ゆうちょトークン化預金が不動産決済進出、bitFlyer法人課税回避サービス。BTC9万ドル台維持も最悪11月、JPYC6万人突破Morpho採用、ブータンETHステーキング、メタプラネット購入停止──【11月28日暗号資産市場まとめ】

2025年11月28日、ゆうちょ銀行のトークン化預金が不動産決済に進出します。シノケングループ、ゆうちょ銀行、ディーカレットDCPの3社がトークン化預金の活用に向けた基本合意書を締結。賃貸管理における月次賃料の支払いをユースケースに、決済の自動化・効率化を検証します。2025年12月末に実証実験を完了し、2026年以降の本格導入を目指します。

bitFlyer(ビットフライヤー)が法人向け「アセットロックサービス」を開始。暗号資産を1年以上ロックすることで期末時価評価課税の適用除外要件を満たし、含み益への課税を回避できます。対象はBTC・ETH・XRPの3銘柄です。

日本円ステーブルコインJPYCが、暗号資産レンディングプロトコルMorpho(モルフォ)において採用されました。日本円で利回り獲得が可能になります。

ビットコインは9万ドル台を維持し、市場心理が改善。ARKインベスト(アーク・インベスト)は150万ドル(約2億3,175万円)予想を維持していますが、2019年以来最悪の11月となる見通しです。

本稿では、日本の規制・制度革新、BTC市場動向、JPYC急成長、ブータン政府ETHステーキング、メタプラネット購入停止、その他の重要動向について解説します。

目次

ゆうちょ銀行トークン化預金が不動産決済進出、bitFlyer法人課税回避サービス ── 日本の規制・制度革新が加速

ゆうちょ銀行のトークン化預金が不動産決済に進出します。シノケングループ、ゆうちょ銀行、ディーカレットDCPの3社がトークン化預金の活用に向けた基本合意書を締結しました。賃貸管理における月次賃料の支払いをユースケースに、決済の自動化・効率化を検証します。

トークン化預金の不動産決済活用の意義は以下の通りです。第一に、決済の自動化です。スマートコントラクトにより、賃料支払いが自動実行されます。振込手数料の削減、人的ミスの防止、業務効率化が実現します。賃貸管理会社は毎月の入金確認や督促業務から解放され、コスト削減につながります。

第二に、24時間365日決済です。従来の銀行振込は営業時間に制約がありましたが、トークン化預金は常時決済可能です。休日や深夜でも即座に送金でき、キャッシュフローが改善します。

第三に、透明性の向上です。ブロックチェーン上で全取引が記録され、改ざん不可能です。監査証跡が明確になり、不正防止にもつながります。

第四に、実用化への道筋です。2025年12月末に実証実験を完了し、2026年以降の本格導入を目指します。ゆうちょ銀行の参画により、トークン化預金の社会実装が大きく前進します。不動産業界での成功事例ができれば、他業界への展開も加速するでしょう。

一方、bitFlyerが法人向け「アセットロックサービス」を開始しました。暗号資産を1年以上ロックすることで期末時価評価課税の適用除外要件を満たし、含み益への課税を回避できます。対象はBTC・ETH・XRPの3銘柄です。

このサービスの意義は以下の通りです。第一に、税負担の軽減です。日本の法人税法では、暗号資産の含み益に対して期末時価評価課税が適用されます。ビットコイン価格が上昇すると、実現していない含み益にも課税され、キャッシュフローを圧迫します。1年以上ロックすることで適用除外となり、売却時まで課税を繰り延べられます。

第二に、長期保有の促進です。短期売買ではなく、長期保有戦略を支援します。ビットコインを長期的な資産として保有する企業にとって、大きなメリットです。

第三に、制度対応の迅速化です。金融庁の規制改革に対応し、業界が自主的にサービスを開発しています。規制と市場のニーズをバランスよく満たす好例です。

さらに、英国歳入関税庁が11月27日、DeFi(分散型金融)預け入れ時の課税を実質売却時まで繰り延べる税制改革案を発表しました。アーベ(Aave)やバイナンス(Binance)など業界大手32団体が支持しています。

英国のDeFi税制改革の意義は以下の通りです。第一に、利用者の税務負担軽減です。従来は預け入れ時に課税が発生し、実際には利益を得ていない段階で納税義務が生じていました。売却時まで繰り延べることで、キャッシュフローの問題が解消されます。

