税制改正大綱で暗号資産分離課税20%明記──日銀利上げでBTC上昇、TORICO急騰・米規制も【12月19日暗号資産市場まとめ】

2025年12月19日、日本の暗号資産市場に歴史的な瞬間が訪れました。自由民主党と日本維新の会が令和8年度(2026年度)税制改正大綱を正式決定し、長年の課題だった暗号資産税制の抜本的改革が明記されました。申告分離課税20%の導入と、最長3年間の損失繰越控除制度の創設が盛り込まれ、現行の最高税率55%から大幅に引き下げられることが確定しました。金融商品取引法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通しです。昨年の「検討」から具体化が大きく前進し、業界関係者は「web3業界発展に向けた重要な一歩」と評価しています。

同日、日本銀行は政策金利を0.50%から0.75%へ引き上げることを決定しました。約30年ぶりの高水準となり、市場では円キャリートレードの巻き戻しによるビットコイン下落が懸念されていましたが、実際には8.7万ドル(約1,349万円)へ上昇する展開となりました。マクロ経済の懸念が解消されたことで、暗号資産市場はポジティブに反応しました。

日本企業では、TORICOがイーサリアム財務戦略を発表し、株価が連日ストップ高を記録しています。12月19日は前日比50円高(+26.32%)の240円まで上昇し、「第2のメタプラネット」として市場から注目されています。メタプラネットは米国で新ティッカー「MPJPY」を始動し、米国市場への本格進出を加速させています。

米国では、上院が仮想通貨推進派のマイケル・セリグ氏(CFTC委員長)とトラビス・ヒル氏(FDIC委員長)を承認し、CLARITY法案が2026年1月に上院審議入りすることが確認されました。規制環境の改善が期待されています。

本稿では、税制改正大綱の詳細、日銀利上げとBTC反応、日本企業の躍進、米国規制動向、その他重要トピックについて解説します。

目次

税制改正大綱で暗号資産分離課税20%明記──3年繰越控除も創設、金商法改正前提で2028年施行見通し、現行最高55%から大幅引き下げ

2025年12月19日、自由民主党と日本維新の会が令和8年度(2026年度)税制改正大綱を正式決定し、暗号資産税制の抜本的改革が明記されました。申告分離課税20%の導入と、最長3年間の損失繰越控除制度の創設が盛り込まれ、現行の最高税率55%から大幅に引き下げられることが確定しました。金融商品取引法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通しです。

税制改正大綱の詳細は以下の通りです。第一に、申告分離課税20%導入です。暗号資産の現物取引、デリバティブ取引、関連ETF(上場投資信託)による所得を対象に、一律20%の申告分離課税を導入します。内訳は所得税15%、住民税5%です。現行制度では、暗号資産取引による所得は雑所得として総合課税の対象となり、最高税率55%(所得税45%+住民税10%)が適用されています。分離課税への移行により、税負担が大幅に軽減されます。株式やFX(外国為替証拠金取引)と同じ20.315%(復興特別所得税を含む)の税率となり、暗号資産投資の魅力が大きく向上します。

第二に、3年間の損失繰越控除制度創設です。暗号資産取引で発生した損失を、翌年以降最長3年間にわたり繰り越すことができる制度が新設されます。例えば、2028年に100万円の損失が発生した場合、2029年、2030年、2031年の利益から順次控除できます。株式投資では既に3年間の繰越控除が認められており、暗号資産も同様の扱いとなります。損失繰越により、投資家は長期的な視点で投資しやすくなります。年度ごとの損益を通算できるため、税負担の平準化が可能になります。

第三に、金商法改正を前提とした条件付き適用です。税制改正大綱では、「金融商品取引法等の改正により暗号資産の取引を行う権利等を金融商品として位置付けることを前提に」分離課税を導入すると明記されています。つまり、金融商品取引法(金商法)の改正が先行して行われ、暗号資産が金融商品として法的に位置付けられることが条件です。金商法改正により、暗号資産取引所は金融商品取引業者として登録が必要になり、投資家保護の枠組みが強化されます。税制改正とセットで法整備を進めることで、投資家保護と市場の健全性を同時に実現します。

第四に、2028年施行の見通しです。前日18日のCoinDesk JAPAN独自報道で「2028年1月施行」が報じられていましたが、税制改正大綱では「金商法改正の翌年1月1日から適用」と記載されています。金商法改正が2027年に行われれば、2028年1月から分離課税が施行されます。2027年分(2028年2月-3月申告)の所得から新税制が適用される見込みです。ただし、金商法改正のスケジュール次第では、施行時期が前後する可能性もあります。

