2025年12月4日、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のラリー・フィンクCEOが、かつてのビットコインに対する否定的な見解が誤りであったことを公の場で認めました。2017年に「マネーロンダリングの指標」と批判していた同氏が「意見は変わった」と明言し、暗号資産業界に衝撃が走りました。
三菱UFJアセットマネジメント、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ信託銀行、Progmat(プログマット)は、日本初の「トークン化投資信託」の開発をめざし、まずは「トークン化マネー・マーケット・ファンド(MMF)」の2026年の発行を目指すことを発表しました。ステーブルコイン活用も視野に入れています。
ブラックロックと国際通貨基金(IMF)は、現実資産(RWA)のトークン化に関して対照的な見解を示しており、金融業界で大きな議論を呼んでいます。ブラックロックがこれを初期のインターネットに匹敵する重要な市場とする一方、IMFは慎重姿勢を示しています。3000億ドル(約46兆5,000億円)市場での真っ向対立です。
ストラテジー(Strategy)は世界最大規模となる65万BTCものビットコイン保有量を活かし、レンディング(貸付)市場への参入を検討しています。しかし、大量のBTCが空売りの燃料になるとの懸念が続出しています。
本稿では、ブラックロックCEO発言撤回、MUFG トークン化MMF、ブラックロック対IMF対立、ストラテジー レンディング参入、リップルCEO予測、ソニーSoneium、その他重要動向について解説します。
ブラックロックCEO、ビットコイン批判撤回「意見は変わった」──2017年「マネロン指標」から転換
世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のラリー・フィンクCEOが、ニューヨークで開催されたサミットにおいて、かつてのビットコインに対する否定的な見解が誤りであったことを公の場で認めました。2017年に「マネーロンダリングの指標」と批判していた同氏が「意見は変わった」と明言し、暗号資産業界に衝撃が走りました。
フィンクCEOの姿勢転換の意義は以下の通りです。第一に、2017年の批判からの180度転換です。フィンクCEOは2017年、ビットコインを「マネーロンダリングの指標」と厳しく批判していました。当時、ビットコインは約4,000ドル(約62万円)で取引されており、多くの金融機関が懐疑的でした。しかし、今回のサミットで「私の意見は変わった。当時は間違っていた」と明言しました。ウォール街の巨人が過去の発言を撤回することは極めて異例です。
第二に、IBITの大成功です。ブラックロックは2024年1月にビットコイン現物ETF「IBIT」を上場し、大成功を収めました。IBITは運用資産額500億ドル(約7兆7,500億円)を突破し、ETF史上最速の成長を記録しました。ブラックロックのオプション取引も、米国市場で9番目の規模に成長しています。この成功がフィンクCEOの姿勢転換を後押ししました。
第三に、トークン化への注力です。フィンクCEOは、トークン化が暗号資産業界と伝統的金融をつなぐ「橋」になると主張し、同分野へのコミットメントを一層強めています。ブラックロックは「BUIDL」というトークン化ファンドを運用しており、米国債をトークン化して提供しています。BUIDLは運用資産額10億ドル(約1,550億円)を突破し、最大のトークン化ファンドとなっています。
第四に、米国債務増加と暗号資産採用の関係です。ブラックロックは2026年に向けたビジョンを提示し、米国債と世界最大の経済に対する弱気の見通しとは裏腹に、米国の債務増加が暗号資産の採用を加速させると指摘しました。AIに関するレポートでこの見解を示しており、財政赤字の拡大がインフレ懸念を高め、暗号資産への需要を押し上げるとしています。
第五に、業界への影響です。ブラックロックCEOの姿勢転換は、他の金融機関にも大きな影響を与えます。バンガード(Vanguard)やバンク・オブ・アメリカ(Bank of America)が暗号資産市場に参入する中、ブラックロックのリーダーシップがさらに加速します。フィンクCEOの発言は、暗号資産の主流化を象徴する歴史的な瞬間です。
MUFG3社とProgmat、トークン化MMF 2026年発行目指す──ステーブルコイン活用視野、日本初の投資信託
