2025年12月12日、米最大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)が大規模な事業展開を発表しました。ブルームバーグ(Bloomberg)によると、コインベースは12月17日に予測市場とトークン化株式への参入を発表する見通しです。さらに、アプリ内でソラナ(Solana)系トークンをDEX(分散型取引所)経由で直接取引できる新機能を発表し、従来の上場審査なしで数百万種類のトークンに即座にアクセス可能になります。1.2億ユーザーに順次展開予定で、暗号資産市場の流動性が劇的に向上します。
米CFTC(商品先物取引委員会)が暗号資産の「現物引き渡し」に関する2020年ガイダンスを撤回し、規制簡素化へと動きました。キャロライン・ファム(Caroline Pham)委員長代行は「時代遅れで過度に複雑」と指摘しています。さらに、CFTCはポリマーケット(Polymarket)など予測市場運営4社にノーアクションレターを発行し、特定の記録保管要件を免除しました。米預託信託決済機構DTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)の子会社DTCがSEC(証券取引委員会)から無措置書簡を取得し、DTC管理下の実世界資産(RWA)をトークン化する新サービスの提供が承認されました。
ソラナ公式が12日、XRP統合を発表しました。ヘックス・トラスト(Hex Trust)もwXRP(Wrapped XRP)のソラナローンチを同日発表し、1億ドル(約155億円)超のTVL(Total Value Locked、総預かり資産)を確保しました。JPモルガン(JP Morgan)がギャラクシー(Galaxy)向けに5,000万ドル(約78億円)のコマーシャルペーパーをソラナ上で発行し、ソラナエコシステムの拡大が加速しています。
テラフォームラボ(Terraform Labs)のド・クォン(Do Kwon)創業者に米国地裁で懲役15年の判決が下されました。2022年のアルゴリズム型ステーブルコインUST崩壊により数兆円の被害をもたらしていました。
本稿では、コインベース大規模展開、CFTC規制緩和加速、ソラナエコシステム拡大、テラフォーム判決、伝統金融参入加速、国税庁追徴、その他重要トピックについて解説します。
コインベース大規模展開『予測市場・トークン化株式12/17発表』ソラナDEX統合で数百万トークンアクセス──チェーンリンク採用、1.2億ユーザー展開
米最大手暗号資産取引所コインベースが大規模な事業展開を発表しました。ブルームバーグによると、コインベースは12月17日に予測市場とトークン化株式への参入を発表する見通しです。さらに、アプリ内でソラナ系トークンをDEX経由で直接取引できる新機能を発表し、従来の上場審査なしで数百万種類のトークンに即座にアクセス可能になります。
コインベース大規模展開の詳細は以下の通りです。第一に、予測市場とトークン化株式の12月17日発表です。ブルームバーグの報道によると、コインベースは12月17日のショーケースイベントで予測市場とトークン化株式の2つの新製品を発表予定です。予測市場は、政治イベントやスポーツ結果などの未来の出来事に賭けるプラットフォームで、ジェミナイ(Gemini)がCFTCから予測市場運営の承認を取得するなど、業界全体で急成長しています。業界全体の取引高は2025年1-10月で279億ドル(約4兆3,200億円)に達しています。トークン化株式は、株式をブロックチェーン上でトークン化し、24時間365日取引可能にする仕組みです。DTCC(米預託信託決済機構)のトークン化承認など、規制進展が加速しており、コインベースの参入は市場に大きなインパクトを与えます。
第二に、ソラナDEX統合で数百万トークンアクセスです。コインベースは、アプリ内でソラナ系トークンをDEX(分散型取引所)経由で直接取引できる新機能を発表しました。従来、コインベースで取引できるトークンは上場審査を通過したものに限定されていましたが、今後は審査なしで数百万種類のトークンに即座にアクセス可能になります。ソラナは高速・低コストのブロックチェーンで、ミームコインやNFTプロジェクトが多数存在します。これらのトークンにコインベースの1.2億ユーザーが直接アクセスできるようになることで、流動性が劇的に向上します。ただし、DEX取引はリスクが高く、詐欺プロジェクトも多数存在するため、ユーザーは十分な注意が必要です。