第五に、昨年から大きく前進です。2024年の税制改正大綱では、暗号資産税制について「検討する」という表現にとどまっていました。2025年の大綱では、具体的な税率(20%)、繰越期間(3年)、適用条件(金商法改正)が明記され、実現に向けて大きく前進しました。業界関係者は「長年の課題がようやく解決に向かう」と歓迎しています。web3・日本ブロックチェーン協会(JBA)などの業界団体が、数年にわたり政府・与党に要望を続けてきた成果です。

第六に、業界への影響です。税制改正により、以下の効果が期待されます。(1)個人投資家の参入増加:税負担が軽減され、投資しやすくなります。(2)利益確定売りの活性化:現在は税率が高いため利益確定を控える投資家が多いですが、税率低下により売買が活発化します。(3)海外投資家の流入:日本の税制が改善されれば、海外投資家も日本市場に参入しやすくなります。(4)企業の参入促進:税制が明確化されれば、企業も暗号資産事業に参入しやすくなります。(5)ETF市場の活性化:暗号資産ETFが解禁されれば(前日報道では2028年解禁見通し)、分離課税の適用によりETF投資が魅力的になります。

第七に、残された課題です。一方、以下の課題も残されています。(1)金商法改正の実現:分離課税適用の前提となる金商法改正が、確実に実現するかが焦点です。(2)取引所の対応:金商法改正により、取引所は新たな規制対応が必要になります。(3)DeFiやNFTの扱い:分離課税の対象となるのは「取引所での取引」が中心と見られ、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)の取引がどう扱われるかは不明確です。(4)損益通算の範囲:株式や債券など他の金融商品との損益通算が認められるかは明記されていません。(5)法人税制:今回の改正は個人投資家が対象で、法人の暗号資産取引に関する税制は別途検討が必要です。

日銀30年ぶり利上げでBTC上昇──政策金利0.75%、マクロ懸念解消で8.7万ドルへ、V字回復で8.5万ドルが底か

日本銀行は12月19日、政策金利を0.50%から0.75%へ引き上げることを決定しました。約30年ぶり(1995年以来)の高水準となります。市場では円キャリートレードの巻き戻しによるビットコイン下落が懸念されていましたが、実際には8.7万ドル(約1,349万円)へ上昇する展開となりました。マクロ経済の懸念が解消されたことで、暗号資産市場はポジティブに反応しました。

日銀利上げとBTC反応の詳細は以下の通りです。第一に、30年ぶりの利上げ決定です。日本銀行は12月19日、政策金利を0.50%から0.75%へ0.25ポイント引き上げることを決定しました。植田和男総裁は政策委員会が全会一致で利上げに踏み切ったことを明らかにしました。この水準は1995年以来、実に約30年ぶりの高さです。新しい金利は12月22日から適用されます。利上げの背景には、インフレ率が目標の2%に近づいており、経済が回復基調にあることがあります。植田総裁は、経済見通しに対する確信が高まったと述べています。

第二に、市場の事前予想です。前日18日時点で、市場では利上げ確率が98%と見られていました。多くの投資家が利上げを織り込み済みでした。懸念されていたのは、円キャリートレードの巻き戻しによる暗号資産市場への悪影響でした。円金利が上昇すれば、低金利の円で借り入れて高リスク資産(暗号資産など)に投資する円キャリートレードを解消する動きが強まります。その結果、暗号資産を売却して円を買い戻す流れが生じ、価格下落につながると予想されていました。

第三に、BTC上昇という意外な展開です。しかし、実際には日銀の利上げ発表後、ビットコインは上昇しました。利上げ前は8.6万ドル台で推移していましたが、発表後に8.7万ドル(約1,349万円)まで上昇しました。イーサリアムも2,930ドル(約45万4,000円)付近まで回復しました。市場の反応が予想と逆だったのは、以下の理由が考えられます。(1)利上げ織り込み済み:投資家は既に利上げを織り込んでおり、「材料出尽くし」で買い戻しが入った。(2)マクロ懸念解消:利上げにより日本経済が安定軌道に乗るとの期待が高まった。(3)リスクオン:アジア株が上昇したことで、リスクオン(リスク資産への投資増加)ムードが強まった。(4)米CPI低下:同日発表された米国の消費者物価指数(CPI)が2021年以来の低水準に低下し、インフレ鈍化が確認されたことがポジティブ材料となった。