三菱UFJアセットマネジメント、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ信託銀行、Progmat(プログマット)は、日本初の「トークン化投資信託」の開発をめざし、まずは「トークン化マネー・マーケット・ファンド(MMF)」の2026年の発行を目指すことを発表しました。ステーブルコイン活用も視野に入れています。
MUFG トークン化MMFの意義は以下の通りです。第一に、日本初のトークン化投資信託です。投資信託をブロックチェーン上でトークン化することで、24時間365日取引可能になり、決済も即座に完了します。従来の投資信託は、営業日の特定時間にのみ売買でき、決済に数日かかりました。トークン化により、リアルタイム売買と即時決済が実現します。
第二に、MMFからのスタートです。MMF(マネー・マーケット・ファンド)は、短期金融商品に投資する安全性の高い投資信託です。利回りは低いですが、元本割れリスクが極めて低く、現金に近い性質を持ちます。トークン化の第一弾としてMMFを選んだのは、リスクを最小化しながら技術を実証するためです。成功すれば、株式ファンドや債券ファンドにも展開します。
第三に、ステーブルコイン活用の視野です。トークン化MMFとステーブルコインを組み合わせることで、新しい金融エコシステムが構築できます。例えば、ステーブルコインで決済し、余剰資金をトークン化MMFで運用することで、効率的な資金管理が可能になります。MUFGは既に「Progmat Coin」という預金型ステーブルコインを発行しており、これとの連携が期待されます。
第四に、2026年発行の意義です。2026年発行という目標は、金融庁の規制整備スケジュールと整合しています。政府は2028年施行を目指してトークン化法を整備していますが、実証実験は先行して進められます。MUFGの2026年発行は、規制整備と並行して実用化を進める戦略です。
第五に、MUFG3社とProgmatの連携です。三菱UFJアセットマネジメントが投資信託の運用、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が販売、三菱UFJ信託銀行が信託業務、Progmatがブロックチェーン基盤を担当します。MUFGグループの総合力を活かした体制です。Progmatは既に代表の齊藤達哉氏がオンチェーン金融の未来ビジョンを語っており、議決権付きトークン化株式で日本が世界初となる計画を推進しています。
ブラックロック対IMF、3000億ドルRWA市場で真っ向対立──初期インターネット vs 慎重姿勢
ブラックロック(BlackRock)と国際通貨基金(IMF)は、現実資産(RWA)のトークン化に関して対照的な見解を示しており、金融業界で大きな議論を呼んでいます。ブラックロックがこれを初期のインターネットに匹敵する重要な市場とする一方、IMFは慎重姿勢を示しています。3000億ドル(約46兆5,000億円)市場での真っ向対立です。
ブラックロック対IMFの対立の構図は以下の通りです。第一に、ブラックロックの楽観論です。ブラックロックのラリー・フィンクCEOとロブ・ゴールドスティーンCOOは、トークン化が暗号資産業界と伝統的金融をつなぐ「橋」になると主張しています。フィンクCEOは「トークン化は初期のインターネットに匹敵する重要性を持つ」と述べ、金融業界の根本的な変革をもたらすとしています。ブラックロックは既に「BUIDL」というトークン化ファンドで運用資産額10億ドルを突破し、実績を積み上げています。
第二に、IMFの慎重姿勢です。IMFは、トークン化市場の急速な成長に対して慎重な見方を示しています。規制の不確実性、サイバーセキュリティリスク、金融安定性への影響など、多くの懸念を指摘しています。IMFは「トークン化が金融システムの安定性を損なう可能性がある」と警告し、適切な規制整備が必要だと強調しています。
第三に、3000億ドル市場の現実です。RWAトークン化市場は現在約3000億ドル規模と推定されており、急速に成長しています。不動産、美術品、債券、株式など、あらゆる資産がトークン化されています。ブラックロックは2028年に2兆ドル(約310兆円)規模へ成長すると予測していますが、IMFはこの楽観論に疑問を呈しています。
第四に、規制整備の重要性です。ブラックロックもIMFも、規制整備の重要性では一致しています。しかし、規制のアプローチが異なります。ブラックロックは「イノベーションを促進する規制」を求めており、過度な規制が市場の成長を阻害すると懸念しています。一方、IMFは「投資家保護と金融安定性を優先する規制」を求めており、慎重なアプローチを提唱しています。
