ビットコイン1,000万円割れと「全面的降伏」の兆候|歴史的暴落の全貌

2026年2月6日、暗号資産市場は歴史的な転換点を迎えました。ビットコイン(BTC)は一時60,033ドル(約1,000万円)まで急落し、日本円建てで極めて重要な心理的節目である1,000万円のラインを1年3カ月ぶりに割り込みました。今回の下落は、2025年10月の史上最高値126,000ドル(約2,100万円)からわずか4カ月で52パーセントの下落を記録したことになり、市場は「FTXショック」以来の暴落に見舞われています。

下落の背景には、複数の要因が重なっています。まず、金(ゴールド)価格が4,700ドル(約78万円)台へ下落し、銀(シルバー)が前日比23パーセント超という歴史的な大暴落を見せたことで、貴金属市場の混乱が波及しました。さらに、テック株主導のリスクオフ姿勢や、グリーンランドをめぐる地政学的緊張が高まったことも、ビットコインが「ヘッジ資産」としての地位を一時的に金に譲り、リスク資産として売られる要因となりました。

市場のデータは「全面的降伏」が近いことを示唆しています。ブラックロック(BlackRock)の現物ビットコインETFでは、出来高が過去最高の100億ドル(約1.6兆円)規模に達し、大規模な投げ売りが発生しました。市場センチメントは3年半ぶりの低水準に沈み、過去24時間で25億ドル(約4,170億円)を超える強制清算が発生しています。一方で、短期保有者によるパニック売りや、売られ過ぎ圏に達したRSI(相対力指数)などの指標から、一部のアナリストはセリングクライマックスが近い可能性も指摘しています。

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財務戦略企業の試練|ストラテジー社とメタプラネットの決算直撃

ビットコインを財務資産として大量保有する上場企業は、価格暴落により深刻な含み損に直面しています。世界最大のビットコイン保有企業であるストラテジー(Strategy)は、2025年度第4四半期決算で124億ドル(約2兆600億円)という巨額の純損失を計上しました。同社は現在71.4万BTCを保有しており、四半期中の価格下落がそのまま赤字に直結した形です。しかし、フォン・リーCEOは「ビットコインが8,000ドル(約133万円)まで下落しない限り、当社の財務戦略に変更はない」と強調し、今後も積み増しを継続する方針を堅持しています。

日本国内でビットコイン戦略を推進するメタプラネット(Metaplanet)も、含み損が約2,000億円規模まで拡大したことが明らかになりました。株価は300円水準まで下落し、直近1カ月での下落率は31パーセントに達しています。サイモン・ゲロビッチ社長は「厳しい状況は認識しているが、戦略に変更はない」と述べ、ビットコインを基軸とした企業姿勢を崩さないことを株主に向けて発信しました。

マイニング業界も同様の苦境に立たされています。アイレン(IREN)やクリーンスパーク(CleanSpark)などの主要マイニング銘柄は、価格下落と業績悪化を受けて2桁の下落を記録しました。また、マイニング大手のMARAホールディングス(MARA)が8,700万ドル(約145億円)相当のビットコインを移動させたことが確認されており、マイナーによる追加の売り圧力が懸念されています。

テザー社の戦略的投資とDeFiインフラの新たな進展

市場が極度の恐怖に包まれる中、暗号資産業界の巨人であるテザー(Tether)社は、将来を見据えた巨額の投資を相次いで発表しました。同社は米連邦規制下の暗号資産銀行アンカレッジ・デジタル(Anchorage Digital)に対し、1億ドル(約156億円)の戦略的出資を行いました。これはアンカレッジ社のIPOを視野に入れた資本増強を支援するものであり、規制に準拠した銀行インフラとの連携を強化する狙いがあります。

さらにテザー社は、貴金属取引プラットフォームのゴールド・ドットコム(Gold.com)に1億5,000万ドル(約234億円)を投資しました。すでに3.4兆円相当の金を保有している同社ですが、今回の投資を通じてトークン化された金へのアクセスを拡大し、デジタル資産と実物資産の融合を加速させます。

