ビットコイン歴史的「降伏」売りと23億ドルの損失|コインベース赤字転落と航空資産のトークン化

2026年2月14日の暗号資産市場は、前日から続く「トリプル安」の影響を受け、投資家が損失を確定させる歴史的な投げ売り局面を迎えました。ビットコイン(BTC)は一時的な反発を試みたものの、実現損失額が23億ドル(約3,450億円)に達するなど、2021年の暴落時に匹敵する「キャピチュレーション(降伏)」の兆候が鮮明になっています。また、米国最大手の取引所コインベース(Coinbase)が8四半期ぶりに赤字へ転落し、国内ではメタプラネット(Metaplanet)の含み損が2,000億円の大台を突破するなど、企業側にも深刻な影響が波及しています。一方で、ブラックロック(BlackRock)によるDeFi領域への流動性拡張や、イーサリアム(Ethereum)上での航空機エンジン資産のトークン化といった革新的な動きも確認されました。本日の主要トピックを詳細に解説します。

目次

ビットコインの歴史的投げ売りと市場の構造的脆弱性

ビットコイン(BTC)市場は、極めて過酷な調整局面の渦中にあります。オンチェーンデータとアナリストの分析から、現在の危機的な状況を整理します。

23億ドルの実現損失と「降伏」の正体

ビットコイン(BTC)の市場では、投資家が保有資産を売却した際に確定した「実現損失」が、1日で23億ドル(約3,450億円)に達しました。これは2021年の大暴落や2022年のFTX(エフティーエックス)ショックに匹敵する歴史的な規模であり、市場がパニック的な投げ売り状態にあることを示しています。データ分析プラットフォームのグラスノード(Glassnode)は、現在の市場に「構造的な脆弱性」があると指摘しており、主要なサポート水準を早期に奪還できない場合、再び長期的なレンジ相場や停滞期に入る可能性を警告しています。

4万ドルへの下落懸念と底打ちの予測

スタンダード・チャータード(Standard Chartered)などの大手金融機関は、現物ETF(上場投資信託)からの資金流出が4週連続で続く可能性が高いとして、2026年のビットコイン価格予想を下方修正しました。一部のアナリストの間では、ビットコインが4万ドル(約600万円)付近まで下落するシナリオも議論され始めており、本格的な底打ちは2026年第4四半期までずれ込むとの見方も浮上しています。現在の実現価格である5万5,000ドル(約825万円)が次の重要な防衛ラインとして注目されています。

株・金との「トリプル安」による相関

今回の下落を加速させた要因の一つに、金融市場全体のリスク回避姿勢があります。2月13日の市場では、暗号資産、株式、そして本来は避難先資産とされる金(ゴールド)さえも同時に売られる「トリプル安」が記録されました。投資家の間では「最後の砦」としてビットコインを支持する声がある一方で、世界不確実性指数(WUI)がリーマンショック時を超える歴史的高水準に達しており、極度の不透明感が買い控えを招いています。

主要企業の財務直撃と経営戦略の転換

市場の冷え込みは、暗号資産を中核とする企業の業績を激しく揺さぶっています。

コインベース(Coinbase)の赤字転落と株価急落

米取引所最大手のコインベース(Coinbase / コインベース)は、2025年第4四半期決算において6億6,700万ドル(約1,000億円)の純損失を計上したことを発表しました。これにより、8四半期続いてきた黒字記録が途絶えたことになります。売上高も前年同期比で20パーセント減少しており、株価は年初来で40パーセント近く下落するなど、市場の下落が取引プラットフォームの収益構造を直撃した形です。

メタプラネット(Metaplanet)の含み損が2,000億円を突破

日本国内でビットコイン積み増し戦略を推進するメタプラネット(Metaplanet / メタプラネット)の株価は、4日連続で下落し325円まで値を下げました。ビットコイン(BTC)価格が1,023万円付近まで下落した影響で、同社の含み損は2,005億円まで拡大しています。また、同様の財務戦略を採るリミックスポイント(Remixpoint / リミックスポイント)も、保有する暗号資産の時価評価損により約10億円の赤字に転落したことを公表しました。