第五に、市場への影響です。ブラックロックとIMFの対立は、RWA市場の今後の方向性に大きな影響を与えます。ブラックロックのような大手金融機関が積極的に参入すれば、市場は急速に拡大します。一方、IMFが警告を発すれば、規制当局が慎重になり、市場の成長が減速する可能性があります。
ストラテジー、65万BTCレンディング参入検討で空売り懸念──「デジタル金庫」から方針転換、市場に波紋
ストラテジー(Strategy)は世界最大規模となる65万BTCものビットコイン保有量を活かし、レンディング(貸付)市場への参入を検討しています。同社はこれまでBTCを安全に保管する「デジタル金庫」としての役割をアピールしてきましたが、レンディング参入により大量のBTCが空売りの燃料になるとの懸念が続出しています。
ストラテジー レンディング参入の意義と懸念は以下の通りです。第一に、65万BTCの活用です。ストラテジーは約65万BTC(約600億ドル、約9兆3,000億円)を保有しており、世界最大のビットコイン保有企業です。これまで「永久保有」を掲げ、BTCを売却せずに保管していました。しかし、レンディング市場への参入を検討しており、保有BTCを貸し出して利息収入を得る計画です。
第二に、空売りの燃料になる懸念です。レンディング市場では、借り手がBTCを借りて空売り(ショート)します。ストラテジーが65万BTCを貸し出せば、市場に大量の売り圧力が発生します。暗号資産アナリストは「ストラテジーのレンディング参入は、BTCの大量空売りを可能にし、価格下落を引き起こす」と警告しています。
第三に、「デジタル金庫」からの方針転換です。ストラテジーのマイケル・セイラー(Michael Saylor)会長は、BTCを「デジタルゴールド」と位置づけ、永久保有を掲げてきました。レンディング参入は、この方針からの転換を意味します。フォン・リーCEOは「レンディングは追加収益源となり、株主価値を高める」と説明していますが、市場は懐疑的です。
第四に、株価への影響です。ストラテジー株は10月6日以降、57%下落しており、厳しい状況にあります。mNAV(純資産価値)1倍割れのリスクもあり、レンディング参入が新たな懸念材料となっています。投資家は「ストラテジーがBTCを売却するのではないか」との不安を抱いており、株価が不安定です。
第五に、市場への影響です。ストラテジーのレンディング参入が実現すれば、レンディング市場に大量のBTCが供給され、借入金利が低下します。一方、空売りが増加すれば、BTC価格に下落圧力がかかります。市場は、ストラテジーの動向を注視しています。
リップルCEO、BTC 2026年に18万ドル到達予測──バイナンス・ブロックチェーン・ウィークで発言
リップル(Ripple)社のブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)CEOは、バイナンス・ブロックチェーン・ウィークで、ビットコインは2026年に18万ドル(約2,790万円)に達すると予測しました。
ガーリングハウスCEOの予測の意義は以下の通りです。第一に、18万ドルという強気予測です。現在のBTC価格は約9万3,000ドル(約1,441万円)であり、18万ドルは約2倍の水準です。2026年末までに2倍になるという予測は、強気派の中でも楽観的です。グレースケール(Grayscale)も2026年に史上最高値を更新すると予測していますが、具体的な価格目標は示していません。
第二に、XRP ETFの成功が背景です。リップル社のXRP現物ETFは、上場13日で8億ドル(約1,240億円)超の流入を達成し、史上2番目の速さを記録しました。ガーリングハウスCEOは、XRP ETFの成功が暗号資産市場全体への信頼を高め、ビットコインへの資金流入を促すと見ています。
第三に、規制環境の改善です。米SEC(証券取引委員会)のポール・アトキンス委員長が「イノベーション免除」導入を表明し、規制環境が改善しています。ガーリングハウスCEOは、規制の明確化が機関投資家の参入を促し、ビットコイン価格を押し上げると予測しています。
第四に、ソラナ財団との協力です。ガーリングハウスCEOは、ソラナ財団(Solana Foundation)との協力を示唆しており、暗号資産エコシステム全体の成長を重視しています。リップル社は決済ネットワークに特化していますが、他のプロジェクトとも連携し、市場拡大を目指しています。
ソニーのL2「Soneium」にステーブルコイン「スターテイルUSD」発行──ソニーグループのWeb3戦略加速