分散型金融(DeFi)の分野でも重要な動きがありました。ビットワイズ(Bitwise)が、米国初となるユニスワップ(Uniswap)現物ETFの登録届出書をSEC(証券取引委員会)に提出しました。承認されれば、年間1.3億ドル(約217億円)相当のUNIトークン焼却が見込まれるフィースイッチ機能を含め、DeFiトークンが伝統的金融市場で直接取引される歴史的な節目となります。

規制動向とエコシステムの質的進化

技術面では、イーサリアム(Ethereum)共同創設者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、安易なレイヤー2(L2)の乱立に苦言を呈しました。同氏は「コピペのようなEVM互換チェーンは不要」と述べ、プライバシー保護や特定の効率性に特化した、真に価値のある開発の必要性を強調しました。イーサリアム(ETH)価格が2,000ドル(約33万円)を割り込み、弱気相場入りの懸念が強まる中で、エコシステムの質的向上が問われています。

規制の面では、米国バージニア州でビットコイン準備基金法案(SB557)が上院委員会を通過しました。これは時価総額5,000億ドル(約83.5兆円)以上の暗号資産への投資を認めるもので、州レベルでの戦略的保有の動きが全米で加速しています。また、ブラジルでは無担保型のステーブルコインを禁止し、準備金による担保を義務化する法案の審議が始まっており、グローバルでステーブルコインの規制強化が進んでいます。

予測市場のポリマーケット(Polymarket)は、サークル(Circle)社と提携し、担保資産をネイティブUSDCへ移行することを発表しました。これにより決済の信頼性を高め、機関投資家レベルの予測市場への成長を支援します。

その他の注目トピック

  • ReWalletによるウォレット復旧サービス:パスワード紛失等に対応するスイス企業の成功報酬型サービスが解説され、セルフカストディの課題解決に注目が集まっています。
  • 米民主党、ワールドリバティを調査:トランプ一族が関与するプロジェクトに対し、UAE王族の投資やバイナンスとの関係を巡り調査が開始されました。
  • Aaveで大口清算が発生:市場急落に伴い、約35万5,000トークンを担保にしたローンが強制清算され、200万ドル(約3.3億円)相当が没収されました。
  • コインベースが新規銘柄上場:ハイパーリキッド(HYPE)、レインボー(Rainbow)、ドゥードゥルズ(Doodles)の3銘柄の取り扱いが開始されました。
  • MoneyX 2026開催決定:2月27日に東京で開催される次世代金融カンファレンスに、エリプティック(Elliptic)がプラチナスポンサーとして参加します。
  • ライトニングネットワークで100万ドル送金:クラーケン(Kraken)間などで実施され、機関向け決済への実用性が実証されました。
  • BTCC取引所の準備金報告:急激な変動の中でも準備金比率136パーセントを達成し、健全性をアピールしています。
  • Magic Eden、フィギュア開発:ディズニーやマーベルを手がけたチームと提携し、NFTキャラクターの物理製品化を発表しました。

おわりに

本日はビットコインの1,000万円割れという、暗号資産の歴史に刻まれるほど激動の一日となりました。価格の急落や主要企業の赤字計上といったネガティブなニュースが目立ちますが、その裏ではテザー(Tether)社の戦略的投資や、米国初となるユニスワップETFの申請など、次なるサイクルを見据えたインフラ整備が着実に進んでいます。

JPモルガン(JPMorgan)のアナリストが長期的な価格目標を26.6万ドル(約4,400万円)に引き上げているように、現在の混乱は投機的な熱を冷まし、真に価値のあるプロジェクトが残るための試練かもしれません。短期的な価格変動に惑わされず、市場の底流で起きている構造的な変化を注視し続けることが大切です。

暴落はいつか終わり、新しい夜明けがやってきます。皆さんも、一時的なチャートの動きに一喜一憂せず、自身の投資戦略を改めて見つめ直してみてください。明日も正確な市場動向を丁寧にお届けします。

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