2026年2月22日の暗号資産市場は、既存の金融規制に対する業界からの再考を求める動きと、次世代の成長エンジンとなる技術分野への期待が交錯する一日となりました。国際的な銀行規制の枠組みであるバーゼルIIIの見直し要求や、ステーブルコインを用いた不正取引の拡大といった制度面での課題が浮き彫りになる一方で、現実資産のトークン化といった新たな活用策に注目が集まっています。業界のリーダーたちの動向も含め、本日の重要なニュースを整理してお届けします。
金融規制の再構築と制度的課題:バーゼル規制と不正取引の実態
暗号資産の普及に伴い、伝統的な金融機関が市場に参入するための障壁や、決済インフラとしての安全性が改めて問われています。
バーゼル規制のリスクウェイト見直し要求
暗号資産トレジャリー(財務)企業の幹部らは、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)に対し、バーゼルIII枠組みにおける暗号資産へのリスクウェイト設定の見直しを求めています。現在、ビットコイン(BTC)などの暗号資産には1,250パーセントという極めて高いリスクウェイトが適用されており、これが銀行の市場参入を阻害しているとの指摘です。米国が暗号資産の世界的中心地を目指すのであれば、こうした国際的な銀行規制の実装方法を見直す必要があるとの声が強まっています。
違法なステーブルコイン取引の急増
ブロックチェーン分析企業であるTRM Labs(ティーアールエム・ラボ)の報告によれば、2025年における違法組織によるステーブルコインの受取額は、過去5年間で最高水準となる約1,410億ドル(約21.1兆円)に達しました。これは暗号資産が決済インフラとして定着する一方で、犯罪利用への対策が依然として大きな課題であることを示しています。
株式会社メタプラネットの急成長
日本国内では、ビットコイン(BTC)を財務資産として保有する株式会社メタプラネット(Metaplanet Inc.)が注目を集めました。同社が発表した2025年12月期決算では、売上高および営業利益が爆発的な成長を遂げており、同社のビットコイン戦略が単なる投資を超えた強力な財務基盤の構築に寄与していることが示されました。SNS上での批判に対しても社長が全面的に反論し、戦略の正当性を強調しています。
エコシステムの進化:リーダーのビジョンと技術的転換点
暗号資産の次なるフェーズとして、現実社会との接点を強化する技術や、主要な開発者の資産管理の動きが活発化しています。
CZ(チャンポン・ジャオ)氏が注目するRWAと予測市場
Binance(バイナンス)の創設者であるCZ(チャンポン・ジャオ)氏は、今後の業界の大きなテーマとして「RWA(現実資産)のトークン化」と「予測市場」を挙げました。特にRWAについては、例えば「水を暗号資産に変えて国家の財源にする」といった具体的な構想に触れ、実際の資本や開発者の関心がこれらの分野に集中し始めていることを示唆しています。
ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏の資産整理
Ethereum(イーサリアム)の共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、大規模な資産整理を継続しています。直近で428ETH(約1.3百万ドル/約1.9億円相当)を売却しており、2月以降の累計売却額は約24億円に達したことがオンチェーン分析によって明らかになりました。
ロビンフッド(Robinhood)の独自レイヤー2と開発思想の対立
Robinhood(ロビンフッド)が展開する独自のイーサリアムレイヤー2「Robinhood Chain(ロビンフッド・チェーン)」は、テストネット稼働直後から高い処理能力を記録し、注目を集めています。しかし、こうした企業による独自のレイヤー2構築については、ネットワークの断片化を懸念するヴィタリック氏の思想との対立も浮き彫りになっており、業界内で「独自レイヤー2は時代遅れか」という議論を呼んでいます。
市場のセンチメントと週間トピックスの総括
今週の市場全体を振り返ると、著名人による強気な予測と、マクロ経済的な視点からの警鐘が共存する状況が続いています。
エリック・トランプ(Eric Trump)氏の強気予想
ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の次男であるエリック・トランプ(Eric Trump)氏は、ビットコイン(BTC)が100万ドル(約1.5億円)に達するという予測を改めて堅持しました。トランプ一族が関与する暗号資産プロジェクトへの期待感もあり、こうした強気な姿勢が市場のセンチメントを一部で支えています。
著名投資家による相次ぐ警告
一方で、著名投資家からは慎重な意見も相次いでいます。Ray Dalio(レイ・ダリオ)氏は現在の経済情勢に対する警鐘を鳴らし、ロバート・キヨサキ(Robert Kiyosaki)氏も独自の視点から市場の混乱に対する警告を発しています。また、X(エックス)が計画している暗号資産および株取引機能の実装についても、多くの投資家が高い関心を寄せています。
おわりに
本日は、銀行規制という大きな壁への挑戦や、RWA(現実資産)といった新しい活路、そして主要な開発者による資産整理など、多岐にわたる重要なニュースが重なりました。特にバーゼル規制の見直し議論は、今後銀行がどれほど自由に暗号資産を扱えるかを決定づける極めて重要な分岐点となるでしょう。
また、ヴィタリック氏の動きや独自レイヤー2を巡る議論は、技術的な進化の方向性が必ずしも一つではないことを物語っています。短期的な価格の変動だけでなく、こうした制度や思想のぶつかり合いを注視することが、長期的な視点での市場理解に繋がります。
次世代の金融インフラがどのように形作られていくのか、明日も最新の情報をお届けします。
