2026年2月5日、ビットコイン(BTC)は遂に7万ドルの大台を割り込み、2024年11月以来13カ月ぶりの価格水準まで下落しました。オンチェーンデータ分析企業CryptoQuant(クリプトクアント)は「強気相場が終了した」との見解を示し、市場は本格的な弱気相場に突入した可能性が高まっています。この下落は単独の現象ではなく、銀が2時間で22%暴落するなど貴金属市場の混乱が波及した形です。イーサリアム(ETH)も2100ドルを割り込み、リップル(XRP)は1.50ドル割れと、主要暗号資産が軒並み重要なサポートラインを下回りました。メタプラネット株は31%急落し、含み損1690億円という深刻な状況に陥っています。一方で米国ではステーブルコインの利回り問題を巡り銀行業界と暗号資産業界の対立が激化し、ホワイトハウスが2月末までの解決期限を設定する事態となっています。国内では、SBI(エスビーアイ)とStartale(スターテイル)が金融資産トークン化特化型ブロックチェーン「Strium(ストリウム)」を発表するなど、将来を見据えた動きも継続しています。本記事では、歴史的な転換点を迎えつつある暗号資産市場の最新状況を詳しく解説します。
BTC7万ドル割れ、強気相場終了の可能性
13カ月ぶりの安値更新、心理的節目を喪失
2026年2月5日、ビットコインは一時7万ドルを割り込み、正午時点で7万1544ドル、その後さらに下落して7万516ドル前後で推移しています。これは2024年11月以来、実に13カ月ぶりの価格水準です。
7万ドルという価格は、市場参加者にとって極めて重要な心理的節目であり、テクニカル分析上も重要なサポートラインとして機能してきました。この水準を明確に割り込んだことで、「ビットコインは底堅い」という市場の信頼が大きく揺らいでいます。
CryptoQuant(クリプトクアント)は最新の報告書で、「ビットコインが本格的な弱気相場に入った」との見解を示しました。同社の分析によると、複数のオンチェーン指標が弱気相場の特徴を示しており、短期的な反発はあっても、中長期的には下落トレンドが継続する可能性が高いとしています。
次のサポートゾーンは6万9000ドル、最悪5万6000ドルも
CryptoQuant(クリプトクアント)は、ビットコインの次のサポートゾーンを分析しています。ETF(上場投資信託)からの資金流出や需要減少のデータを参照すると、次の主要なサポートラインは6万9000ドル付近に位置しています。
さらに厳しいシナリオとして、一部のアナリストは「実現価格」である約5万6000ドルまで下落する可能性を指摘しています。実現価格とは、すべてのビットコインの平均取得価格を示す指標で、過去の弱気相場ではこの水準まで下落することが多くありました。
現在の価格から5万6000ドルまで下落すれば、約20%の追加下落となり、暗号資産市場全体に深刻な影響を及ぼすことになります。
過去30日で建玉550億ドル減少、取引所流入増加
ビットコインの先物市場では、過去30日間で建玉(オープンインタレスト)が約550億ドル(約8.5兆円)減少しました。建玉の急減は、投資家がポジションを手仕舞い、市場から撤退していることを示しています。
さらに、取引所へのビットコイン流入も増加しています。これは保有者が売却を検討してビットコインを取引所に移動させていることを意味し、追加の売り圧力となる可能性があります。
先物市場での清算も続いており、レバレッジをかけていた投資家が次々と強制決済されています。この清算の連鎖が、価格下落を加速させる要因となっています。
コインベース・プレミアムが年初来最低水準、機関投資家の売り示唆
ビットコインのコインベース・プレミアム・ギャップが、1年以上ぶりの低水準まで落ち込みました。コインベース・プレミアムとは、米国の大手取引所Coinbase(コインベース)におけるビットコイン価格と、他の取引所の価格差を示す指標です。
通常、Coinbase(コインベース)の価格が高い(プレミアムがプラス)場合、機関投資家や米国の投資家が積極的に買っていることを示します。逆にプレミアムがマイナスやゼロに近い場合、機関投資家の買い意欲が低下している、あるいは売却している可能性を示唆します。
現在のプレミアムの低下は、機関投資家が売り圧力をかけている可能性を示しており、市場の弱気ムードを象徴しています。
