金5,500ドル・銀117ドル史上最高値もBTC9万ドル突破失敗|5年パフォーマンスで銀が圧倒、テザー140トン保有|OpenAI生体認証SNSでWLD40%急騰、フィデリティSC来月投入|XRP大口増加、老舗印刷ソラナ参入【1月29日】

2026年1月29日、暗号資産市場は金銀との対照的な動きがさらに鮮明になりました。金価格が史上初めて5,500ドル(約853万円)台を突破し、銀も117ドルの史上最高値を記録する一方、ビットコイン(BTC)は9万ドル(約1,395万円)突破に失敗し、FOMC(連邦公開市場委員会)後に下落して88,000ドル(約1,364万円)付近で推移しています。金の時価総額は1日で約1兆6,500億ドル(約256兆円)増加し、2021年初頭からの約5年間のパフォーマンスでは銀がビットコインを大幅に上回っていることが明らかになりました。トークン化ゴールド市場は8,250億円を突破し、ステーブルコイン最大手テザー(Tether)が約140トン(約3兆7,000億円相当)の金を保有し、銀行や国家を除けば世界最大級の金保有者となりました。一方、暗号資産市場にも明るい動きがあります。OpenAI(オープンエーアイ)が生体認証型SNS(ソーシャルネットワークサービス)を開発中との報道を受け、ワールドコイン(Worldcoin、WLD)が一時40%急騰しました。XRP(リップル)では大口保有ウォレットが9月以来初めて42件純増し、100万XRP以上を保有するミリオネアウォレットが年初来で増加しています。ステーブルコイン市場では、資産運用大手フィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)が来月独自ステーブルコインを投入する計画が報じられました。日本では、老舗印刷企業マツモトがソラナ(Solana)ブロックチェーンを活用した子供向けデジタル資産事業の検討を開始し、ソニー(Sony)がスターテイル(Startale)に20億円を追加投資してSoneium(ソニウム)を強化しました。本稿では、金銀高騰とビットコイン停滞、OpenAI生体認証SNSとWLD急騰、XRPとイーサリアム動向、ステーブルコイン市場拡大、トークン化株式と規制、日本企業動向、トランプ政権と暗号資産業界について詳しく解説します。


目次

金5,500ドル・銀117ドル史上最高値、BTCは9万ドル突破失敗

金・銀が史上最高値を更新

金価格が史上初めて5,500ドル台を突破し、銀も117ドルの史上最高値を記録しました。1月28日のFOMC後、金スポット価格は5,500ドル台に到達し、銀価格は117ドルの史上最高値を記録しました。金価格は1月26日に5,000ドルを突破したばかりですが、わずか3日間でさらに500ドル上昇しました。

金・銀高騰の背景:

  • FRB利下げ見送り: 1月28日のFOMC会合で、米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を据え置きました。市場では利下げ期待がありましたが、インフレ懸念が根強く据え置きとなりました。利下げ見送りは通常ドル高要因ですが、財政赤字拡大懸念からドル安が進み、金が買われました。
  • 地政学的リスク: 世界秩序崩壊リスク(レイ・ダリオ氏警告)、米国の政治的混乱、中東情勢、米中対立などが投資家の不安を煽っています。
  • インフレヘッジ: インフレ懸念が高まっており、金銀は実物資産としてインフレヘッジとして機能します。
  • 金の時価総額1日で1.65兆ドル増加: ビットコインは水曜日(1月29日)に下落する一方、金は24時間で4.4%上昇し、時価総額を1日で約1兆6,500億ドル(約256兆円)押し上げました。これは暗号資産市場全体の時価総額(約3兆ドル)の半分以上に相当します。

ビットコイン、9万ドル突破失敗でFOMC後に下落

ビットコインは1月28日のFOMC後、重要な節目とされる90,000ドルの突破に再び失敗しました。現在の価格は88,000ドル付近で推移しており、一時は9万ドルを突破する場面もありましたが、利益確定売りに押されて調整局面を迎えています。強気派の復帰には90,000ドルの奪還が必要です。