第四に、V字回復で8.5万ドルが底かです。ビットコインは12月17日から18日にかけて8.5万ドル(約1,318万円)付近まで急落しましたが、強力な買い戻しが入り鋭角的なV字回復を見せました。テクニカル分析では、8.5万ドルが重要なサポートライン(下値支持線)として機能したと見られています。8.5万ドルで底打ちし、反発に転じた形です。ゴールデンクロス(短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に抜ける強気サイン)の成立が秒読み段階に入っています。

第五に、XRPも1.80ドルで底打ちです。リップル(XRP)も1.80ドル付近まで急落し底割れの懸念がありましたが、安値圏での強い買い戻しにより急反発しました。1.85ドル(約287円)まで回復し、4.26%上昇しました。機関投資家の関心は継続しており、1.80ドル付近で買いが増加しています。ただし、真のトレンド転換を確認するには1.90ドル(約295円)の壁をクリアすることが不可欠と見られています。

第六に、今後の展開です。日銀利上げが実施され、市場の懸念材料が一つ解消されました。短期的にはポジティブな展開が続く可能性があります。ただし、以下のリスクも残されています。(1)円キャリートレードの巻き戻しは長期的に継続する可能性がある。(2)米国のFOMC(連邦公開市場委員会)が12月18日に開催され、FRB(連邦準備制度理事会)の政策金利見通しが示されました。利下げペースが鈍化すれば、暗号資産にネガティブです。(3)年末年始は流動性が低下し、価格変動が大きくなる傾向があります。投資家は引き続き慎重な姿勢を維持する必要があります。

日本企業躍進『TORICOストップ高連発・ETH財務戦略』『メタプラネット米国MPJPY始動』『JPYC新機能続々』──第2の暗号資産投資企業ブーム到来

日本企業による暗号資産戦略が活況を呈しています。TORICOはイーサリアム財務戦略を発表し、株価が連日ストップ高を記録しています。12月19日は前日比50円高(+26.32%)の240円まで上昇し、「第2のメタプラネット」として市場から注目されています。メタプラネットは米国で新ティッカー「MPJPY」を始動させ、12月19日より米国市場での取引が開始されました。JPYCは企業向け新機能を次々とリリースし、普及を加速させています。

日本企業動向の詳細は以下の通りです。第一に、TORICOストップ高連発です。株式会社TORICO(東証グロース上場、漫画全巻ドットコム運営)の株価が連日の急騰を見せています。12月17日にイーサリアム投資事業を専門とする完全子会社「株式会社TORICO Ethereum」の設立を決議したことが好感され、18日は前日比+25%、19日は+26.32%のストップ高を記録しました。19日の終値は240円で、12月13日の120円から2倍に上昇しました。TORICOは、2026年1月に新会社を設立し、イーサリアム(ETH)への投資に特化します。「日本No.1イーサリアム投資運用企業」を目指すと表明しており、Web3起業家の國光宏尚氏がアドバイザーに就任しています。

第二に、ETH財務戦略の特徴です。TORICOがビットコインではなくイーサリアムを選択した理由は、以下の通りです。(1)Web3・NFT事業との親和性:TORICOは漫画・コンテンツ事業を展開しており、NFT(非代替性トークン)との親和性が高いです。イーサリアムはNFTの主要プラットフォームであり、事業とのシナジーが期待できます。(2)ステーキング収益:イーサリアムは保有するだけでステーキング報酬(年利約3-5%)を得られます。ビットコインにはステーキング機能がありません。(3)スマートコントラクト:イーサリアムのスマートコントラクト機能を活用し、新しいビジネスモデルを構築できます。(4)DeFi活用:イーサリアムはDeFi(分散型金融)の中心であり、レンディング(貸付)やイールドファーミング(利回り獲得)などで運用益を得られます。TORICOの戦略は、ビットコイン財務戦略とは異なる独自のアプローチです。

第三に、メタプラネット米国MPJPY始動です。株式会社メタプラネットは、米国における投資家層の拡大と利便性向上を目的に、「スポンサー付きレベルI米国預託証券(ADR)プログラム」を設立しました。12月19日より米国でADR取引が開始されます。ティッカーシンボルは「MPJPY」です。米国投資家は、日本の証券取引所で直接取引するのではなく、米国市場でMPJPYを購入することで、メタプラネット株に投資できます。メタプラネットは、12月12日に米国証券取引委員会(SEC)にForm F-6を提出し、ADR登録の手続きを進めていました。米国市場への上場により、以下のメリットが期待されます。(1)米国投資家へのアクセス拡大。(2)流動性の向上。(3)ブランド認知度の国際的向上。(4)資金調達の容易化。メタプラネットは12月22日に臨時株主総会を開催し、200億円超の資金調達に関する議案を審議します。