BTCETF保有者は「踏みとどまっている」が資金流出続く
一方で、ETFアナリストのジェームズ・セイファート氏は、米国拠点のビットコインETF保有者は4カ月続く下落局面にもかかわらず、比較的強い確信を示していると指摘しています。
BTCETF全体では資金流出が続いているものの、その流出ペースは過去の弱気相場に比べて緩やかです。これは、長期投資を目的とした機関投資家が、短期的な価格変動に動じず保有を継続していることを示唆しています。
ただし、資金流出が完全に止まったわけではなく、市場環境がさらに悪化すれば、大規模な資金流出が発生するリスクも残っています。
ベセント財務長官「ビットコイン救済には踏み込まず」
米国のスコット・ベセント財務長官は、2026年2月5日の議会証言で、ビットコイン価格の下落に対して政府が救済措置を講じることはないと明言しました。
カリフォルニア州選出のブラッド・シャーマン下院議員との緊張したやり取りの中で、ベセント長官は「政府は民間の投資資産を救済する立場にない」との見解を示しました。これは、2008年の金融危機時に銀行が救済されたのとは対照的です。
トランプ政権は暗号資産に友好的とされてきましたが、政府による市場介入は行わないという明確なスタンスが示されたことで、市場は自力で回復する必要があることが明確になりました。
銀の大暴落と貴金属市場の混乱
銀が2時間で22%暴落、清算主導の相場変動
2026年2月5日、銀(シルバー)価格が2時間でわずか22%も暴落するという異常事態が発生しました。一時7ドル以下まで下落し、貴金属市場に衝撃が走りました。
この暴落は、流動性が薄い環境と投機的ポジションの積み上がりを背景に、清算の連鎖が発生したことが原因とされています。ビットコインで見られた清算主導の相場変動が、銀市場でも再燃した形です。
銀は工業用途と投資用途の両方で需要がありますが、特に投機的な先物取引が活発な市場です。レバレッジをかけた投資家が一斉に強制決済されたことで、価格が急落しました。
金も5000ドル割れ、FRB人事でドル買い意識
金(ゴールド)価格も5000ドル台を割り込み、4800ドル台で推移しています。1月末には史上最高値の5595ドルを記録していましたが、わずか1週間で約15%下落しました。
金価格の下落には、米連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ次期議長指名が影響しています。ウォーシュ氏はタカ派(金融引き締め派)とされており、金利引き上げへの警戒感から、投資家がドルを買う動きが強まりました。
ドル高は金や暗号資産などのドル建て資産にとって逆風となります。米国の金融政策への警戒感が、リスク資産全般の売りにつながっています。
貴金属市場の混乱が暗号資産に波及
銀と金の暴落は、暗号資産市場にも波及しています。伝統的に「安全資産」とされてきた金・銀が急落する中、リスク資産である暗号資産も同時に売られる展開となりました。
MEXC(メックス)などの暗号資産取引所では、金連動トークン先物の取引が急増しており、1月25日時点で市場シェア47%に達したと発表しています。金価格の最高値更新を背景に、銀先物でも取引が増加していましたが、今回の暴落で多くの投資家が損失を被った可能性があります。
貴金属市場の混乱は、暗号資産市場の不安定性をさらに高める要因となっています。
主要アルトコインの下落、財務戦略企業に試練
イーサリアム2100ドル割れ、BitMine含み損1兆円
イーサリアム(ETH)は2026年2月5日に2100ドルを割り込み、2025年5月以来の安値を記録しました。正午時点で2109ドル、その後さらに下落して2120ドル前後で推移しています。
この急落を受けて、世界最大のイーサリアム財務保有企業BitMine(ビットマイン)の未実現損失が約70億ドル(約1兆円)規模に達したことが明らかになりました。同社は428万5125ETHを保有しており、平均取得価格を大きく下回る状況です。
BitMine(ビットマイン)のトム・リー会長は、従来の4年サイクル論を否定し、市場が実需ベースに移行していると指摘していますが、現在の含み損は同社の財務戦略に疑問を投げかけています。
イーサリアム財務企業の清算リスクも浮上しており、もし大量のETHが市場に放出されれば、さらなる価格下落の要因となる可能性があります。