第二に、DeFi普及の促進です。税務負担の軽減により、DeFiサービスの利用が増加します。英国を金融イノベーションのハブとして確立する狙いがあります。

第三に、国際競争力の向上です。他国に先駆けた税制改革により、暗号資産企業や投資家を英国に誘致できます。ブレグジット後の金融立国戦略の一環です。

ビットコイン9万ドル台維持も2019年以来最悪の11月、ARK150万ドル予想維持 ── トム・リー軟化、市場心理は改善

ビットコインは9万ドル台を維持し、市場心理が改善しています。一方、2019年以来最悪の11月となる見通しで、ARKインベストは150万ドル予想を維持していますが、トム・リー氏は年末25万ドル予想を軟化させました。

ビットコイン市場の現状は以下の通りです。第一に、9万ドル台維持です。ビットコインは9万1,000ドル(約1,405万円)台を維持し、過去24時間で横ばい推移となっています。米国の感謝祭休暇で取引量が減少していますが、9万ドルを下回らない底堅さを見せています。

第二に、市場心理の改善です。ビットコインが9万ドル台を維持する中、市場に対する態度は、ビットコインが10万ドル超で取引されていた今月初旬よりも強まっています。売られ過ぎからの反発期待が高まっており、強気派は10万ドル回復に期待しています。

第三に、フィボナッチ水準到達です。トレーダーはビットコインが重要なフィボナッチ水準に到達したと見ており、10万ドル(約1,545万円)までは上昇する余地があると見ています。9万7,000ドル(約1,498万円)到達観測が再浮上し、価格回復で「前進」の兆しが見えています。

第四に、ブラックロックETF保有者の含み益回復です。2025年のビットコイン史上最高値の原動力となった投資家層が、12月の市場回復を示す好材料として、ブラックロック(BlackRock)のビットコインETF保有者が再び含み益に戻りました。

一方、懸念材料もあります。第一に、2019年以来最悪の11月です。ビットコインは少なくとも2019年以来で最悪の11月を迎える見通しです。月初の10万ドル超から8万ドル割れまで下落し、約20%の下落となりました。

第二に、年末までの限られた時間です。一部アナリストは、投資家の一部が買い戻しに動く可能性があるため、これが2026年の好スタートにつながると指摘しています。年末までの短期反発は期待できるものの、本格回復は来年以降との見方です。

ARKインベストのキャシー・ウッド氏は、150万ドル(約2億3,175万円)予想を維持しています。過去最長となった米政府閉鎖が終わり、流動性が戻り始めたことを受け、株式市場と暗号資産市場は、流動性の改善と米国の金融政策の転換を背景に、年末に向けて反転局面を迎える可能性があるとしています。

一方、ビットマイン(BitMine)のトム・リー会長は、年末25万ドル(約3,862万円)という強気予想を初めて軟化させました。10月に200万口座が消滅した史上最大の清算イベント後、年末10万ドル突破は「非常に可能性が高い」と予想を下方修正しましたが、楽観的な見方は維持しています。

ビットコインとS&P500に連動するボラティリティ指標は好転し始めており、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ確率が急上昇する中、年末に強気相場が到来する可能性があるとの見方も出ています。

JPYC保有者6万人突破、Morpho採用で日本円利回り獲得可能に ── Secured Finance運用方法も解説

日本円連動型ステーブルコインJPYCの利用者が急激に増加しています。11月27日時点でJPYC保有者アドレス数は6万4,089に達し、1週間前と比較して2倍以上の規模となりました。さらに、JPYCが暗号資産レンディングプロトコルMorphoにおいて採用され、日本円で利回り獲得が可能になります。

JPYCの急成長の背景は以下の通りです。第一に、ユーザー基盤の急拡大です。1週間で保有者が2倍になるという驚異的な成長率を記録しています。キャンペーンやエアドロップなどのインセンティブが功を奏し、新規ユーザーが大量に流入しています。

第二に、Morpho採用による利便性向上です。Morphoは分散型レンディングプロトコルで、ユーザーは暗号資産を貸し出して利回りを獲得できます。JPYCがMorphoに採用されたことで、日本円建てで安定的に利回りを得られるようになりました。円建て資産で運用したい日本人投資家にとって、大きな魅力です。

第三に、Secured Finance(セキュアード・ファイナンス)での運用です。Secured FinanceでJPYCを使った固定金利運用が可能になりました。満期と金利が事前確定する仕組みで、メタマスクの準備から貸し出し・借り入れの手順まで、初心者でも利用できます。

JPYCの利用拡大により、日本円ステーブルコインのエコシステムが急速に成長しています。DeFiプロトコルでの採用が進めば、日本円建ての金融サービスがグローバルに展開される可能性があります。