第四に、JPYC新機能続々です。日本円建ステーブルコインJPYCは、新機能を次々とリリースし、普及を加速させています。(1)企業向けゲートウェイ:アステリア株式会社が開発した「JPYCゲートウェイ」が2026年1月13日よりベータ版提供開始。ウォレット管理、秘密鍵管理、ガス代支払いを簡素化し、企業が暗号資産を扱いやすくします。30兆円規模への拡大を目指しています。(2)Xキャンペーン支援ツール対応:アライドアーキテクツ株式会社のXキャンペーン支援ツール「echoes」において、JPYCをマーケティングインセンティブとして活用できる新機能が提供開始。企業はXでのキャンペーンで、参加者にJPYCを配布できます。(3)累計発行額5億円突破:12月17日に報じられた通り、JPYCの累計発行額は5億円を突破しました。口座開設数も1万件に達しています。JPYCは、企業導入と個人利用の両面で成長を続けています。

第五に、第2の暗号資産投資企業ブームです。エスクリプトエナジー(旧エス・サイエンス、1000BTC目標)、メタプラネット(3100BTC規模)に続き、TORICOがイーサリアム財務戦略で参入しました。日本企業による暗号資産投資が、ビットコインからイーサリアムへと多様化しています。税制改正(分離課税20%、2028年施行)が実現すれば、さらに多くの企業が参入する見込みです。企業のBTC・ETH戦略は、日本の暗号資産市場の成長を牽引する重要なトレンドとなっています。

米国規制動向『CFTC・FDIC新委員長承認』『CLARITY法案1月審議へ』『SoFi国法銀行初ステーブルコイン』──トランプ政権下で規制環境改善加速

米国で暗号資産に対する規制環境の改善が加速しています。米上院は12月18日、トランプ大統領が指名したマイケル・セリグ氏(CFTC委員長)とトラビス・ヒル氏(FDIC委員長)を承認しました。両氏は仮想通貨推進派として知られ、デジタル資産に対するより友好的な規制環境の実現が期待されています。ホワイトハウスの仮想通貨担当官は、CLARITY法案(デジタル資産市場透明性法)が2026年1月に上院審議入りすることを確認しました。SoFi(ソーファイ)は、米国法銀行として初のステーブルコイン「SoFi USD」を発表しました。

米国規制動向の詳細は以下の通りです。第一に、CFTC・FDIC新委員長承認です。米上院は12月18日、以下の2名を承認しました。(1)マイケル・セリグ氏:CFTC(商品先物取引委員会)委員長に就任。CFTCは暗号資産デリバティブ(先物、オプションなど)を規制する機関です。セリグ氏は暗号資産推進派として知られ、業界に友好的な姿勢を示しています。(2)トラビス・ヒル氏:FDIC(連邦預金保険公社)委員長に就任。FDICは銀行の預金保険を提供する機関で、銀行の暗号資産業務を監督します。ヒル氏も暗号資産に対して前向きな姿勢を持っています。両氏の就任により、暗号資産に対する規制が明確化され、企業が活動しやすい環境が整うと期待されています。

第二に、CLARITY法案1月審議へです。ホワイトハウスでAI・仮想通貨政策を統括するデービッド・サックス氏によれば、デジタル資産市場明確化法案(CLARITY法案)が成立に向けて一歩前進し、2026年1月に上院で条文審査(Markup)が行われる見通しだという。CLARITY法案は、暗号資産の規制枠組みを定める包括的な法律です。主な内容は以下の通りです。(1)暗号資産の法的位置付けの明確化。(2)SEC(証券取引委員会)とCFTCの管轄の明確化。(3)取引所、カストディ業者の規制。(4)投資家保護の強化。業界と伝統的金融機関が最終協議を実施しており、超党派の協力が成立の鍵となっています。CLARITY法案が成立すれば、米国の暗号資産市場は大きく前進します。企業は明確なルールの下で事業を展開でき、投資家は保護された環境で投資できます。