スターテイル・グループ(Startale Group)は米時間12月3日、ソニーグループが手がけるイーサリアムレイヤー2「Soneium(ソニューム)」で、ステーブルコイン「スターテイルUSD(USDSC)」を発行しました。
Soneiumステーブルコインの意義は以下の通りです。第一に、ソニーのWeb3戦略です。ソニーグループはSoneiumを通じて、Web3市場に本格参入しています。Soneiumは、イーサリアムのレイヤー2ソリューションで、高速・低コストの取引を実現します。PlayStation、音楽、映画など、ソニーの多様な事業でブロックチェーン技術を活用する計画です。
第二に、スターテイルUSDの特徴です。USDSCは、米ドルに連動するステーブルコインで、Soneium上で発行されます。スターテイル・グループは、Astar Network(アスター・ネットワーク)の開発チームであり、日本のブロックチェーン企業として実績があります。ソニーとスターテイルの連携により、日本発のステーブルコインが誕生しました。
第三に、ソニー経済圏での活用です。USDSCは、ソニーグループのサービスで決済手段として活用される予定です。ゲーム内課金、音楽配信、映画チケット購入など、幅広い用途が想定されます。ソニー銀行も米Bastion(バスティオン)と業務提携し、米ドル建てステーブルコインの事業化を推進しており、ソニーグループ全体でステーブルコイン戦略を進めています。
コインベースCEO「ステーブルコインを受け入れない銀行は取り残される」──米大手銀行とパイロット提携
コインベース(Coinbase)は、ステーブルコイン、暗号資産のカストディ・取引に関するパイロットプログラムについて、米国大手銀行数行と提携していると、CEOのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏が述べました。ステーブルコインを受け入れない銀行は「取り残される」と警告しています。
アームストロングCEOの発言の意義は以下の通りです。第一に、大手銀行との提携です。コインベースは、米国大手銀行数行とパイロットプログラムを実施しています。具体的な銀行名は明らかにされていませんが、ステーブルコインのカストディ(保管)や取引に関する実験を行っています。銀行が暗号資産サービスを提供することで、個人投資家や企業が暗号資産にアクセスしやすくなります。
第二に、「取り残される」との警告です。アームストロングCEOは「ステーブルコインを受け入れない銀行は取り残される」と述べ、銀行に対して暗号資産への対応を促しています。ステーブルコインは、国際送金や決済で広く使われており、銀行が対応しなければ、顧客を失う可能性があります。
第三に、ステーブルコインの普及です。米ドルステーブルコインUSDTやUSDCは、時価総額が1,500億ドル(約23兆2,500億円)を超えており、急速に普及しています。コインベースはUSDCを発行しており、ステーブルコイン市場で重要な役割を果たしています。
その他の重要動向──欧州トークン化60億→1000億ユーロ、JPYC QR決済、AI ハッキング懸念、米国債利回り上昇
欧州委員会は欧州におけるトークン化(Tokenization)を強力に推進するためDLTパイロット制度(DLT Pilot Regime)の大規模な改定案を提示しました。今回の提案における最大の変更点は、DLTプラットフォーム上で取引できる金融商品の上限額を、現行の60億ユーロ(約9,720億円)から1,000億ユーロ(約16兆2,000億円)へと大幅に引き上げることです。約16倍の拡大により、欧州のトークン化市場が急成長する見込みです。
日本円ステーブルコインJPYCの保有アドレスは、1週間で2.4万増加し、8万8,288に到達しました。11月27日時点の6万4,089アドレスと比較して、急速に拡大しています。Web3テック企業のSOWAKA PTE. LTD.(SOWAKA)は、JPYCと連携した新たな決済ソリューション「Avacus Pay(アバカス・ペイ)」を正式に発表しました。QR決済対応により、手数料大幅減が期待されます。
Anthropic(アンスロピック)のフロンティア・レッドチームによる最新の研究結果が、暗号資産のセキュリティ対策に根本的な見直しを迫っています。12月1日に公開された報告書によると、AIエージェントがわずか1件あたり約1.22ドルのコストで暗号資産ハッキングを実行できることが判明しました。AIの進化により、ハッキングが容易になり、セキュリティ対策の強化が急務です。