ブータン政府320ETHステーキング、ネイバー・ドゥナム1兆円AI・ブロックチェーン投資 ── 小国と大企業の先進戦略

ブータン政府がFigment(フィグメント)を通じて320ETH(約1.5億円)をステーキングしました。世界初となる国民デジタルIDのイーサリアム統合、6,154BTC(876億円相当)の保有、観光業へのバイナンスペイ導入など、小国ながら先進的なブロックチェーン戦略を展開しています。

ブータン政府の暗号資産戦略の意義は以下の通りです。第一に、ETHステーキングによる収益化です。320ETHをステーキングすることで、年間約3-5%の利回りを獲得できます。小国にとって、暗号資産は重要な外貨獲得手段です。

第二に、BTC大量保有です。6,154BTC(876億円相当)を保有しており、国家財政に占める割合が高くなっています。水力発電の余剰電力を活用したマイニングで蓄積しており、エネルギー資源の有効活用です。

第三に、国民デジタルIDのイーサリアム統合です。世界初の試みとして、国民のデジタルIDをイーサリアムブロックチェーン上で管理しています。透明性、改ざん防止、プライバシー保護を両立した先進的なシステムです。

第四に、観光業へのバイナンスペイ導入です。観光客が暗号資産で支払えるようにし、外貨獲得を促進しています。ブータンは幸福度を重視する「国民総幸福量(GNH)」の国として知られており、デジタル化と伝統のバランスを取った戦略です。

一方、韓国では、ネイバー(Naver)とアップビット(Upbit)運営のドゥナム(Dunamu)が、AIとブロックチェーンを組み合わせた次世代金融インフラ構築に向け、今後5年間で1兆円超を投資する計画を発表しました。韓国ウォン連動型ステーブルコイン発行も視野に入れています。

ネイバー・ドゥナムの戦略の意義は以下の通りです。第一に、AI・ブロックチェーン融合です。AIによる不正検知、リスク管理、顧客サービス向上とブロックチェーンによる透明性、効率性を組み合わせた次世代金融インフラを構築します。

第二に、1兆円投資です。今後5年間で1兆円超を投資し、研究開発、人材育成、インフラ整備を進めます。韓国を暗号資産とAIの融合領域でグローバルリーダーにする狙いがあります。

第三に、韓国ウォンステーブルコイン発行です。自国通貨建てのステーブルコインを発行し、国内決済や国際送金に活用します。日本のJPYCと同様、自国通貨のデジタル化を推進します。

メタプラネット2カ月間BTC購入なし、沈黙の理由は ── 203億円借入後も動きなし

メタプラネットによるビットコインの追加購入が2カ月間にわたり行われていません。同社が公表している購入履歴によると、最後に購入が実施されたのは2025年9月末で、その後は一切の追加購入が確認されていません。

メタプラネットの沈黙の背景は以下の通りです。第一に、ビットコイン価格の高値警戒です。10月にビットコイン価格が史上最高値12万5,100ドル(約1,932万円)を記録した後、高値での買い増しを避けている可能性があります。8万ドル割れまで下落した現在、買い場を探っているとも考えられます。

第二に、資金調達の遅延です。11月26日に約203億円(1億3,000万ドル)の借入れを実施したものの、実際の購入には至っていません。資金調達から購入実行までのタイムラグがある可能性があります。

第三に、MSCI指数除外リスクへの対応です。MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が暗号資産保有企業の指数除外を検討しており、メタプラネットも対象リストに含まれる可能性があります。指数除外が決定すれば株価への悪影響が懸念され、慎重な姿勢を取っている可能性があります。

第四に、戦略の見直しです。ビットコインETF普及により、DAT企業のプレミアムが崩壊しています。ビットコインを買い増すだけでは株価を支えられなくなっており、新たな戦略を模索している可能性があります。

メタプラネット株価は11月27日に一時400円へ急騰し、前日比6.5%高を記録しましたが、ビットコイン価格反発に連動した短期的な動きに留まっています。2カ月間の購入停止が長期化すれば、投資家の信頼低下につながる懸念があります。

その他の重要動向 ── ビットマインETH追加購入、Visa中東・アフリカ決済拡大、Upbit北朝鮮関与か、アニモカ拡大

ビットマイン・イマージョン(BitMine Immersion)が27日、70億円相当のイーサリアムを追加購入しました。これは同社の毎週の購入パターンと一致しており、先週まで保有するETHは363万枚を超え供給量の3%に到達しています。押し目買いで着実に積み増しています。

決済大手Visa(ビザ)が27日、Aquanow(アクアナウ)と提携し、中東欧・中東・アフリカ地域でステーブルコイン決済を拡大すると発表しました。USDC(USDコイン)を活用し、コスト削減と決済時間短縮を実現します。世界のステーブルコイン市場は5年で10倍に成長しており、Visaはこの成長を取り込みます。