国内企業では、クオンタムソリューションズが2026年2月4日に1億円相当のETHを買い増したと発表しました。BitMine(ビットマイン)が1兆円の含み損を抱える中での買い増しは、長期的な価値上昇への確信を示すものですが、短期的なリスクも大きいと言えます。
リップル(XRP)1.50ドル割れ、14カ月ぶり安値で弱気ペナント完成
リップル(XRP)は1.50ドルの重要な節目を割り込み、14カ月ぶりの安値を記録しました。正午時点で1.45ドル前後で推移しています。
チャート上では弱気のテクニカル構造である「弱気ペナント」が確認されており、下落トレンドが2月を通じて続く可能性を示唆しています。弱気ペナントとは、下落後の小幅な値動きの後に、さらに大きく下落するパターンです。
興味深いことに、市場分析企業Santiment(サンティメント)によると、ビットコインやイーサリアムに対する投資家心理が悪化する中でも、XRPに対するソーシャルメディア上の投資家心理は比較的堅調さを保っているとのことです。XRPトレーダーは他の暗号資産に比べて楽観的な姿勢を維持していますが、価格の実態はその楽観論を裏切る形となっています。
ビットコイン・イーサリアム下落でトレジャリー企業に約1兆円含み損
ビットコインとイーサリアムの価格下落により、暗号資産を財務戦略の中核に据える上場企業に深刻な影響が出ています。
Strategy(ストラテジー)社は71万3502BTCを保有しており、約5687億円(約37億ドル)の含み損を抱えています。BitMine(ビットマイン)社は428万5125ETHで約1兆円の含み損です。両社を合わせると約1兆5700億円規模の含み損となります。
これらの企業は長期保有を前提とした財務戦略を採用しており、短期的な価格変動に一喜一憂しない姿勢を示しています。しかし、下落が長期化すれば、資金調達や株主からの圧力など、経営上の問題に発展する可能性もあります。
メタプラネット株31%急落、含み損1690億円の衝撃
株価352円まで下落、2ヶ月ぶりの安値水準
日本のビットコイン財務戦略企業メタプラネットの株価は、1ヶ月で31%急落し、2026年2月5日には一時352円まで下落しました。これは約2ヶ月ぶりの安値水準です。
前日の2月4日には360円と8%近く下落し、2月5日も390円前後で推移するなど、下落基調が続いています。わずか1ヶ月前の1月初旬には500円台で推移していたことを考えると、株価の下落スピードは極めて速いと言えます。
BTC価格下落で含み損1690億円に拡大
メタプラネットの含み損は、ビットコイン価格の下落に伴い拡大を続けています。2月5日時点で、ビットコイン価格が1106万円(約7万ドル)まで下落したことで、BTC評価額は3882億円に縮小しました。
同社の平均取得価格は約1620万円とされており、現在の市場価格との差額から計算すると、含み損は約1690億円に達しています。これは同社の時価総額を大きく上回る規模です。
ゲロビッチ社長「忍耐を試される」とコメント
この厳しい状況の中、メタプラネットのサイモン・ゲロビッチ社長は「ビットコインは信念が報われる前に忍耐を試す」とSNSに投稿しました。
長期的な価値上昇への確信を示すとともに、短期的な価格変動に動揺しない姿勢を強調しています。同社は2月に210億円の資金調達を発表しており、この資金でビットコインを買い増す方針を維持しています。
しかし、株主や投資家の間では、この戦略の妥当性を疑問視する声も高まっています。ビットコイン価格がさらに下落すれば、含み損はさらに拡大し、財務状況が一層厳しくなる可能性があります。
米国の規制動向とステーブルコイン問題
ステーブルコイン利回り巡り譲歩案、クラリティ法案打開狙う
米国の暗号資産企業は、停滞しているクラリティ法案(CLARITY Act)を前進させるため、ステーブルコインの利回りに関する譲歩案を提示しています。
暗号資産企業側は、ステーブルコインの準備金保管や発行における地域銀行の役割拡大を提案しました。これは、銀行業界が懸念していた「暗号資産企業が銀行の預金を奪う」という問題に対処するものです。
民主党スタッフは協議を「前向き」と評価しており、法案成立への道筋が見え始めています。ただし、依然として銀行業界と暗号資産業界の間には大きな溝があり、完全な合意には至っていません。
銀行vs暗号資産、対立激化で政府が期限設定