第三に、チェーンリンククロスチェーン技術採用です。コインベースはチェーンリンク(Chainlink)のクロスチェーン技術を採用しました。ビットコインのcbBTC(Coinbase Wrapped Bitcoin)やイーサリアムのcbETH(Coinbase Wrapped Ethereum)などラップドトークンの送金に活用します。チェーンリンクは、異なるブロックチェーン間でデータや資産を安全に転送する技術を提供しており、コインベースの複数チェーン展開を支えます。ラップドトークンは、元の資産を担保にして別のブロックチェーン上で発行されるトークンで、クロスチェーンDeFi(分散型金融)の重要なインフラです。
第四に、1.2億ユーザーへの順次展開です。コインベースのソラナDEX統合機能は、1.2億ユーザーに順次展開予定です。段階的に機能を公開し、ユーザーフィードバックを反映しながら改善を進めます。コインベースは米国最大の暗号資産取引所で、機関投資家から個人投資家まで幅広いユーザーを抱えています。1.2億ユーザーがソラナエコシステムにアクセスできるようになることで、ソラナの時価総額やDeFiのTVLが大幅に増加する可能性があります。
第五に、スタンダード・チャータード銀行との協力拡大です。スタンダード・チャータード(Standard Chartered)銀行とコインベースが、機関投資家向け暗号資産プライムサービスを拡大すると発表しました。機関投資家に対して、カストディ(保管)、取引、融資などの総合的なサービスを提供します。伝統的銀行と暗号資産取引所の協力が深まっており、機関投資家の参入が加速します。
第六に、競合の動きです。ジェミナイがCFTCから予測市場ライセンスを取得し、関連会社ジェミナイ・タイタン(Gemini Titan)を通じて二者択一式イベント契約を提供します。カルシ(Kalshi)とポリマーケットが急成長する予測市場で、競争が激化しています。コインベースの参入により、予測市場の規模がさらに拡大する見込みです。
CFTC規制緩和加速『引き渡し規則撤廃』予測市場柔軟対応、DTCC承認でトークン化本格化──銀行委員会クラリティ法案協議
米CFTCが暗号資産の「現物引き渡し」に関する2020年ガイダンスを撤回し、規制簡素化へと動きました。キャロライン・ファム委員長代行は「時代遅れで過度に複雑」と指摘しています。さらに、CFTCはポリマーケットなど予測市場運営4社にノーアクションレターを発行し、特定の記録保管要件を免除しました。DTCC子会社DTCがSECから無措置書簡を取得し、実世界資産をトークン化する新サービスの提供が承認されました。
CFTC規制緩和加速の詳細は以下の通りです。第一に、引き渡し規則撤廃の意義です。CFTCは、暗号資産の「現物引き渡し(Actual Delivery)」に関する2020年ガイダンスを撤回しました。2020年ガイダンスは、暗号資産デリバティブ取引が「現物引き渡し」に該当するための条件を詳細に規定していましたが、ファム委員長代行は「時代遅れで過度に複雑」と指摘しました。撤回により、取引所がより柔軟に運営できるようになり、業界から歓迎の声が上がっています。デリバティブ取引と現物取引の境界が明確になり、取引所は規制遵守のコストを削減できます。
第二に、予測市場への柔軟対応です。CFTCは、ポリマーケット、カルシ、ジェミナイ・タイタン、ロビンフッド(Robinhood)の予測市場子会社の4社にノーアクションレターを発行し、特定の記録保管要件を免除しました。予測市場運営には厳格なデータ保管義務がありますが、初期段階のスタートアップにとって負担が重いため、柔軟対応を行いました。業界全体の取引高は2025年1-10月で279億ドル(約4兆3,200億円)に達し、急成長が続いています。規制当局が柔軟に対応することで、イノベーションが促進されます。