ビットコイン9万ドル突破失敗の要因:

  • オプション主導のポジショニング: デリバティブ取引所デリビット(Deribit)によると、ビットコインのオプション取引高が高水準にあることは、暗号資産デリバティブ市場に依然として大きな関心と資本が存在していることを示しています。一方で、現在はリスク管理がより慎重に行われており、これが直近の価格動向を説明できるかもしれません。9万ドル前後にオプションのストライクプライスが集中しており、その水準で価格が抑えられている可能性があります。
  • 金銀への資金流出: 投資家が金銀に資金を移動させています。暗号資産市場から資金が流出しています。
  • ETF資金流出: 記録的なETF資金流出により米国の売り圧力が市場を主導しています。Wintermute(ウィンターミュート)が26日に投稿した市場分析で、ビットコインが85,000~94,000ドルのレンジで60日間推移していることを指摘しました。
  • 金融指標は安定も上振れず: 金融市場において地政学的な不透明感や貿易摩擦への懸念が広がる中、ビットコインの価格動向を左右する主要な金融指標は依然として安定した水準を維持しています。シカゴ連邦準備銀行が発表した全米金融条件指数(NFCI)などは安定していますが、ビットコイン価格は上振れしていません。ETFからの資金流出が課題です。

直近5年で銀がビットコインを圧倒

金融市場において2021年初頭から現在までの約5年間にわたる資産運用のパフォーマンスを比較した結果、銀のリターンがビットコインを大幅に上回っていることが明らかになりました。2018年から2026年までの約8年間で見ても、銀は着実な上昇を続けています。

パフォーマンス比較(2021年初頭~2026年1月):

  • : 2021年初頭から現在まで、銀価格は約20ドルから117ドルへ上昇しました。リターンは約485%(約5.85倍)です。
  • ビットコイン: 2021年初頭のビットコイン価格は約30,000ドルでした。現在は88,000ドルです。リターンは約193%(約2.93倍)です。
  • 銀がビットコインを圧倒: 直近5年では銀のパフォーマンスがビットコインを大幅に上回っています。ビットコインは「デジタルゴールド」として金銀の代替資産と位置付けられてきましたが、実際には金銀の方が優れたパフォーマンスを示しています。

この結果は、ビットコインの「デジタルゴールド」としての地位を揺るがすものです。投資家はビットコインよりも実物資産である金銀を選好しています。ビットコインは真の安全資産として機能していません。

トークン化ゴールド市場が8,250億円突破

金裏付け暗号資産のPAXG(Pax Gold)とXAUT(Tether Gold)が時価総額で過去最高を更新しました。トークン化ゴールド市場全体は55億ドル(約8,250億円)を突破し、投資家の安全資産への需要が高まっています。

トークン化ゴールドの主要銘柄:

  • PAXG: パクソス(Paxos)が発行する金連動型トークンです。1トークン=1トロイオンスの金に連動します。時価総額は過去最高を更新しています。
  • XAUT: テザーが発行する金連動型トークンです。同様に1トークン=1トロイオンスの金に連動します。市場シェア50%超を維持しています。

トークン化ゴールド市場拡大の背景:

  • 金価格高騰: 金価格が5,500ドル台に達し、トークン化ゴールドの時価総額も増加しています。
  • 利便性: トークン化ゴールドは24時間365日取引でき、少額から投資できます。実物の金を保管する必要がありません。
  • ビットコインからの資金移動: 大口投資家がビットコインを捨ててトークン化ゴールドへ移動させる動きが確認されています。

テザー社、140トンの金保有で世界最大級

暗号資産のステーブルコイン最大手であるテザー社が、金市場において急速にその存在感を高めています。同社は現在、世界中の国家や銀行を除けば確認されている中で世界最大級の金地金保有者となっており、その保有量は約140トン(約3兆7,000億円相当)に達しています。

テザー社の金保有の詳細:

  • 140トンの金保有: ブルームバーグ(Bloomberg)によると、テザーが約140トンの金を保有し、銀行や国家以外では世界最大の金保有者となりました。IMF(国際通貨基金)データでは世界トップ30の金保有者に入ります。
  • スイス核シェルターに保管: テザー社が保有する金地金は、スイス国内の核シェルターに厳重に保管されています。セキュリティが万全です。
  • XAUTの裏付け資産: テザーは自社が発行するゴールドトークンXAUTの準備資産として金を保有しています。XAUTの時価総額増加に伴い、金保有量も増加しています。
  • ステーブルコインUSDTの準備資産: テザーは自社が発行するステーブルコインUSDT(時価総額約1,400億ドル、約21兆7,000億円)の準備資産としても金を保有しています。金は安全資産であり、USDTの信頼性を高めます。

テザー社の金保有は、ステーブルコイン発行企業が伝統的な金融機関と肩を並べる規模になっていることを示しています。暗号資産業界の成熟を示す象徴的な出来事です。


OpenAI生体認証SNS開発でWLD一時40%急騰

OpenAIが「人間限定SNS」構想を報道

OpenAIが生体認証を活用した新しいソーシャルネットワークの開発を検討していることが報じられました。OpenAIと関係の深いトークンであるワールドコイン(WLD)は水曜日(1月29日)、同社が「人間であることの証明」を必要とするボット排除型のソーシャルメディア・プラットフォームに取り組んでいるとの報道を受け、一時40%急騰しました。

OpenAI生体認証SNSの詳細:

  • ボット排除: OpenAIが独自のソーシャルネットワークを開発しており、生体認証を使用してユーザーが人間であることを確認する計画だとフォーブス(Forbes)が報じました。AIボットやフェイクアカウントを排除し、人間だけが参加できるSNSです。
  • ワールドオーブ利用検討: OpenAIはワールドコイン(World)プロジェクトのワールドオーブ(World Orb)という虹彩認証デバイスの利用を検討しているとされています。ワールドオーブは眼球の虹彩をスキャンして個人を識別します。生体認証により「人間であることの証明」を行います。
  • Sam Altman氏が率いる: OpenAIのCEOであるサム・アルトマン(Sam Altman)氏は、ワールドコインの共同創設者でもあります。OpenAIとワールドコインは密接な関係にあります。

WLDが一時40%急騰

この報道を受け、ワールドコインのトークンWLDが24時間で約14%~40%急騰しました(報道により数字が異なります)。市場参加者は、OpenAIのSNSでワールドオーブが活用されれば、ワールドコインプロジェクトの価値が大きく高まると期待しています。

WLD急騰の背景:

  • OpenAIとの連携期待: OpenAIのSNSでワールドオーブが使われれば、ワールドコインの利用が拡大します。OpenAIの膨大なユーザーベースがワールドコインに流入する可能性があります。
  • 生体認証SNSの需要: AIボットやフェイクアカウントが増加する中、生体認証でボットを排除するSNSへの需要が高まっています。X(旧Twitter)などの既存SNSではボットが問題になっています。
  • 人間であることの証明: AIが発展する中、「人間であることの証明」が重要になります。ワールドコインはこの分野で先行しています。

ワールドコインプロジェクトはプライバシー懸念などで批判もありますが、OpenAIとの連携により注目が集まっています。生体認証技術の実用化が進んでいます。


XRP大口増加とイーサリアム取引所残高減少

XRP大口保有ウォレットが9月以来初の増加

XRPの大口保有ウォレットが9月以来初めて42件純増とサンティメント(Santiment)が報告しました。価格は年初来4%下落していますが、米現物ETFへの累計流入は12.6億ドル(約1,954億円)に達しました。一方、リップル社の月次エスクロー解除など警戒要因も存在します。

XRP大口増加の詳細:

  • 100万XRP保有ウォレット増加: 暗号資産分析プラットフォームのサンティメントによると、100万XRP以上を保有するウォレット数が年初から緩やかに増加しており、XRPの長期的な見通しにとって好材料になり得るといいます。ミリオネアウォレットが増加しています。
  • 42件純増: XRPの大口保有ウォレット(100万XRP以上保有)が9月以来初めて42件純増しました。大口投資家がXRPを買い増しています。
  • 価格は年初来4%下落: XRPは今月これまでに約4%下落していますが、オンチェーンデータは基調となる投資家の関心が強まっていることを示しています。価格は下落していますが、ファンダメンタルズは改善しています。
  • 米現物ETF流入12.6億ドル: XRPの米現物ETFへの累計流入は12.6億ドルに達しました。機関投資家の参入が進んでいます。

イーサリアム取引所残高減少、ステーキング需要拡大

暗号資産分析企業サンティメントによると、イーサリアム(ETH)の価格が横ばいで推移する中、過去6カ月で取引所に保管されるETH残高が減少しており、保有者は引き続きステーキングに積極的に参加しているといいます。

イーサリアム動向の詳細:

  • 取引所残高減少: 取引所に保管されるETH残高が減少しています。投資家がETHを取引所から引き出しています。売却ではなく、長期保有またはステーキングに回しています。
  • ステーキング需要拡大: イーサリアムはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用しており、ETHをステーキングすることで報酬を得られます。価格が横ばいの中、ステーキング需要が拡大しています。投資家はステーキング報酬を得ながら長期保有しています。
  • FOCIL導入提案: イーサリアムで2026年に予定されるアップグレード「ヘゴタ(Hegota)」に主要機能として「FOCIL」を導入することが提案されました。公平な取引処理に貢献するものです。FOCILは「Fork-Choice Enforced Inclusion Lists」の略で、トランザクションの公平な処理を実現します。

XRPとイーサリアムの動向は、価格が停滞する中でもファンダメンタルズは改善していることを示しています。大口投資家の買い増し、ETF流入、ステーキング需要拡大など、長期的にはポジティブな要素が揃っています。


フィデリティSC来月投入、UAEもUSDU発行

フィデリティが独自ステーブルコイン投入へ

資産運用会社フィデリティ・インベストメンツは来月、新たなステーブルコインを立ち上げる計画です。フィデリティは米国の大手資産運用会社であり、その参入はステーブルコイン市場に大きな影響を与えます。

フィデリティステーブルコインの詳細:

  • 来月投入: フィデリティは2026年2月に独自ステーブルコインを投入する計画だと報じられました。具体的な発行日は明らかになっていませんが、来月中です。
  • 国法信託銀行免許: フィデリティは米国の国法信託銀行免許を申請していると見られます。通貨監督庁(OCC)の規制下でステーブルコインを発行します。信頼性が高いです。
  • USDC、USAT、USDUに続く: テザーがUSAT、UAEのUniversal DigitalがUSDUを発行し、ステーブルコイン市場が拡大しています。フィデリティの参入により、競争がさらに激化します。

UAEがUSDU発行

アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とし、アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)の金融サービス規制局(FSRA)によって規制されたUniversal Digital(ユニバーサル・デジタル)が、同国初の米ドル建てステーブルコイン「USDU」を発行しました。

USDU発行の意義:

  • UAE初: USDUはUAE初の米ドル建てステーブルコインです。中東でのステーブルコイン普及が進んでいます。
  • 規制対応: ADGMのFSRAによって規制されています。規制対応がしっかりしており、信頼性が高いです。
  • 中東市場拡大: 中東はステーブルコインの需要が高い地域です。国際送金、貿易決済などでの利用が期待されます。

銀行が「取り付け騒ぎ」を警戒

銀行は、ステーブルコインが銀行システムから預金を吸い上げる可能性を警告しています。一方で、政策・規制の専門家は、現時点でその兆候を示す証拠は乏しいと指摘します。

銀行の懸念:

  • 預金流出: ステーブルコインが普及すれば、銀行預金がステーブルコインに流出します。1月28日報道の通り、スタンダード・チャータード銀行が米国の銀行が2028年末までに最大5,000億ドル(約77.5兆円)の預金流出リスクに直面すると分析しました。
  • 取り付け騒ぎ: 大量の預金がステーブルコインに移動すれば、銀行は資金繰りが困難になります。「取り付け騒ぎ」が発生する可能性があります。
  • 規制当局は影響限定的と認識: 一方、政策・規制の専門家は、現時点でその兆候を示す証拠は乏しいと指摘します。ステーブルコインの時価総額は約2,000億ドルです。米国の銀行預金総額は約18兆ドルです。ステーブルコインは銀行預金の1%程度です。影響は限定的です。

ステーブルコイン市場は大手企業の参入により拡大していますが、銀行業界との摩擦も生じています。規制当局がどのようにバランスを取るかが注目されます。


トークン化株式は「不可避」、米SEC規制明確化

ロビンフッドCEO「トークン化株式への進化は不可避」

ロビンフッド(Robinhood)のヴラド・テネフ(Vlad Tenev)CEOは、ゲームストップ(GameStop)のミーム株取引が停止された過去の事例のように、伝統的な取引所で頻発する取引停止を防ぐ手段として、トークン化株式が有効になり得るとの見解を示しました。

トークン化株式の意義:

  • 取引停止を防ぐ: 伝統的な取引所では、システム障害、規制上の理由、リスク管理などで取引が停止されることがあります。2021年のゲームストップ騒動では、ロビンフッドがゲームストップ株の購入を一時停止し、投資家から批判を浴びました。トークン化株式は24時間365日取引でき、取引停止のリスクが低いです。
  • 金融システムへの圧力を軽減: トークン化株式は決済が瞬時に完了します。伝統的な株式取引ではT+2(取引日から2営業日後)決済です。トークン化により決済リスクが減少し、金融システムへの圧力が軽減されます。
  • 不可避な進化: テネフCEOは「トークン化株式への進化は不可避」と述べました。ブロックチェーン技術により、株式取引がより効率的、透明、公平になります。

米SECがトークン化証券の規制を明確化

米証券取引委員会(SEC)が1月28日にトークン化証券に関する声明を発表しました。企業財務部門など3部門が共同で連邦証券法のトークン化証券への適用について見解を示しています。

米SEC規制明確化の内容:

  • 真の株主権: SECはトークン化された株式が真の株主権(議決権、配当受取権など)を持つ必要があると明確化しました。単に株価に連動するトークン(合成株式)は証券法の対象外です。
  • 合成株式の監視強化: SECは合成株式(真の株主権を持たず、株価に連動するトークン)の監視を強化します。合成株式は規制の抜け穴として悪用される可能性があります。
  • 明確なガイダンス: SECがトークン化証券に関する明確なガイダンスを提供したことで、企業はトークン化株式を発行しやすくなります。規制の不確実性が解消されました。

トークン化株式は「不可避」とロビンフッドCEOが述べ、米SECが規制を明確化したことで、実用化に向けた環境が整いつつあります。伝統的な金融システムとブロックチェーン技術の融合が進んでいます。


日本企業動向:老舗印刷ソラナ参入、ソニー投資

老舗印刷マツモト、ソラナ活用の子供向けデジタル資産事業

印刷大手の株式会社マツモトが、ソラナブロックチェーンを活用した「次世代DAT(デジタル・アセット・トレジャリー)事業」構想の検討を開始しました。卒業アルバム制作などを手掛ける1932年創業の老舗印刷マツモトは28日、ソラナブロックチェーンを活用した「次世代DAT」構想を発表しました。

マツモト次世代DAT事業の詳細:

  • 子供の活動履歴を記録: 子供の活動履歴(学校行事、スポーツ、文化活動など)をデジタル証明書としてブロックチェーンに記録します。改ざんできない記録として残ります。子供の成長の証明になります。
  • 暗号資産ポートフォリオの運用益を還元: マツモトは暗号資産ポートフォリオを運用し、その運用益を家庭に還元する仕組みを目指します。子供の活動履歴に応じて報酬を得られます。
  • ソラナ活用: ソラナは高速・低コストのブロックチェーンです。大量のトランザクションを処理できます。子供の活動履歴を記録するのに適しています。
  • 教育分野での活用: 教育分野でのブロックチェーン活用が進んでいます。学歴証明、資格証明などがデジタル化されています。マツモトの取り組みはその延長線上にあります。