ホワイトハウスは銀行業界と暗号資産業界に対し、ステーブルコインの利回り報酬をめぐる論争を2月末までに解決するよう期限を設定しました。
この問題は、ステーブルコイン発行企業が準備金の運用益を保有者に還元することで、実質的に預金金利のようなサービスを提供していることに対する銀行業界の反発です。銀行側は「これは実質的な銀行業務であり、銀行規制を受けるべき」と主張しています。
一方、暗号資産業界側は「ステーブルコインは預金ではなく、利回りの提供は正当なサービス」と反論しています。この対立は、デジタルドルが既存の銀行預金モデルを脅かす規模に成長したことで表面化したものです。
政府が期限を設定したことで、両業界は妥協点を見つける圧力にさらされています。解決に失敗すれば、法案の成立が大幅に遅れ、暗号資産市場の不確実性がさらに高まる恐れがあります。
CMEが自社トークン発行を検討
世界最大のデリバティブ取引所であるCME Group(シカゴ・マーカンタイル取引所)のテリー・ダフィーCEOは、決算説明会で自社トークンの発行を検討していると明らかにしました。
また、Google(グーグル)とトークン化キャッシュ基盤の実証実験を進めているとも述べています。伝統的な金融機関が暗号資産技術を本格的に採用する動きは、業界の成熟を示すものです。
CME(シーエムイー)のような大手取引所がトークンを発行すれば、暗号資産の信頼性向上と普及促進につながる可能性があります。
日本市場の発展、トークン化とインフラ整備
SBI×Startaleが金融資産トークン化L1「Strium」発表
SBIホールディングスとブロックチェーン企業Startale Group(スターテイル・グループ)は2026年2月5日、金融資産トークン化に特化したレイヤー1ブロックチェーン「Strium(ストリウム)」を発表しました。
Strium(ストリウム)は、暗号資産、トークン化株式、リアルワールドアセット(RWA)を含むあらゆるオンチェーン金融資産取引に特化したブロックチェーンです。既存のブロックチェーンとは異なり、金融資産のトークン化に最適化された設計となっています。
SBI(エスビーアイ)は日本の大手金融グループであり、その信用力と技術力を背景に、Strium(ストリウム)は日本における金融資産トークン化の標準プラットフォームとなる可能性があります。
羽田空港でステーブルコイン決済実証、Solana選定の背景
羽田空港第3ターミナルで、USDC(USDコイン)を使ったステーブルコイン決済の実証実験が始まりました。開発を担当したネットスターズへのインタビューにより、技術選定の背景が明らかになっています。
同社がSolana(ソラナ)ブロックチェーンを選んだ理由は、高速な取引処理能力と低い手数料です。決済には即時性が求められるため、ブロックチェーンの処理速度は極めて重要です。Solana(ソラナ)は1秒間に数千件の取引を処理でき、手数料も1セント未満と非常に低コストです。
決済の仕組みはQRコード方式で、利用者がスマートフォンでQRコードを読み取り、ウォレットアプリから支払いを行います。実証実験が成功すれば、今後他の空港や商業施設への展開も期待されます。
Penguin Securitiesが28億円調達、日本支社設立へ
シンガポール拠点の暗号資産企業Penguin Securities Holdings(ペンギン・セキュリティーズ・ホールディングス)は、プレシリーズAラウンドで累計約28億円(約1800万ドル)を調達しました。日本の投資家が参画し、日本支社を設立する予定です。
同社はシンガポール金融管理局からCMS(Capital Markets Services)ライセンスを取得しており、暗号資産デリバティブに加え、株式・債券・ETFなど伝統的金融商品も取り扱います。
日本市場での本格展開を目指しており、日本の投資家に対して暗号資産と伝統的金融商品を統合した投資サービスを提供する計画です。
Secured Finance、UBSトークン化MMFを担保にJPYC借入可能に
DeFi(分散型金融)固定金利プロトコルSecured Finance(セキュアード・ファイナンス)は、DigiFT(デジファイティー)と提携し、UBS Asset Management(UBSアセット・マネジメント)のトークン化MMF(マネー・マーケット・ファンド)「uMINT(ユーミント)」を担保にJPYCやUSDCの借入が可能になったと発表しました。