第三に、SoFi国法銀行初ステーブルコイン発表です。SoFi(ソーファイ)は、米国法銀行として初のステーブルコイン「SoFi USD」を発表しました。完全準備型の米ドルステーブルコインで、パブリックブロックチェーン上で発行されます。SoFiは、銀行、フィンテック企業、エンタープライズプラットフォーム向けに、より迅速かつ低コストな資金移動を提供することを目指しています。国法銀行(連邦政府から免許を受けた銀行)がステーブルコインを発行するのは初の事例です。これにより、以下のメリットがあります。(1)信頼性:国法銀行は厳格な規制監督下にあるため、投資家の信頼が高い。(2)預金保険:FDIC保険の対象となる可能性があり、安全性が向上。(3)金融システムへの統合:銀行が発行するステーブルコインは、既存の金融システムとスムーズに統合できる。SoFiの動きは、伝統金融機関の暗号資産参入を象徴する出来事です。

第四に、その他の規制動向です。(1)サークル、インテュイットと提携:ステーブルコイン大手サークル(Circle)が金融テクノロジー企業インテュイット(Intuit)と複数年の戦略的提携を締結。TurboTax(確定申告ソフト)やQuickBooks(会計ソフト)などでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。(2)JPモルガンのJPMコイン、ベースチェーンに移行:JPモルガン・チェースがデジタル預金トークンJPMコインを独自の内部ブロックチェーンからコインベース(Coinbase)の「ベース(Base)」に移行。機関投資家の需要に応え、24時間365日のほぼ即時決済を可能にする。(3)ペイパルがAIインフラ資金調達にPYUSD活用:ペイパルは、自社発行のステーブルコイン「PYUSD」の役割をAI(人工知能)金融分野へ拡大。AI企業向け融資を提供するステーブルコインプラットフォームUSD.AIを通じて活用される。

その他重要トピック──2025年暗号資産盗難5300億円・北朝鮮関連目立つ、MSCI除外で2兆円売却圧力、台湾210BTC保有、量子耐性署名議論活発化

2025年の暗号資産盗難被害額が5300億円(34億ドル)を突破し、2022年以来で最大となりました。北朝鮮関連グループによる犯行が目立っています。MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が暗号資産保有企業を指数から除外する提案を検討しており、実施されれば約2兆円の売却圧力が発生する可能性があります。台湾政府が210BTC保有で世界8位に浮上しました。ビットコインコミュニティで量子耐性署名の導入を求める声が浮上し、議論が活発化しています。

その他重要トピックの詳細は以下の通りです。第一に、2025年暗号資産盗難5300億円です。チェイナリシス(Chainalysis)が2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表しました。総額は34億ドル(約5300億円)規模であり、2022年以来で最大です。北朝鮮関連グループによる犯行が目立っています。Bybit(バイビット)ハッキング(約15億ドル、約2325億円)など大規模な事件が発生しました。ハッカーは大規模な仮想通貨企業と個人ウォレットを集中的に攻撃しています。北朝鮮による攻撃は高度化しており、偽Zoom通話でマルウェアを拡散する手口などが報告されています。セキュリティ強化と投資家教育が急務です。

第二に、MSCI除外で2兆円売却圧力の可能性です。MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が暗号資産保有企業を指数から除外する提案を検討しています。実施されれば39社で最大150億ドル(約2.2兆円)の強制売却が発生する可能性があります。MSCIは世界的な株価指数を提供しており、多くの機関投資家がMSCI指数に連動する運用を行っています。暗号資産保有企業が指数から除外されれば、指数連動ファンドは該当企業の株式を売却せざるを得ません。対象企業には、ストラテジー(Strategy)、マイクロストラテジー(MicroStrategy、旧称)、メタプラネット(Metaplanet)などが含まれる可能性があります。業界は1,268の署名を集め強く反発しています。2026年1月15日に最終判断が下される予定です。仮に除外が決定されれば、暗号資産保有企業の株価に大きな下落圧力がかかります。

第三に、台湾210BTC保有で世界8位です。台湾の法務部が犯罪捜査で押収した210枚以上のビットコインを保有していることを明らかにしました。政府機関としては世界第8位の規模となります。戦略的備蓄の検討も進んでいます。台湾のテック系議員として知られる葛如鈞(Ko Ju-Chun)氏が情報を公開しました。210.45BTC(約1,800万ドル、約2,790億円相当)を保有しています。押収ビットコインをそのまま保有するか、売却するか、戦略的備蓄として活用するかが議論されています。台湾政府による暗号資産保有は、国家レベルでのビットコイン採用が進んでいることを示しています。