老舗印刷企業がソラナブロックチェーンを活用した新事業を検討していることは、日本企業のブロックチェーン活用が多様化していることを示しています。

ソニーがStartaleに20億円追加投資

Sony Innovation Fund(ソニー・イノベーション・ファンド)がスターテイル(Startale)に約20億円を追加出資しました。Soneium共同開発のパートナーシップを強化しました。L2(レイヤー2)「Soneium」は1年で5億件超のトランザクションを達成しました。累計調達額は約25億円になります。

ソニーのStartale投資の意義:

  • Soneium強化: ソニーはイーサリアムL2のSoneiumを開発しています。スターテイルと共同開発しています。追加投資によりパートナーシップを強化します。
  • 5億件超のトランザクション: Soneiumは1年で5億件超のトランザクションを達成しました。順調に成長しています。エンターテインメント、ゲーム、NFTなどでの利用が拡大しています。
  • Web3事業拡大: ソニーはWeb3事業を拡大しています。音楽、映画、ゲームなどのエンターテインメントコンテンツをブロックチェーンで管理します。NFT、メタバースなどに注力しています。

その他の日本動向

  • ウィズダムツリーがソラナ拡大: 米ウィズダムツリー(WisdomTree)がソラナを利用可能なブロックチェーンとして追加し、個人投資家と機関投資家の両方がトークン化ファンドにアクセスできるようにすると発表しました。マルチチェーン展開戦略の一環として全ラインナップを拡大します。
  • NEDOがブロックチェーンコンペ: 経済産業省所管の国立研究開発法人「NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)」が、ブロックチェーン分野を対象とした賞金付きのコンペティションを開始します。優勝者には数千万円の懸賞金が贈られます。日本政府がブロックチェーン技術開発を支援しています。

日本企業のブロックチェーン活用が多様化し、政府も支援しています。老舗企業の参入、大手企業の投資拡大など、ポジティブな動きが続いています。


トランプ政権と暗号資産業界の動向

トランプアカウント制度が本格開始、BTCで1,000ドル支給?

アメリカの数十に及ぶ主要な雇用主がドナルド・トランプ大統領の提唱する新しい貯蓄制度「トランプアカウント(TrumpAccounts)」に従業員福利厚生として拠出を行うことに署名しました。トランプアカウントはアメリカの子どもたちのために設立される投資口座です。

トランプアカウントの詳細:

  • 新生児向け投資口座: トランプ政権が推進する新生児向け投資口座プログラムにウォール街企業や大手経営者が参加を表明しました。新生児に投資口座を開設し、資金を拠出します。
  • コインベースがBTC拠出検討: コインベースはビットコイン投資を推進する姿勢です。トランプアカウントにビットコインを拠出することを検討しています。新生児がビットコインを保有することになります。
  • 1,000ドル支給の可能性: 企業が従業員の子供のトランプアカウントに1,000ドル相当を拠出する計画です。ビットコインで支給される可能性があります。
  • 長期投資: トランプアカウントは長期投資を目的としています。子供が成人するまで運用されます。ビットコインの長期的な価格上昇を見込んでいます。

米ホワイトハウス、2月3日に銀行・暗号資産業界トップと会合

米ホワイトハウスは来週2月3日にも、銀行業界と暗号資産業界の幹部を招いた会合を主催する予定です。停滞が続いている米国の暗号資産市場構造法案を巡り、両業界の利害を調整します。

会合の目的:

  • CLARITY法案協議再開: ドナルド・トランプ米大統領の政権は、ステーブルコインの利回りを巡って議員間の意見が割れる中、暗号資産の市場構造を定める法案(通称CLARITY法案)の行き詰まり打開を図っています。
  • ステーブルコイン利回り問題: CLARITY法案第404条は、ステーブルコイン保有者への報酬提供ルールを定めています。銀行業界は反対していますが、暗号資産業界は支持しています。意見が割れています。
  • 両業界の調整: ホワイトハウスが銀行業界と暗号資産業界のトップを招いて会合を開き、利害を調整します。法案成立に向けた動きです。