これは、トークン化されたリアルワールドアセット(RWA)を担保にステーブルコインを調達できる、伝統金融とDeFiの融合を象徴するサービスです。UBS(ユービーエス)は世界最大級の資産運用会社であり、その金融商品がDeFiで活用できることは、両者の統合が加速している証左です。
投資家は、保有するトークン化MMFを売却せずに、それを担保に流動性を確保できるため、資産効率が大幅に向上します。
その他の注目トピック
ブータン王国が35億円相当のBTC売却
ブロックチェーン分析企業Arkham(アーカム)は、ブータン王国が1週間で2200万ドル(約35億円)相当のビットコインを売却した可能性があると報告しました。
ブータンは世界でも有数のビットコイン保有国で、国営のマイニング事業を通じてビットコインを取得してきました。しかし、ビットコイン価格の下落とマイニング環境の悪化を背景に、資産の一部を売却したと見られています。
国家レベルでのビットコイン売却は市場に与える影響が大きく、今回の下落の一因となった可能性もあります。
韓国でzkSync価格操縦疑惑、1000%急騰急落
韓国金融監督院が、暗号資産zkSync(ジーケーシンク)の異常な価格変動を調査しています。韓国最大の取引所Upbit(アップビット)で、わずか3時間に約1000%急騰後急落するという異常事態が発生しました。
調査によると、取引所のシステム点検時間を狙った価格操縦の疑いがあるとのことです。昨年のUpbit(アップビット)ハッキング事件を受け、韓国は取引所規制を強化する方針を示しており、今回の事件もその一環として厳しく調査される見込みです。
テザー資金調達計画を大幅縮小、200億→50億ドルに
世界最大のステーブルコイン発行企業Tether(テザー)が、投資家の反発を受けて資金調達計画を200億ドル(約31兆円)から50億ドル(約7.8兆円)規模に縮小しました。
同社は5000億ドル(約77.5兆円)の企業評価額を提示していましたが、投資家からは過大評価との疑問の声が上がっていました。時価総額29兆円のUSDT(テザー)は市場シェア6割を占める最大のステーブルコインですが、企業評価額については慎重な見方が広がっています。
一方で、ビットコインの暴落にもかかわらず、Tether(テザー)のUSDTは2025年第4四半期に記録的なユーザー数増加を報告しています。市場の混乱期においても、ステーブルコインの需要は堅調に推移していることが確認されています。
バイナンス偽造業務停止通知、準備金は安定
世界最大の暗号資産取引所Binance(バイナンス)に対する破綻疑惑と偽の業務停止通知がSNS上で拡散されました。同社は公式に否定し、「想像力豊かな偽造文書」と警告しました。
「FTX 2.0」説もオンラインで拡散されましたが、オンチェーン準備金は安定しており、差し迫ったストレス兆候は確認されていません。市場の変動やSNS上で広がる批判の波にもかかわらず、Binance(バイナンス)の財務状況は健全と見られています。
ただし、OKX(オーケーエックス)創設者は、2025年10月の市場暴落の構造的要因を指摘しており、取引所を取り巻く環境には依然として不透明感が残っています。
ビットコインマイニング、ハッシュレート史上初の1ゼタハッシュ突破も収益最低
ビットコインネットワークのハッシュレートが史上初の1ゼタハッシュ/秒(1,000エクサハッシュ/秒)を突破しました。これはネットワークの計算能力が過去最高に達したことを意味します。
しかし、マイナーの収益性は過去最低水準にあります。GoMining(ゴーマイニング)の2025年市場レビューによると、ハッシュプライス(1ペタハッシュあたりの日次収益)は35ドルまで下落しました。
収益悪化を受け、上場マイニング企業は総額650億ドル(約10兆円)規模のAI・HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)契約を締結し、事業転換を加速させています。2026年末にはマイニング収益が全体の20%未満に減少する見通しです。
伝統金融の市場支配率46%に、個人投資家主導の時代終わる
CfC St. Moritz(シーエフシー・サンモリッツ)の最新調査で、暗号資産市場の市場構造が劇的に変化していることが明らかになりました。