韓国Upbitハッキング続報として、聯合ニュース(Yonhap News)によると、国内の暗号資産取引所Upbitで発生した数百万ドル規模のハッキング事件を捜査している韓国当局が、北朝鮮のハッカー集団ラザルスグループ(Lazarus Group)の関与を指摘しています。また、ハッキングによる入出金停止でボットが機能せず、Upbitで特定銘柄が異常な高騰を見せています。海外市場との価格乖離が拡大しています。

Web3ゲーム大手アニモカ・ブランズ(Animoca Brands)は、現在約600社に及ぶ投資先ポートフォリオをゲーム領域以外にも広げる方針です。ステーブルコイン、AI、DePINへの投資を強化し、「アルトコイン全体はビットコインを上回る」との見方を示しています。

欧州最大級の資産運用会社アムンディ(Amundi)が、マネーマーケットファンドの初のトークン化シェアをイーサリアムブロックチェーン上で開始しました。24時間365日の運用が可能になり、投資家は従来型とトークン化の両方でファンドにアクセスできます。

ソラナETFは、21シェアーズ(21Shares)のTSOLが3,400万ドル(約52億5,200万円)流出で連勝が終了しました。一方、ミームコインのボンク(BONK)がスイスSIX取引所でETP(上場投資商品)デビューを果たしました。


おわりに

2025年11月28日は、日本の規制・制度革新が大きく前進した一日でした。ゆうちょ銀行のトークン化預金が不動産決済に進出し、2026年以降の本格導入を目指します。スマートコントラクトによる自動決済、24時間365日稼働、透明性向上という三つのメリットにより、不動産業界の効率化が実現します。賃貸管理における成功事例ができれば、他業界への展開も加速するでしょう。日本が世界に先駆けてトークン化預金の実用化を進めることは、金融イノベーションのリーダーとしての地位を確立する重要な一歩です。

bitFlyerの法人向けアセットロックサービスは、期末時価評価課税という日本独自の税制問題に対する実務的な解決策です。1年以上ロックすることで含み益への課税を回避でき、法人のビットコイン長期保有を支援します。英国のDeFi課税繰り延べと合わせて、各国が暗号資産税制の最適化を模索しています。利用者の税務負担を軽減し、イノベーションを促進する税制改革が世界的に進んでいます。

JPYCの保有者6万人突破と、Morpho採用による日本円利回り獲得は、日本円ステーブルコインのエコシステム急成長を象徴しています。1週間で保有者が2倍になる成長率は驚異的で、DeFiプロトコルでの採用が進めば、日本円建て金融サービスのグローバル展開が現実になります。Secured Financeでの固定金利運用も可能になり、円建て資産で安定的に利回りを得られる環境が整いつつあります。

ビットコインは9万ドル台を維持し、市場心理が改善していますが、2019年以来最悪の11月となる見通しです。ARKインベストの150万ドル予想維持と、トム・リーの25万ドル予想軟化は、強気派内部でも見解が分かれていることを示しています。年末10万ドル突破は「非常に可能性が高い」ものの、本格回復は2026年以降との見方が優勢です。ブラックロックETF保有者の含み益回復、フィボナッチ水準到達、ボラティリティ指標好転など、底打ちシグナルは出ていますが、慎重な姿勢が必要です。

ブータン政府の320ETHステーキングとネイバー・ドゥナムの1兆円AI・ブロックチェーン投資は、小国と大企業が異なるアプローチで先進戦略を展開していることを示しています。ブータンは水力発電の余剰電力を活用したマイニング、国民デジタルIDのイーサリアム統合、観光業へのバイナンスペイ導入など、国家レベルでブロックチェーンを活用しています。一方、ネイバーとドゥナムはAIとブロックチェーンを融合させた次世代金融インフラ構築に5年で1兆円投資し、韓国ウォンステーブルコイン発行も視野に入れています。

メタプラネットの2カ月間購入停止は、DAT企業が直面する構造問題を浮き彫りにしています。ビットコインETF普及によるプレミアム崩壊、MSCI指数除外リスク、高値警戒など、複合的な要因が購入停止の背景にあると考えられます。203億円借入後も動きがなく、新たな戦略を模索している可能性があります。投資家の信頼維持には、明確な方針表明が求められます。

トークン化、DeFi税制改革、ステーブルコイン決済拡大、機関投資家の参入加速など、暗号資産市場の成熟が多方面で進んでいます。短期的な価格変動に一喜一憂せず、規制整備、制度革新、実用化という本質的な進展を冷静に見極め、長期的な視点で市場と向き合ってください。リスク管理を徹底し、余裕資金の範囲内で投資を行いましょう。

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