第四に、量子耐性署名議論活発化です。ビットコインコミュニティで量子耐性のある署名方式の採用を急ぐべきだとの声が強まりつつあります。BIP-360(Bitcoin Improvement Proposal 360、ビットコイン改善提案360)を巡り議論が活発化しています。量子コンピュータは、現在の暗号技術(楕円曲線暗号など)を破る能力を持つとされています。ビットコインのセキュリティが量子コンピュータで脅かされる可能性があります。耐量子暗号(Post-Quantum Cryptography、PQC)は、量子コンピュータでも破ることができない暗号技術です。BIP-360は、ビットコインに耐量子署名を導入する提案です。ビットコイン支持者や仮想通貨ファンドの一部が導入を求めていますが、技術的な課題や互換性の問題もあり、慎重な議論が必要です。前日18日にはソラナ(Solana)が耐量子取引テストを実施したことが報じられており、ブロックチェーン業界全体で量子コンピュータ対策が進んでいます。

第五に、その他注目情報です。(1)中国マイニング取り締まり、実際の影響は限定的:中国の新疆ウイグル自治区でビットコインマイニングの大規模な取り締まりがあったとする報道がありましたが、TheMinerMagのデータによれば、実際の影響は当初伝えられたほど大きくなかった可能性が高いです。(2)NYSE親会社、ムーンペイへの出資を協議中:ニューヨーク証券取引所を運営するICE(インターコンチネンタル・エクスチェンジ)が仮想通貨決済企業ムーンペイ(MoonPay)への出資交渉を進めていることが報道されました。評価額50億ドル(約7,750億円)を目指しています。(3)テザーCEO、2026年の最大リスクはAIバブルと指摘:テザーのCEOパオロ・アルドイノ氏は、AI主導のバブルがビットコインを揺るがす可能性があると述べました。(4)ブラジル証券取引所、トークン化プラットフォームとステーブルコインを開始へ:2026年に提供する計画です。

おわりに

2025年12月19日は、日本の暗号資産業界にとって歴史的な転換点となりました。自由民主党と日本維新の会が令和8年度税制改正大綱を正式決定し、暗号資産税制の抜本的改革が明記されました。申告分離課税20%の導入と、最長3年間の損失繰越控除制度の創設が盛り込まれ、現行の最高税率55%から大幅に引き下げられることが確定しました。金融商品取引法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通しです。昨年の「検討」から大きく前進し、実現に向けた具体的な道筋が示されました。

業界関係者は「長年の課題がようやく解決に向かう」と歓迎しています。税率が55%から20%に下がれば、個人投資家の参入増加、利益確定売りの活性化、海外投資家の流入、企業の参入促進など、多大な効果が期待されます。ETF解禁(前日報道では2028年解禁見通し)と合わせ、日本の暗号資産市場は劇的に変貌する可能性があります。

同日、日本銀行は政策金利を0.50%から0.75%へ引き上げ、約30年ぶりの高水準となりました。市場では円キャリートレードの巻き戻しによるビットコイン下落が懸念されていましたが、実際には8.7万ドルへ上昇しました。マクロ経済の懸念が解消され、暗号資産市場はポジティブに反応しました。ビットコインは8.5万ドルで底打ちし、V字回復を見せています。

日本企業では、TORICOがイーサリアム財務戦略を発表し、株価が連日ストップ高を記録しています。「第2のメタプラネット」として市場から注目され、日本企業の暗号資産投資がビットコインからイーサリアムへと多様化しています。メタプラネットは米国で新ティッカー「MPJPY」を始動させ、国際展開を加速させています。JPYCは企業向け新機能を次々とリリースし、30兆円規模への拡大を目指しています。

米国では、上院が仮想通貨推進派のCFTC・FDIC新委員長を承認し、CLARITY法案が2026年1月に上院審議入りすることが確認されました。SoFiは国法銀行として初のステーブルコインを発表し、伝統金融機関の暗号資産参入が加速しています。

一方、2025年の暗号資産盗難被害額が5300億円を突破し、セキュリティ強化が急務となっています。MSCIが暗号資産保有企業を指数から除外する提案を検討しており、2兆円規模の売却圧力が発生する可能性があります。量子耐性署名の導入を巡る議論も活発化しています。

税制改正大綱決定、日銀利上げ、日本企業の暗号資産戦略多様化、米国規制環境改善という4つの大きな流れが、暗号資産市場の未来を形作っています。2028年に向けて、日本の暗号資産市場は大きく成長する見込みです。投資家は長期的な視点を持ち、リスク管理を徹底しながら、この歴史的転換期を乗り越えてください。

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