JPモルガン(ジェイピーモルガン)やUBS(ユービーエス)などの大手金融機関が参入を検討し、ETF運用資産は2年で1400億ドル(約21.7兆円)に急増する中、調査対象の46%が「伝統金融(TradFi)が市場を支配しつつある」と回答しました。
個人投資家主導だった暗号資産市場は、機関投資家と伝統金融機関が主役の市場へと変貌しつつあります。一方、ビットコインは確立した資産クラスとして認識され始めており、市場の成熟を示しています。
別の調査では、暗号資産投資家がDeFi(分散型金融)よりもインフラストラクチャーを優先する傾向が明らかになりました。2026年に向け、機関投資家の参入を阻む主因として流動性制約と市場の厚み不足が指摘されています。
野村HDが暗号資産戦略を堅持
野村ホールディングスは、1月30日の四半期決算発表を受けた追加取材に対し、暗号資産への取り組みを堅持する方針を示しました。
同社の暗号資産子会社Laser Digital(レーザー・デジタル)のリスク管理体制を説明し、市場の混乱期においても事業を継続する姿勢を明確にしました。日本の大手証券会社が暗号資産事業にコミットし続けることは、市場の信頼性向上につながります。
スペイン銀行BBVAがユーロステーブルコイン発行参加
スペイン大手銀行BBVA(ビービーブイエー)は、ユーロ建てステーブルコイン発行を目指す銀行コンソーシアムに参加したと発表しました。
合弁会社Qivalis(キバリス)を設立した欧州主要金融機関11行から成るコンソーシアムで、デジタル資産決済インフラの構築を目的としています。欧州では、ステーブルコインが伝統金融システムに統合される動きが加速しています。
おわりに
2026年2月5日の暗号資産市場は、ビットコインが遂に7万ドルの大台を割り込み、13カ月ぶりの安値を記録する歴史的な局面を迎えました。CryptoQuant(クリプトクアント)は「強気相場が終了した」との見解を示し、市場は本格的な弱気相場に突入した可能性が高まっています。銀が2時間で22%暴落するなど貴金属市場の混乱も波及し、イーサリアム2100ドル割れ、リップル1.50ドル割れと、主要暗号資産が軒並み重要なサポートラインを下回りました。
メタプラネット株は31%急落し、含み損1690億円という深刻な状況に陥っています。ゲロビッチ社長は「忍耐を試される」とコメントし、長期戦略への確信を示していますが、株主や投資家の間では戦略の妥当性を疑問視する声も高まっています。Strategy(ストラテジー)社やBitMine(ビットマイン)社など、暗号資産を財務資産とする企業は合計で約1兆5700億円規模の含み損を抱え、まさに試練の時を迎えています。
米国では、ステーブルコインの利回り問題を巡り銀行業界と暗号資産業界の対立が激化し、ホワイトハウスが2月末までの解決期限を設定しました。ベセント財務長官は「ビットコイン救済には踏み込まず」と明言し、市場は自力での回復が求められています。
しかし、すべてが暗いニュースばかりではありません。日本では、SBI(エスビーアイ)とStartale(スターテイル)が金融資産トークン化特化型ブロックチェーン「Strium(ストリウム)」を発表し、羽田空港でステーブルコイン決済実証が始まるなど、将来を見据えた動きが継続しています。野村HDは暗号資産戦略を堅持し、スペイン銀行BBVAはユーロステーブルコイン発行に参加するなど、伝統金融機関の参入も進んでいます。
市場調査では、伝統金融の支配率が46%に達し、個人投資家主導の時代が終わりつつあることが示されました。一方でビットコインは確立した資産クラスとして認識され始めており、短期的な混乱の中にも市場の成熟が見て取れます。
暗号資産市場は今、歴史的な転換点にあります。7万ドル割れは心理的に大きな節目であり、次のサポートは6万9000ドル、最悪の場合は5万6000ドルまで下落する可能性も指摘されています。投資家の皆様には、この厳しい市場環境において冷静さを保ち、長期的な視点でリスク管理を徹底することをお勧めします。市場は必ず回復しますが、その時期は誰にも予測できません。短期的な価格変動に一喜一憂せず、自身の投資戦略と財務状況を慎重に見極めた上で、賢明な判断を行っていただきたいと思います。規制整備の進展、技術革新、機関投資家の参入など、長期的な成長要因は依然として存在しています。