仮想通貨政治活動委員会が300億円確保

暗号資産特化型政治活動委員会フェアシェイク(Fairshake)が2026年中間選挙に向け1.93億ドル超(約300億円)の資金を確保したと報じられました。暗号資産業界が政治的影響力を強めています。中間選挙で暗号資産推進派の候補者を支援します。

トランプ政権は暗号資産業界に友好的な姿勢を示しており、政策面での支援が期待されています。トランプアカウント制度、CLARITY法案協議、政治活動委員会など、多面的な動きが進んでいます。


その他の重要動向

ビットコインを「エネルギー通貨」として再評価

暗号資産投資会社ハッシュド(Hashed)のキム(Kim)CEOが、ビットコインマイニングをAI時代のエネルギーインフラとして再評価する論考を発表しました。エヌビディア(NVIDIA)やテスラ(Tesla)のトップも同様の見解を示し、業界で「エネルギー通貨」としての認識が広がっています。

エネルギー通貨としてのビットコイン:

  • マイニングはエネルギー消費: ビットコインマイニングは大量の電力を消費します。批判されてきました。しかし、視点を変えれば、マイニングはエネルギーを通貨に変換するプロセスです。
  • AIとの共通点: AIデータセンターも大量の電力を消費します。マイニングとAIは電力インフラを共有できます。マイニング施設をAIデータセンターに転用することも可能です。
  • エネルギーインフラ: ビットコインマイニングをエネルギーインフラとして捉え直すことで、新たな価値が見出されます。エネルギーの有効活用です。

投機マネーが暗号資産からAI・ロボティクスへ移動

調査会社デルファイ・デジタル(Delphi Digital)によると、投機的資金が暗号資産市場から流出し、人工知能(AI)やロボティクスといった他の新興テクノロジー分野へと流れつつあります。デルファイ・デジタルが暗号資産市場低迷の要因を分析しました。AI投資との競争激化や機関投資家動向、マクロ経済を背景にしたビットコインの今後の展望について解説しています。

投機マネー移動の背景:

  • AI・ロボティクス投資ブーム: AI、特に生成AI(ChatGPTなど)が注目されています。ロボティクスも成長が期待されています。投資家が新しい成長分野に資金を移しています。
  • 暗号資産市場低迷: ビットコインが9万ドルを突破できず、レンジ相場が続いています。投資家が暗号資産から資金を引き上げています。
  • 競争激化: 暗号資産とAI・ロボティクスが投資資金を奪い合っています。限られた資金がどちらに向かうかが市場を左右します。

コインベースがカルシと提携、全米50州で予測市場

予測市場への本格参入方針を示してから1カ月余りを経て、コインベース(Coinbase)は「スポーツ、政治、カルチャーなど」を対象とする予測市場の提供開始を明らかにしました。カルシ(Kalshi)と提携し、全米50州で予測市場を開始します。

予測市場の展開:

  • カルシとの提携: カルシは米国の規制対応済み予測市場プラットフォームです。コインベースがカルシと提携することで、全米50州で予測市場を提供できます。
  • スポーツ、政治、カルチャー: スポーツの試合結果、政治選挙、カルチャーイベントなど幅広いテーマで予測市場を提供します。ユーザーは予測に基づいて取引できます。
  • 暗号資産との融合: 予測市場と暗号資産を融合させることで、新しいユースケースが生まれます。コインベースの顧客基盤を活用できます。

量子技術でビットコイン崩壊?コインベース諮問委員会設立

コインベースは量子コンピューティング技術がブロックチェーンや暗号資産に与える影響を検討するため、独立諮問委員会の設立を発表しました。量子コンピューターは現在の暗号技術を破る可能性があります。ビットコインなどの暗号資産が危機に直面する可能性があります。コインベースは量子脅威に対する対策を検討しています。1月23日報道の通り、コインベースが量子脅威対策で専門家委員会を設立しました。イーサリアム・ファウンデーションも耐量子チームを設立しています。業界全体で量子脅威への対応が進んでいます。