第三に、DTCC承認でトークン化本格化です。米預託信託決済機構DTCCの子会社DTCがSECから無措置書簡を取得し、DTC管理下の実世界資産をトークン化する新サービスの提供が承認されました。2026年後半にサービス展開を開始する予定です。DTCCは米国の株式や債券の清算・決済を担う中核機関で、年間約2京ドル(約3,000京円)の取引を処理しています。DTCCがトークン化サービスを提供することで、伝統的金融資産のトークン化が本格化します。株式、債券、国債などがブロックチェーン上で取引可能になり、24時間365日取引、即時決済、コスト削減などのメリットが実現します。
第四に、銀行委員会クラリティ法案協議です。米上院銀行委員長が、ビットコインなど暗号資産の市場構造を定める法案で銀行業界と協議し、進展があったと報告しました。ステーブルコイン利回りやDeFi(分散型金融)が法案の争点となっています。銀行は、ステーブルコインが預金に代替される可能性を懸念しており、利回り規制を求めています。一方、暗号資産業界は、過度な規制がイノベーションを阻害すると主張しています。法案の成立により、暗号資産市場の法的枠組みが明確になり、銀行や機関投資家の参入が加速します。
第五に、トランプ政権下での規制整備加速です。12月には現物取引承認やパイロットプログラム開始など、トランプ政権下で暗号資産規制の整備が加速しています。CFTCは「CEOイノベーション評議会(CEO Innovation Council)」を設立し、クラーケン(Kraken)やジェミナイなど暗号資産業界トップが参加します。デリバティブ市場の構造変化やトークン化について議論します。暗号資産担保のパイロットプログラムも開始しており、CFTCは暗号資産業界との協力を強化しています。
ソラナエコシステム拡大『XRP統合・wXRP 1億ドルTVL』JPモルガン債券、ステート・ストリート、シャオミウォレット──DePINヘリウム
ソラナ公式が12日、XRP統合を発表しました。ヘックス・トラストもwXRP(Wrapped XRP)のソラナローンチを同日発表し、1億ドル(約155億円)超のTVLを確保しました。レイヤーゼロ(LayerZero)技術を活用したクロスチェーン機能で、ソラナDeFiでのXRP利用が実現します。JPモルガンがギャラクシー向けに5,000万ドル(約78億円)のコマーシャルペーパーをソラナ上で発行しました。
ソラナエコシステム拡大の詳細は以下の通りです。第一に、XRP統合とwXRP 1億ドルTVLです。ソラナ公式が12日、XRP統合を発表しました。デジタル資産カストディ大手のヘックス・トラストが、ソラナブロックチェーン上でWrapped XRP(wXRP)を発行することが明らかになりました。12月11日から13日にアブダビで開催されたSolana Breakpoint 2025カンファレンスで発表され、1億ドル(約155億円)超のTVLを確保しました。レイヤーゼロ技術を活用したクロスチェーン機能で、XRPをソラナDeFiで利用できるようになります。XRPはリップル社が開発する暗号資産で、国際送金に特化しています。ソラナとXRPの統合により、両エコシステムのユーザーが相互に利用できるようになり、流動性が向上します。
第二に、JPモルガンソラナ債券発行です。金融大手JPモルガンは12日、ギャラクシー・デジタル・ホールディングス(Galaxy Digital Holdings)向けに5,000万ドル(約78億円)規模のオンチェーンコマーシャルペーパーをソラナブロックチェーン上で組成したと発表しました。コマーシャルペーパーは企業が短期資金調達のために発行する無担保の約束手形で、通常1年以内に償還されます。ブロックチェーン上で発行することで、発行コストの削減、24時間365日取引、即時決済などのメリットがあります。JPモルガンは、イーサリアム上でトークン化商品を提供してきましたが、ソラナでの発行は初めてです。ソラナの高速・低コストな特性が評価されています。
第三に、ステート・ストリート×ギャラクシー トークン化ファンドです。ステート・ストリート(State Street)とギャラクシーは、トークン化したキャッシュ運用ファンドのローンチ計画を発表しました。まずはソラナのブロックチェーンに対応し、将来的にはステラ(Stellar)やイーサリアムなどにも拡大するとしました。ステート・ストリートは資産管理額約4.1兆ドル(約635兆円)を誇る世界最大級の資産運用会社で、伝統的金融の巨人がソラナを選択したことは大きな意味を持ちます。キャッシュ運用ファンドは、短期国債やコマーシャルペーパーに投資する低リスクファンドで、トークン化により個人投資家も少額から投資できるようになります。
