2025年11月24日、世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のデジタル資産部門責任者ロビー・ミッチニック氏が、機関投資家がビットコインに投資する理由を解説しました。「デジタルゴールド」としての価値保存機能が重視される一方、決済手段としての利用は依然投機的との見方を示しています。
ビットマイン(BitMine)会長のトム・リー氏は、暗号資産市場の弱体化について「10月10日の清算イベントがマーケットメーカーを機能不全にしている」と指摘。NYDIG(ニューヨーク・デジタル・インベストメント・グループ)は、ETF・ステーブルコイン流出とトレジャリー企業反転が資本逃避を示唆すると分析しました。
本稿では、ブラックロックのデジタルゴールド論、マーケットメーカー機能不全、資本逃避の実態、その他の重要動向について解説します。
ブラックロック「ビットコインはデジタルゴールド」── 決済手段採用は投機的、機関投資家が重視する真の価値
ブラックロックのデジタル資産部門責任者ロビー・ミッチニック氏が、機関投資家がビットコインに投資する理由について「デジタルゴールド」としての価値保存機能を重視していると説明しました。一方、決済手段としての広範な採用については「あくまでアウト・オブ・ザ・マネーのオプション価値による上振れに過ぎない」と述べています。
機関投資家のビットコイン投資動機は以下の通りです。第一に、価値保存手段としての機能です。金と同様に、インフレヘッジや分散投資の手段として位置づけられています。供給上限が2,100万枚と固定されており、希少性が担保されています。
第二に、ポートフォリオの多様化です。株式や債券との相関が低く、リスク分散効果が期待されます。地政学リスクや金融システム不安へのヘッジとしても機能します。
第三に、デジタル時代の金としての位置づけです。物理的な金と異なり、デジタルで保管・移転が容易です。グローバルに24時間365日取引可能です。
一方、決済手段としての採用については慎重な見方です。ミッチニック氏は「ビットコインが将来、日常決済で広く使われる可能性は投機的」と指摘。現時点では価格変動が大きく、決済手段として不安定です。ライトニングネットワークなどの技術開発が進んでいますが、普及には時間がかかる見通しです。
この見解は、機関投資家の現実的な投資姿勢を示しています。短期的な価格上昇を狙うのではなく、長期的な価値保存手段として保有する戦略です。
マーケットメーカー機能不全が市場弱体化の背景 ── トム・リー「10月10日清算イベントが原因」
ビットマイン会長のトム・リー氏が、暗号資産市場の下落が続いている要因を分析しました。10月10日の清算イベントがマーケットメーカーを機能不全にしていると見解を示しています。
マーケットメーカーは市場に流動性を供給し、売買をスムーズにする役割を担います。しかし、大規模清算により多額の損失を被り、リスク許容度が低下。新規ポジションの構築を控え、市場への流動性供給が減少しています。
この機能不全により、市場のボラティリティが上昇。小口の売買でも価格が大きく変動しやすくなっています。ビットコインのボラティリティ急騰は、オプション主導の相場復帰を示唆しており、ETF登場で抑制される前の水準へ戻る可能性を示しています。
NYDIG「資本逃避が進行中」── ETF・ステーブルコイン流出、トレジャリー企業反転を分析
NYDIGのグローバルリサーチ責任者グレッグ・シポラロ氏は、ビットコインが8万4,000ドル(約1,302万円)前後で推移する中、ETF資金流出、ステーブルコイン資金流出、トレジャリー企業の株価反転という3つの現象が暗号資産からの資本逃避を示唆していると分析しました。
ETFからは11月に過去最大規模の資金流出が発生。ステーブルコインの時価総額も減少傾向にあり、暗号資産市場からの資金流出が顕著です。ストラテジーなどトレジャリー企業の株価も急落しており、投資家心理の悪化が鮮明です。
その他の重要動向 ── ストラテジーとJPモルガン対立、ソラナ改善提案、グレースケール分析、BITCOIN JAPAN
ストラテジーとビットコイン支持者がJPモルガン(JPMorgan)への「ボイコット」を呼びかけています。複数の暗号資産トレジャリー企業が主要株価指数から排除される可能性が報じられた直後で、緊張が高まっています。
ソラナのコミュニティがインフレ減少率を引き上げる改善提案を公開。目標インフレ率への到達が6年から3年に短縮する見込みで、今後6年で2,230万SOLの発行量削減が期待されます。
グレースケールは、チェーンリンク(Chainlink)を「トークン化金融をつなぐ重要な結節点」と位置づけました。次のブロックチェーン普及段階を支え、トークン化を動かす中核インフラになると指摘しています。
ビットコインの国際カンファレンス「BITCOIN JAPAN 2025」2日目が開催され、アパレル企業ANAPが「ビットコインの社会実装」を描く新ブランドを初披露しました。
おわりに
ブラックロックの「デジタルゴールド」論は、機関投資家のビットコイン投資動機を明確にしました。決済手段採用は投機的で、価値保存機能こそが真の価値です。マーケットメーカー機能不全とNYDIGの資本逃避分析は、市場の構造的問題を浮き彫りにしています。
暗号資産投資には価格変動リスクなど様々なリスクが伴います。投資判断は自己責任で行い、余裕資金の範囲内で慎重に検討してください。市場の変化を冷静に見守りましょう。
※暗号資産投資には価格変動リスク、流動性リスク、規制リスクなど様々なリスクが伴います。マーケットメーカー機能不全や資本逃避など、市場環境は不安定です。投資判断は必ずご自身の責任で行い、余裕資金の範囲内で慎重に検討してください。