バイナンス(Binance)のSAFU基金転換完了

一方で、世界最大手のバイナンス(Binance / バイナンス)は、ユーザー保護基金「SAFU」の準備金10億ドル相当をビットコインへ完全に転換する作業を完了しました。市場のボラティリティが高い状況においても、ビットコインを中核的な準備資産として保有する方針を堅持することで、顧客資産の安全性をアピールする狙いがあります。

進化する金融インフラとトークン化の最前線

価格の低迷期においても、実需に基づいたインフラ構築と新たな資産クラスの創出は止まっていません。

ブラックロック(BlackRock)のBUIDLとDeFiの統合

世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock / ブラックロック)は、同社が提供するトークン化米国債ファンド「BUIDL」の流動性を大幅に拡張すると発表しました。具体的にはユニスワップエックス(UniswapX)を通じて、機関投資家がオンチェーンで24時間365日、BUIDLの取引が可能になる仕組みを導入します。これは、ウォール街の巨大な資本が分散型金融(DeFi)のインフラを本格的に活用し始める歴史的な節目と言えます。

航空機エンジンのトークン化という新領域

イーサリアム(Ethereum)ネットワーク上で、初となる航空資産のトークン化銘柄がローンチされました。Ethzilla(イーサジラ / イーサジラ)が手掛けるこのプロジェクトでは、主要航空会社にリースされているボーイング737-800のエンジンを投資対象としてトークン化しています。これにより、これまで機関投資家に限定されていた航空機関連のリース収益といった投資機会が、オンチェーンを通じて一般の投資家にも開放される可能性を示しました。

国内における24時間証券決済の実証支援

日本の金融庁は、野村ホールディングスや大和証券グループ、そして三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクが参加する、ステーブルコインを活用した証券決済の実証実験を正式に支援する方針を明らかにしました。ブロックチェーン技術を用いることで、株式や債券の24時間即時決済を目指しており、日本の金融インフラの高度化に向けた大きな一歩となります。

技術革新と規制・セキュリティの動向

エコシステムの拡張に伴い、利便性の向上と新たなリスクへの対策が急務となっています。

AIエージェント専用ウォレットと自律決済

コインベース(Coinbase / コインベース)は、AI(人工知能)エージェントが自律的にオンチェーン取引を実行できる専用ウォレット「Agentic Wallets」を公開しました。また、ストライプ(Stripe / ストライプ)もレイヤー2のベース(Base)上で自律決済への対応を進めており、AIが自ら暗号資産で支払いを行う「マシンエコノミー」の実現に向けた開発が加速しています。

トランプ一族の「ワールド・スワップ」計画

ドナルド・トランプ氏の一族が関与するワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI)は、外国為替や送金を目的としたプラットフォーム「ワールド・スワップ」の計画を公表しました。1日あたりの取引高が9兆ドルを超える巨大な為替市場のシェア獲得を目指しており、政権との親和性を含め、その動向に注目が集まっています。

深刻化する犯罪流入とセキュリティ課題

チェイナリシス(Chainalysis / チェイナリシス)の最新レポートによれば、人身売買に関連する疑いのあるネットワークへの暗号資産の流入が、2025年に85パーセント増加したことが判明しました。技術の普及とともに、犯罪への悪用を防ぐための国際的な監視網の強化が求められています。また、DeFi大手のAave(アーベ / アーベ)は、次世代規格「V4」の導入とともに、収益の100パーセントをコミュニティに還元する新戦略を提案し、自律的な組織運営の新たな形を模索しています。

おわりに

本日の市場は、ビットコインの23億ドルという莫大な実現損失が象徴するように、多くの投資家にとって耐え忍ぶ時期となりました。コインベースの赤字転落やメタプラネットの含み損拡大など、数字だけを見れば悲観的な状況に映るかもしれません。しかし、その裏側ではブラックロックがDeFiとの融合を深め、日本ではメガバンクがステーブルコインによる決済改革を加速させています。

さらに、ボーイング社のエンジンをトークン化するといった、これまで想像もつかなかったような「現実資産のオンチェーン化」が着実に進行しています。価格という表面的な変動に惑わされず、こうした技術的なパラダイムシフトを見守ることが、次なる好機を掴むための唯一の方法です。

嵐の時こそ、足元を固めるチャンスです。皆さんの保有している資産やプロジェクトの本質を、今一度冷静に見つめ直してみてください。明日もまた、激動の市場から確かな事実をお届けします。

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