第四に、シャオミウォレットプリインストールです。中国のスマートフォンメーカーシャオミ(Xiaomi)が、Sei(セイ)が開発する暗号資産ウォレットを世界向けスマートフォンにプリインストールすることを発表しました。この提携により、Seiは主要な暗号資産市場に直接モバイル配信できるようになり、2026年にステーブルコイン決済の試験導入を計画しています。シャオミは世界第3位のスマートフォンメーカーで、年間出荷台数は約1.5億台です。暗号資産ウォレットがプリインストールされることで、暗号資産の普及が大幅に加速します。
第五に、DePINヘリウムブラジル進出です。ソラナを基盤とする分散型無線ネットワーク「ヘリウム(Helium)」は、ブラジルのWiFiプロバイダー「Mambo WiFi(マンボ・ワイファイ)」との合弁事業を通じてブラジルに進出します。ヘリウムは、個人や企業がWiFiホットスポットを設置し、ネットワークを構築するDePIN(分散型物理インフラネットワーク)プロジェクトです。参加者はトークン報酬を受け取り、ネットワークが拡大します。ブラジルは人口約2.1億人の大市場で、ヘリウムの進出により南米での普及が加速します。
テラフォーム創業者懲役15年判決『UST崩壊数兆円被害』──アルゴリズム型ステーブルコイン失敗の教訓
テラフォームラボのド・クォン創業者に米国地裁で懲役15年の判決が下されました。2022年のアルゴリズム型ステーブルコインUST(TerraUSD)崩壊により数兆円の被害をもたらしていました。連邦判事は、共同創業者の量刑を決める前に、テラフォームラボとクォン氏の被害者の陳述を数時間にわたって聴取しました。
テラフォーム判決の詳細は以下の通りです。第一に、懲役15年判決の背景です。ド・クォン創業者は、2022年5月のUST崩壊により投資家に数兆円の被害をもたらしたとして、証券詐欺などの罪で起訴されていました。米国地裁は12月11日、有罪答弁を受けて懲役15年の判決を下しました。クォン氏はモンテネグロで逮捕され、米国に引き渡されていました。判決前に、多数の被害者が法廷で陳述を行い、自殺未遂や家族崩壊など、深刻な被害を訴えました。裁判官は、被害の大きさを考慮して厳しい判決を下しました。
第二に、UST崩壊の経緯です。UST(TerraUSD)は、1ドルに連動するアルゴリズム型ステーブルコインでした。通常のステーブルコインは、米ドルや国債などの準備資産を保有して価値を裏付けますが、アルゴリズム型は準備資産を持たず、姉妹トークンLUNA(ルナ)との交換メカニズムで価格を維持する仕組みでした。2022年5月、大規模な売却が発生し、USTは1ドルから脱却(デペッグ)しました。アルゴリズムが機能せず、USTもLUNAも価値がほぼゼロになり、約400億ドル(約6兆2,000億円)の時価総額が消失しました。多くの個人投資家が全財産を失い、暗号資産市場全体に衝撃が走りました。
第三に、アルゴリズム型ステーブルコインの失敗です。UST崩壊は、アルゴリズム型ステーブルコインの脆弱性を露呈しました。準備資産なしで価格を維持する仕組みは、市場の信頼が揺らぐと簡単に崩壊します。現在、主流のステーブルコインはUSDT(テザー)やUSDC(サークル)など、準備資産を保有する担保型です。規制当局も、アルゴリズム型ステーブルコインに対して厳格な姿勢を示しており、今後の発行は困難な状況です。
第四に、暗号資産業界への教訓です。UST崩壊は、暗号資産業界にとって大きな教訓となりました。過度に複雑な仕組みや、準備資産のない「魔法」のような仕組みは、持続可能ではありません。透明性、監査、準備資産の保有が重要であることが再認識されました。また、著名人の推奨や高利回りの誘惑に惑わされず、自分で調査・判断することの重要性も浮き彫りになりました。
伝統金融参入加速『バンク・オブ・アメリカBTC担保融資準備』バンガードETF解禁5,000万人アクセス──アニモカSolv Protocol協力
