日本の「暗号資産元年」宣言と税制抜本改革の兆し|メタプラネットの過去最高益と市場の底打ちシグナル

2026年2月17日の暗号資産(仮想通貨)市場は、日本国内における歴史的な政策転換の表明と、企業の強固な財務戦略、そして市場センチメントの極端な冷え込みという、多層的な動きが見られた一日となりました。虎ノ門で開催されたカンファレンス「DSC2026」において、片山財務相が2026年を「日本のデジタル元年」と宣言し、暗号資産税制を申告分離課税20パーセントへ移行する方針を明示したことは、国内市場にとって最大の関心事となりました。一方で、ビットコイン(BTC)価格は7万ドル(約1,050万円)を前に一進一退を続けていますが、市場心理の「極度の恐怖」がむしろ持続的な底打ちを示唆しているとの分析も浮上しています。本日は、日本の規制改革からグローバルな市場構造の変化まで、多角的な視点で最新ニュースを整理し、お届けします。

目次

日本のデジタル元年|片山財務相による税制抜本改革と新局局の新設

日本政府は、暗号資産を国家成長戦略の柱として明確に位置づける姿勢を鮮明にしました。

20%申告分離課税への移行と金商法移管

片山財務相は「DSC2026」の基調講演において、暗号資産の抜本改革を表明しました。

  • 現在の「資金決済法」から「金融商品取引法(金商法)」へ枠組みを移管し、売却益の課税を現在の総合課税から「20パーセントの申告分離課税」へ移行することを令和8年度の税制改正大綱に明示したことを確認しました。
  • これにより、暗号資産が伝統的な金融商品と同等の地位を得ることになり、個人投資家の参入障壁が劇的に下がることが期待されます。

金融庁に「暗号資産課」を今夏新設

政府は実効性を高めるため、金融庁内に「暗号資産課」を今夏にも新設する予定です。これは、Web3(ウェブスリー)関連の国際潮流に先陣を切るための体制強化であり、日本がデジタル金融のグローバルな架け橋となる決意を示したものです。

閣僚級によるAI・半導体への巨額支援

赤澤経産相は、2030年度までにAI・半導体分野へ10兆円超の公的支援を行う方針を表明しました。また、松本デジタル相はアジア・中東向けの「AI第三極」戦略を提示するなど、デジタルインフラ全体を底上げする国家戦略が示されました。

企業の財務戦略と決算|メタプラネットの躍進とSBIのリップル株式保有

上場企業による暗号資産保有戦略(トレジャリー戦略)の実態が、詳細なデータとともに明らかになっています。

メタプラネット(Metaplanet)の過去最高益と評価損の二面性

日本国内でビットコイン蓄積戦略を推進するメタプラネット(Metaplanet / メタプラネット)は、2025年12月期決算を発表しました。

  • 売上高は前年同期比738パーセント増の89.1億円、営業利益は62億円を達成し、過去最高水準を記録しました。
  • 一方で、期末の価格下落によりビットコイン(BTC)の評価損は約2,000億円規模まで拡大していますが、同社は一貫して「長期保有」の姿勢を堅持しています。
  • また、メタプラネットは円安環境や国内の低い資本コストという利点を背景に、米国のストラテジー(Strategy)社などの競合他社に対して優位性を持っているとの試算も注目を集めています。

SBIホールディングスによるリップル(Ripple)社株式の明言

SBIホールディングス(SBI Holdings / エスビーアイ・ホールディングス)の北尾吉孝会長は、同社がリップル(Ripple / リップル)社の株式約9パーセントを保有していることを改めて明言しました。一部で報じられていた「100億ドル規模の評価額」については否定したものの、リップル社にとって最大の外部株主としての地位を再確認し、今後の連携強化に期待を寄せています。

ストラテジー(Strategy)社の債務耐性とTORICOの運用支援

世界最大のビットコイン保有企業である米国のストラテジー(Strategy / ストラテジー)は、ビットコイン価格が8,000ドル(約120万円)まで下落したとしても、現在の財務構造で債務を全額返済可能であると公表し、市場の不安を払拭しました。国内では、コインチェック(Coincheck)が「Coincheck Prime」を通じて東証上場企業のTORICO(トリコ)のイーサリアム(ETH)運用支援を開始するなど、法人の資産運用サービスが本格化しています。

市場分析と投資家動向|極度の恐怖が招く「底打ち」の可能性

価格の停滞が続く一方で、オンチェーンデータや専門家の分析からは反転のシグナルが読み取れます。

2022年以来の極度の恐怖とセンチメント

マトリックスポート(Matrixport / マトリックスポート)の分析によれば、現在の市場心理は極端な低水準まで落ち込んでおり、これが売り圧力の出尽くしを示す「持続的な底打ち」の転機になる可能性があると指摘されています。投資家が総降伏の状態にある時こそ、相場の反転が近づいているという歴史的な経験則が意識されています。

