新レポートでは、2025年の仮想通貨市場はステーブルコインと機関投資家によって主導されていると分析。特にRWAや予測市場、ゲーム領域でのステーブルコイン活用が進んでいる。

これらの動きは、ステーブルコインが単なる価格安定通貨ではなく、分散型経済の基盤インフラとして機能し始めていることを示す

米大手取引所によるBNB上場 | CoinbaseとRobinhoodの同時採用

米国の主要取引所CoinbaseとRobinhoodが、バイナンス関連トークンBNBの上場を発表。Robinhoodは即日取引を開始し、CoinbaseはBNB-USDペアの提供を準備中。これはBNBが米国規制下で正式に扱われる初の事例であり、制度的転換点とされる。

BNBはこれまで米市場での取引が制限されていたが、2023年のバイナンス創業者CZへの執行措置以降、慎重姿勢が続いていた。今回の上場はその流れを覆すものであり、米国市場でのBNBアクセスが大幅に拡大する。

BNBは2025年初頭に500ドルだった価格が1,350ドルまで急騰し、現在は1,070ドル付近で推移。時価総額は1,500億ドルに迫っており、米国市場での正当性と主流化が進んでいる。

この動きは、バイナンスエコシステム資産の再評価と、米国のデジタル資産規制への新たな可能性を示唆する。

国内企業の財務方針 | リミックスポイントが株式希薄化を伴わない仮想通貨購入を決議

株式会社リミックスポイントは2025年10月23日、2026年6月末までの期間において、株式発行による暗号資産購入を行わない方針を正式に決議した。これは、既存株主の持分希薄化を回避しつつ、手元資金などを活用して仮想通貨取得を進めるという財務戦略の明文化である。

同社はこれまで、株式発行による資金調達を通じて暗号資産取得を行ってきたが、今回の決議により、資本政策の透明性と株主保護の姿勢を強調した形となる。具体的な取得対象銘柄や金額は明示されていないが、BTCやETHなど主要銘柄が中心になると見られる。

この方針は、企業が仮想通貨を財務資産として扱う際の戦略的選択肢を示すものであり、国内企業のWeb3対応における一つのモデルケースとなる。特に、株式希薄化を伴わない取得は、既存株主との利害調整において重要な意味を持つ。

分散型金融と資本市場 | ハイパーリキッドが最大1500億円の資金調達をSECに提出

ナスダック上場企業ハイパーリキッド・ストラテジーズは、最大10億ドル(約1,500億円)の資金調達を目指すS-1申請書を米証券取引委員会(SEC)に提出した。調達資金の一部は、同社が運営する分散型デリバティブ取引所「ハイパーリキッド」のネイティブトークン「HYPE」の購入に充てられる予定。

同社は2025年7月に設立されたばかりであり、今回の申請は設立からわずか3カ月での大規模増資計画となる。HYPEトークンは、取引手数料の割引やガバナンス投票などに使用されるユーティリティトークンであり、DeFiエコシステムの中核を担っている。

SECへの提出は、分散型金融(DeFi)と伝統的資本市場との接続を示すものであり、規制当局との対話を通じた合法的な資金調達モデルの確立を目指している。専門家は「DeFi企業がSECと向き合うことで、制度的な信頼性が高まる」と評価している。

マクロ予測と価格分析 | ヘイズ氏・ノボグラッツ氏・M2マネーサプライ

BitMEX創業者アーサー・ヘイズ氏は、高市政権の積極財政政策が日銀の量的緩和(QE)を再開させる可能性があるとし、ビットコイン価格が100万ドル(約1.5億円)に達するとの強気予測を発表した。特に物価高対策や景気刺激策が仮想通貨市場への資金流入を促すと見ている。

一方、ギャラクシーデジタルCEOマイク・ノボグラッツ氏は、年内にBTCが25万ドルに到達するという予測に対し、「とんでもない出来事が起きない限り、実現は難しい」と慎重な見方を示した。市場の材料不足や金利環境の不透明さが背景にある。

さらに、Bitwiseの市況分析では、ゴールド価格の高騰がBTCにとって好材料であると指摘。世界のM2マネーサプライが拡大する中、BTCがインフレヘッジ資産として再評価される可能性があるとされている。

これらの予測は、マクロ経済と仮想通貨価格の相関性を示すものであり、投資家心理や市場構造の理解に役立つが、即効性や確度は限定的である。

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