資産規模1.7兆ドル(約264兆円)のバンク・オブ・アメリカ(Bank of America)がビットコイン担保融資商品の準備を進めていると報じられました。主要米銀行による暗号資産担保融資の提供は、暗号資産と伝統金融の統合における重要な一歩となります。資産運用大手バンガード(Vanguard)が、同社のブローカー口座を通じて暗号資産関連ETFへの取引アクセスを順次開放する方針を示しました。
伝統金融参入加速の詳細は以下の通りです。第一に、バンク・オブ・アメリカBTC担保融資準備です。資産規模1.7兆ドル(約264兆円)のバンク・オブ・アメリカがビットコイン担保融資商品の準備を進めていると報じられました。ビットコイン担保融資は、ビットコインを担保に法定通貨(米ドルなど)を借り入れる仕組みです。ビットコインを売却せずに資金調達できるため、長期保有者にとって魅力的なサービスです。主要米銀行による暗号資産担保融資の提供は、暗号資産と伝統金融の統合における重要な一歩となります。バンク・オブ・アメリカは、米国第2位の銀行で、6,600万人以上の顧客を抱えています。同行が暗号資産担保融資を提供すれば、市場に大きなインパクトを与えます。
第二に、バンガードETF解禁5,000万人アクセスです。資産運用大手バンガードが、同社のブローカー口座を通じて暗号資産関連ETFへの取引アクセスを順次開放する方針を示しました。対象となるのは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、XRP、ソラナ(SOL)など主要暗号資産のETFです。バンガードは世界最大級の資産運用会社で、運用資産額は約9.3兆ドル(約1,441兆円)です。約5,000万人の顧客が暗号資産ETFにアクセスできるようになることで、機関投資家や富裕層の参入が加速します。バンガードはこれまで暗号資産に対して慎重な姿勢を示していましたが、市場の成熟と規制整備を受けて方針を転換しました。
第三に、アニモカ×Solv Protocol協力です。アニモカ・ブランズ・ジャパン(Animoca Brands Japan)はSolv Protocol(ソルブ・プロトコル)とMOU(覚書)を締結し、企業のビットコイン保有・運用を支援するDAT(Digital Asset Treasury、デジタル資産財務)領域で協力を拡大すると発表しました。BTCFi(Bitcoin Finance、ビットコイン金融)活用による財務戦略の高度化を目指します。Solv Protocolは、ビットコイン分散型金融(DeFi)プラットフォームで、ビットコインをステーキングやレンディングに活用できる仕組みを提供しています。企業がビットコインを保有するだけでなく、運用して利回りを得られるようにすることで、BTC財務戦略の魅力を高めます。
第四に、21SharesのXRP現物ETF上場です。21Shares(21シェアーズ)のXRP現物ETF「21Shares Core XRP Trust(TOXR)」がCboe BZX取引所(シーボーBZX取引所)に上場しました。米国で5銘柄目のXRP ETFです。SECに12月8日に提出されたS-1申請書の修正版により確認されました。XRPの機関投資家による採用が進み、ETF市場が拡大しています。15.5億XRP(約33億ドル、約5,115億円)の移動も観測されており、ETFへの資金流入準備と見られています。
国税庁追徴46億円『1件745万円、全体平均2.5倍』分離課税調整進む──暗号資産調査厳格化
国税庁が令和6事務年度(2024年7月~2025年6月)の調査結果を公表しました。暗号資産取引に対する追徴税額は46億円(約46億円)で前年比31%増、1件当たり745万円(約745万円)と全体平均の2.5倍になりました。政府は分離課税導入に向け調整を進めています。
国税庁追徴の詳細は以下の通りです。第一に、追徴46億円の内訳です。国税庁が令和6事務年度における所得税および消費税調査の状況を公表しました。重点項目の一つである暗号資産取引に関連する実地調査の件数は613件となり、前年度の535件から増加しました。申告漏れ所得金額の総額は156億円(約156億円)、追徴税額は46億円(約46億円)で前年比31%増となりました。1件当たりの追徴税額は745万円(約745万円)で、全体平均の約300万円(約300万円)の2.5倍に達しています。暗号資産取引による所得は高額になりやすく、申告漏れも多いことが浮き彫りになりました。