ビットコインの相関変化とナスダック(NASDAQ)との連動

ビットコイン(BTC)の市場特性に異変が生じています。かつての「デジタルゴールド」としての金(ゴールド)や米ドルとの相関が後退し、足元ではハイテク株指標であるナスダック(NASDAQ)との連動性が一段と強まっています。これはビットコインがマクロ経済における「流動性のスポンジ」としての役割を強めていることを示唆しています。

投資商品の純流出と米個人の押し目買い

コインシェアーズ(CoinShares / コインシェアーズ)の報告によれば、暗号資産投資商品からは4週連続で計1億7,300万ドル(約260億円)の資金が流出しました。しかし、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)からは流出が目立つ一方で、リップル(XRP)やソラナ(SOL)の商品には資金が純流入しており、銘柄による選別が鮮明になっています。また、米国市場の個人投資家は下落局面においても「押し目買い」を継続しており、リテール層の底堅さが確認されています。

普及とインフラの進展|ステーブルコインの日常化と予測市場の課題

技術の社会実装と、それに伴う新たな課題が浮き彫りになっています。

ステーブルコインの日常決済への浸透

BVNK(ビーブイエヌケー / ビーブイエヌケー)が実施した世界調査によると、暗号資産ユーザーの39パーセントがステーブルコインで収入を受け取っており、27パーセントが日常的な支払いに利用していることが判明しました。ステーブルコインはもはや投機手段ではなく、「日常のお金」へと移行しつつあります。

ポリゴン(Polygon)の手数料逆転とヴィタリック氏の提言

イーサリアムのレイヤー2であるポリゴン(Polygon / ポリゴン)が、日次取引手数料で3日連続でイーサリアムを上回る歴史的な事象が発生しました。これは予測市場のポリマーケット(Polymarket / ポリマーケット)の活況が牽引したものです。一方で、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin / ヴィタリック・ブテリン)氏は、予測市場が単なるギャンブル(投機)の場となっている現状を批判し、価格変動のリスクを管理する「ヘッジ手段」としての活用を強化すべきだと提言しました。

エコシステムの拡大とリスク管理

  • Espresso(エスプレッソ)のトークンローンチ:相互運用性を提供する基盤レイヤー「Espresso Network」がESPトークンのローンチとエアドロップを発表しました。
  • 物理的なフィッシング詐欺:レジャー(Ledger)やトレザー(Trezor)の利用者を狙い、物理的な手紙を郵送してシードフレーズを盗み出す巧妙な詐欺が発生しており、注意が呼びかけられています。
  • マイニングの電力論争:AIデータセンターの拡張に伴い、ビットコインマイニングのエネルギー消費を巡る議論が再燃しています。

その他の注目トピック

  • 著名投資家レイ・ダリオ(Ray Dalio)氏の警告:戦後秩序が崩壊し、ルールではなく力が支配する時代に突入したとして、資産防衛手段としてのビットコインや金の重要性を説いています。
  • 香港の規制進展:香港規制当局が新たにビクトリー・フィンテック(Victory Fintech / ビクトリー・フィンテック)を認可取引所として追加しました。
  • ハーバード大学基金の動向:ビットコインETFの保有を縮小する一方で、イーサリアムETFへの投資を新規に追加したことが判明しました。
  • ローガン・ポール氏のポケモンカード:希少なカードが約25億円で落札されましたが、過去のNFTトラブルを巡る批判が再燃しています。

おわりに

本日の市場は、まさに「日本の暗号資産の夜明け」を感じさせる記念すべき一日となりました。財務大臣が公の場で20パーセント分離課税への意欲を語り、今夏には専用の部署が設立されるというニュースは、日本が暗号資産先進国として再び返り咲く強力な布石となるでしょう。価格面では耐え忍ぶ時期が続いていますが、メタプラネットのような企業の力強い成長や、ステーブルコインの実需拡大といった事実は、市場のファンダメンタルズがかつてないほど強固であることを示しています。

著名投資家レイ・ダリオ氏が語るように、世界秩序が不透明さを増す中で、個人の資産を守る手段としての暗号資産の価値は今後ますます高まっていくはずです。目先の価格変動という「ノイズ」に惑わされず、制度の変革や技術の進展という「シグナル」を捉え続けることが、長期的な成功への道となります。

明けない夜はありません。共にこの歴史的な転換点を見守っていきましょう。明日もまた、最新の事実を丁寧にお届けします。

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