おわりに

2026年1月29日、暗号資産市場は金銀との対照的な動きがさらに鮮明になりました。金価格が史上初めて5,500ドル台を突破し、銀も117ドルの史上最高値を記録し、金の時価総額は1日で約1兆6,500億ドル増加しました。一方、ビットコインは9万ドル突破に失敗し、FOMC後に下落して88,000ドル付近で推移しています。2021年初頭からの約5年間のパフォーマンスでは、銀がビットコインを大幅に上回り、ビットコインの「デジタルゴールド」としての地位を揺るがしています。トークン化ゴールド市場は8,250億円を突破し、ステーブルコイン最大手テザーが約140トン(約3兆7,000億円相当)の金を保有し、銀行や国家を除けば世界最大級の金保有者となりました。投資家が金銀に資金を移動させており、暗号資産市場は厳しい環境が続いています。一方、暗号資産市場にも明るい動きがあります。OpenAIが生体認証型SNSを開発中との報道を受け、ワールドコインが一時40%急騰しました。生体認証技術の実用化が進み、AIとブロックチェーンの融合が注目されています。XRPでは大口保有ウォレットが9月以来初めて42件純増し、100万XRP以上を保有するミリオネアウォレットが年初来で増加しています。イーサリアムでは取引所残高が減少し、ステーキング需要が拡大しています。価格が停滞する中でもファンダメンタルズは改善しています。ステーブルコイン市場では、資産運用大手フィデリティが来月独自ステーブルコインを投入する計画が報じられ、UAEのUniversal DigitalがUSDUを発行しました。大手企業の参入により市場が拡大していますが、銀行業界は預金流出を警戒しており、「取り付け騒ぎ」のリスクを指摘しています。トークン化株式に関しては、ロビンフッドCEOが「不可避な進化」と述べ、米SECが規制を明確化しました。伝統的な金融システムとブロックチェーン技術の融合が進んでいます。日本では、老舗印刷企業マツモトがソラナブロックチェーンを活用した子供向けデジタル資産事業の検討を開始し、ソニーがスターテイルに20億円を追加投資してSoneiumを強化しました。日本企業のブロックチェーン活用が多様化し、老舗企業の参入や大手企業の投資拡大など、ポジティブな動きが続いています。トランプ政権は暗号資産業界に友好的な姿勢を示しており、新生児向け投資口座プログラムにコインベースがビットコイン拠出を検討しています。2月3日には米ホワイトハウスが銀行業界と暗号資産業界のトップを招いて会合を開き、CLARITY法案の行き詰まり打開を図ります。暗号資産特化型政治活動委員会が300億円を確保し、政治的影響力を強めています。その他では、ビットコインマイニングを「エネルギー通貨」として再評価する動きが広がり、投機マネーが暗号資産からAI・ロボティクスへ移動しています。量子コンピューティング技術への対応も進んでいます。2026年1月29日は、金銀高騰とビットコイン停滞が鮮明になった一日でした。直近5年で銀がビットコインを上回るパフォーマンスを示したことは、ビットコインの「デジタルゴールド」としての地位を問い直す契機となります。一方、OpenAI生体認証SNS、XRP大口増加、フィデリティステーブルコイン投入、トークン化株式規制明確化、日本企業参入など、実用化に向けた動きが着実に進んでいます。投資家は、短期的な金銀との価格乖離に動揺せず、長期的な視点を持つことが重要です。XRPの大口増加、イーサリアムのステーキング需要拡大、大手企業のステーブルコイン参入、日本企業のブロックチェーン活用など、ファンダメンタルズは改善しています。トランプ政権の支援、技術革新、実用化の進展など、長期的にはポジティブな要素が揃っています。短期的な価格変動に左右されず、リスク管理を徹底し、余裕資金の範囲内で投資を行ってください。

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