第二に、暗号資産調査の厳格化です。国税庁は、暗号資産取引を重点調査項目として位置づけ、調査体制を強化しています。取引所からの情報提供、ブロックチェーン分析ツールの活用、国際的な情報交換などにより、申告漏れを効率的に発見しています。特に、海外取引所を利用した取引や、NFT取引、DeFi取引など、複雑な取引形態に対する調査が強化されています。暗号資産取引で利益を得た場合、必ず確定申告を行う必要があります。
第三に、分離課税導入に向けた調整です。政府は、暗号資産取引の税制を現行の総合課税(最高税率55%)から分離課税(一律20%程度)に変更する検討を進めています。金融審議会の最終報告書でも、分離課税導入の必要性が指摘されました。株式やFX(外国為替証拠金取引)と同様の税制にすることで、投資家の負担を軽減し、暗号資産市場の健全な発展を促進します。ただし、分離課税導入には時間がかかる見込みで、2027年施行を目指して調整が進められています。
第四に、納税者への注意喚起です。国税庁は、暗号資産取引で利益を得た場合、必ず確定申告を行うよう注意喚起しています。申告漏れが発覚した場合、本来の税額に加えて、延滞税や加算税が課されます。悪質な場合は、刑事罰の対象にもなります。暗号資産取引の損益計算は複雑ですが、取引所が提供する計算ツールや、専門の税理士に相談することで、正確な申告が可能です。
その他重要トピック──YouTube PYUSD報酬、エルサルバドルGrok導入、ブータン金トークン、マレーシアステーブルコイン、ベラルーシ取引所遮断
YouTube(ユーチューブ)が動画プラットフォームのクリエイターに対し、ペイパル(PayPal)のステーブルコインPYUSD(PayPal USD)での報酬受け取りを選択できるようにしました。フォーチューン(Fortune)誌によると、現在は米国ユーザーのみに適用されます。ステーブルコインによる報酬支払いは、国際送金コストの削減や、即時受け取りなどのメリットがあります。Web2プラットフォームとWeb3の融合が現実のものとなっています。
ビットコインを法定通貨として初めて採用したエルサルバドルは、ナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領の主導のもと、AI(人工知能)の最前線に立つことを目指しています。イーロン・マスク(Elon Musk)氏のGrok(グロック)と提携し、5,000校に導入してAI活用教育を推進します。暗号資産とAIの両分野で先進的な取り組みを進めています。
ブータンの特別都市GMC(ギーレプ・マインドフルネス・シティ)が、金を裏付け資産とする国家支援型トークン「TER(テル)」をソラナ基盤で発行しました。DK Bankが販売・保管を担い、同国のデジタル経済戦略を加速させる取り組みとなります。ヒマラヤの王国はビットコインをマイニングし、デジタル資産準備を保有し、ブロックチェーン技術を自国の金融システム近代化に取り入れています。
スタンダード・チャータード銀行マレーシアとエアアジア(AirAsia)の親会社キャピタルA(Capital A)が、マレーシアの法定通貨リンギット(Ringgit)に連動するステーブルコインの検討に乗り出しました。東南アジアでの国家支援型ステーブルコイン発行が加速しています。
ベラルーシ情報省は12月12日、暗号資産取引所バイビット(Bybit)、OKX、ビットゲット(Bitget)、ゲート(Gate)、BingX、Weexへのアクセスを遮断したと発表しました。ロシアと同様に、規制されていない海外取引所へのアクセスを制限する動きが見られます。