オランダのING銀行(アイエヌジー)のアナリストは、現在4.09%の米国10年物国債利回りの上昇余地を指摘しました。これは暗号資産強気派にとっての悪い知らせです。債券利回りが上昇すれば、リスク資産である暗号資産が売られる可能性があります。
ビットコインは生産コスト付近で推移しており、強気/弱気ラインが狭まっています。checkonchain(チェック・オン・チェーン)によると、ビットコインは難易度回帰モデルに密接に追従しており、ネットワークの全維持生産コストを推定するこのモデルと価格が一致しています。マイニングコストが価格の下限となっており、この水準を割り込めば、マイナーが採算割れとなります。
ビットコインは12月4日に9万3,000ドル台で推移しましたが、主要な暗号資産は最大で5%上昇しました。しかし、暗号資産市場全体のボラティリティが高まっており、トレーダーは「フェイク」を警戒しています。カルダノ(ADA)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)が上昇しましたが、持続性に疑問があります。
ビットコイン10万ドル回復の可能性が再浮上しています。ビットコインの30日インプライド・ボラティリティ指数(BVIV)は48まで急激に縮小し、9月の安値から形成されていた強気のトレンドラインを下回りました。テクニカル分析では、ETH強気派に勢いがあり、ビットコインも10万ドルを視野に入れる展開です。
メタプラネット(Metaplanet)社長のサイモン・ゲロヴィッチ氏が、アラブ首長国連邦のアブダビで12月8日から9日にかけて開催される大規模カンファレンス「Bitcoin MENA」に登壇します。日本のDAT企業として、国際的なプレゼンスを高めています。
【おわりに】
2025年12月4日は、ブラックロックCEOのビットコイン批判撤回という歴史的な発言が報じられ、暗号資産市場の主流化を象徴する一日となりました。2017年に「マネーロンダリングの指標」と厳しく批判していたウォール街の巨人が「意見は変わった。当時は間違っていた」と公の場で認めたことは、暗号資産が投機的資産から主流の投資対象へと完全に移行したことを示しています。IBITの運用資産額500億ドル突破、トークン化ファンドBUIDLの10億ドル突破という実績が、フィンクCEOの姿勢転換を裏付けています。
MUFG3社とProgmatによる日本初のトークン化MMF開発は、日本の金融業界が本格的にブロックチェーン技術を採用する転換点です。2026年発行という明確な目標、ステーブルコイン活用の視野、MUFGグループの総合力を活かした体制は、日本が暗号資産・トークン化分野で世界をリードできる可能性を示しています。Progmat齊藤氏が語る2028年トークン化法施行に向けたロードマップと整合しており、官民一体での取り組みが着実に進んでいます。
ブラックロックとIMFの3000億ドルRWA市場での対立は、トークン化の可能性とリスクを浮き彫りにしました。ブラックロックの「初期のインターネットに匹敵する重要性」との楽観論と、IMFの慎重姿勢は、金融業界が直面する課題を象徴しています。規制整備の重要性では一致していますが、イノベーション促進か投資家保護優先かというアプローチの違いが鮮明です。2028年に2兆ドル規模への成長予測が実現するかどうかは、この対立の行方次第です。
ストラテジーの65万BTCレンディング参入検討は、DAT企業のビジネスモデルの転換点となる可能性があります。「デジタル金庫」から「レンディング収益」への方針転換は、追加収益源を確保する一方、大量のBTCが空売りの燃料になるとの懸念を生んでいます。株価57%下落、mNAV1倍割れリスクという厳しい状況の中、レンディング参入が新たな論争を引き起こしています。市場は、ストラテジーの動向を注視しています。
リップルCEOの2026年18万ドル予測、ソニーSoneiumへのステーブルコイン発行、コインベースCEOの「銀行は取り残される」発言、欧州トークン化市場の60億→1,000億ユーロ拡大、JPYC QR決済対応、AI ハッキング懸念、米国債利回り上昇など、多様な動きがありました。
ブラックロックCEOの歴史的発言、MUFG トークン化MMF、ブラックロック対IMF対立、ストラテジー レンディング参入という4つの大きな流れが、暗号資産市場の未来を形作っています。短期的な価格変動に惑わされず、機関投資家の姿勢変化、日本の規制整備進展、トークン化市場の成長、DAT企業のビジネスモデル変化という構造的変化を冷静に見極め、長期的な視点で市場と向き合ってください。リスク管理を徹底し、余裕資金の範囲内で投資を行いましょう。