ビットコイン9万ドル(約1,395万円)割れから反発しましたが、FOMC後の売り圧力後退による反発と指摘されています。ステーブルコイン流入が8月比50%減の760億ドル(約1,178億ドル)まで縮小しており、新たな流動性回復まで上昇は限定的です。週足9万3,000ドル(約1,442万円)確保が強気継続の条件になります。年末サンタ・ラリーの可能性は低下しており、強気の確信は2026年初頭に先送りされています。日足チャートで弱気フラッグを形成し続けており、新たに7万6,000ドル(約1,178万円)が下落ターゲットとして浮上しています。
ビットコイントレジャリーは第4四半期に停滞していますが、最大保有企業は引き続き蓄積しており、公開企業による保有量は総供給量の4.7%を超えました。トレジャリー企業の購入減速により、ビットコインマイニング企業が企業採用の主導役に浮上する可能性があります。マイニング企業は市場価格より低い実質コストでビットコインを取得できるため、優位性があります。
イーサリアムはステーキングから20日間で13億ドル(約2,015億円)流出しており、トム・リー(Tom Lee)氏の価格予想が成立するか注目されています。パキスタン閣僚が「ビットコインとブロックチェーンはパキスタンの新たな金融レールを形成すべき」と発言し、草の根レベルの暗号資産活動を準拠的でイノベーション主導の産業へと転換しようとする姿勢を示しています。
おわりに
2025年12月12日は、コインベースの大規模展開が発表され、暗号資産市場の構造が大きく変化する重要な日となりました。12月17日に予測市場とトークン化株式への参入を発表する見通しで、ソラナDEX統合により数百万種類のトークンに即座にアクセス可能になります。1.2億ユーザーへの順次展開により、暗号資産市場の流動性が劇的に向上します。チェーンリンククロスチェーン技術の採用、スタンダード・チャータード銀行との協力拡大など、コインベースは暗号資産市場のインフラとしての地位を確立しつつあります。
CFTC規制緩和加速により、引き渡し規則撤廃、予測市場への柔軟対応、DTCC承認でトークン化本格化が進んでいます。トランプ政権下で暗号資産規制の整備が加速しており、取引所はより柔軟に運営できるようになりました。銀行委員会クラリティ法案の協議も進展しており、暗号資産市場の法的枠組みが明確になりつつあります。規制整備が進むことで、銀行や機関投資家の参入が加速します。
ソラナエコシステムが急拡大しています。XRP統合とwXRP 1億ドルTVL、JPモルガンのソラナ債券発行、ステート・ストリート×ギャラクシーのトークン化ファンド、シャオミウォレットプリインストール、DePINヘリウムのブラジル進出など、多様な動きが見られます。ソラナは高速・低コストのブロックチェーンとして、伝統的金融機関や大手企業から選ばれています。
テラフォーム創業者に懲役15年判決が下され、UST崩壊による数兆円の被害に対する司法判断が示されました。アルゴリズム型ステーブルコインの失敗は、暗号資産業界にとって大きな教訓となりました。透明性、監査、準備資産の保有が重要であることが再認識されました。
伝統金融参入が加速しています。バンク・オブ・アメリカがビットコイン担保融資商品の準備を進め、バンガードが暗号資産ETFを解禁し5,000万人にアクセスを提供します。アニモカ×Solv Protocol協力、21SharesのXRP ETF上場など、企業や機関投資家による暗号資産採用が進んでいます。
国税庁が暗号資産調査で46億円追徴し、1件当たり745万円と全体平均の2.5倍になりました。分離課税導入に向けた調整が進んでおり、2027年施行を目指しています。暗号資産取引で利益を得た場合、必ず確定申告を行う必要があります。
YouTube PYUSD報酬、エルサルバドルGrok導入、ブータン金トークン、マレーシアステーブルコイン、ベラルーシ取引所遮断、ビットコイン市場動向、トレジャリー企業動向、イーサリアムステーキング流出、パキスタン閣僚発言など、多様な動きがありました。
コインベース大規模展開、CFTC規制緩和、ソラナエコシステム拡大、テラフォーム判決、伝統金融参入、国税庁追徴という6つの大きな流れが、暗号資産市場の構造変化を示しています。取引所の進化、規制整備の加速、ブロックチェーン選択の明確化、司法判断の確立、機関投資家参入、税制改正という本質的な変化を冷静に見極め、長期的な視点で市場と向き合ってください。リスク管理を徹底し、余裕資金の範囲内で投資を行いましょう。
