2026年1月11日、今週の暗号資産市場を振り返ります。ビットコイン保有企業のMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)指数除外回避やXRP(リップル)が年間最注目銘柄と評価されるなど重要な材料が相次ぎました。bitbank(ビットバンク)アナリストがビットコイン対円相場は底堅く1,440万円周辺で推移し、年始の買い戻しからソーサーボトム(皿状の底)を形成、ブレイクアウトに期待がかかると分析しました。米雇用統計とCPI(消費者物価指数)が今後の相場の鍵を握ります。ビットコイン現物ETF(上場投資信託)は2026年最初の本格的取引週に6億8,100万ドル(約1,055億円)が流出し、マクロ経済の不透明感が重荷となりました。ベンチャーキャピタルa16z(Andreessen Horowitz、アンドリーセン・ホロウィッツ)が150億ドル(約2.3兆円)超を調達し、AI(人工知能)と暗号資産に重点投資すると発表しました。ビットコイン黎明期の重要人物ハル・フィニー(Hal Finney)氏が「Running Bitcoin」と投稿してから17年を迎えました。本稿では、週間市場まとめとBTC相場展望、投資動向とステーブルコイン、個別銘柄・企業動向について解説します。
週間市場まとめとBTC相場展望──MSCI除外回避XRP年間最注目銘柄、雇用統計・CPIブレイク鍵ソーサーボトム形成1440万円、週刊ニュースベネズエラBTC蓄積アーサー・ヘイズ予測、ETF週間6.81億ドル流出マクロ不透明感、ハル・フィニー17周年Running Bitcoin
今週はビットコイン保有企業のMSCI指数除外回避、XRPが年間最注目銘柄と評価されるなど重要材料が相次ぎました。bitbankアナリストがビットコイン対円相場は1,440万円周辺でソーサーボトムを形成し、米雇用統計とCPIがブレイクアウトの鍵と分析しました。ベネズエラ政権のビットコイン蓄積疑いやアーサー・ヘイズ氏のBTC上昇予測に高い関心が集まりました。ビットコインETFは週間6億8,100万ドルの流出を記録しました。ハル・フィニー氏の「Running Bitcoin」から17年を迎えました。
週間市場まとめの詳細は以下の通りです。第一に、MSCI除外回避とXRP評価です。今週の主要材料として、ビットコイン保有企業のMSCI指数除外回避が注目されました。1月7日報道の通り、MSCIはストラテジー(Strategy)社をはじめとする総資産の50%以上を暗号資産で保有する企業の指数除外案を2月の見直しでは実施しないと発表しました。最悪シナリオの大規模資金流出は回避されましたが、株式数更新停止により自動買い需要が消失した可能性があります。XRPは年間最注目銘柄と評価されました。前週比の騰落率では、ビットコインやイーサリアム、ソラナなど主要銘柄が小幅な変動にとどまる中、XRPは堅調な推移を見せました。1月9日報道の通り、リップル(Ripple)社が英国金融行為監督機構(FCA)から事業認可を取得し、決済プラットフォーム拡大へ動き出しました。XRPの実用化が進展しています。
第二に、bitbank分析ソーサーボトム形成です。bitbankアナリストがビットコイン対円相場について詳細な分析を発表しました。ビットコイン対円相場は底堅く1,440万円周辺で推移しています。年始の買い戻しからソーサーボトム(皿状の底)を形成しています。ソーサーボトムとは、チャートが皿のような形で底を打つパターンです。緩やかに下落した後、底値圏で横ばいが続き、その後上昇に転じるパターンです。ブレイクアウトに期待がかかります。1月9日の米雇用統計と1月13日のCPI(消費者物価指数)が今後の相場の鍵を握ります。雇用統計が良好であれば、景気回復への期待が高まります。しかし、インフレ懸念も強まる可能性があります。CPIが高ければ、金利引き下げが遅れる可能性があります。ビットコインにとってはネガティブです。CPIが低ければ、金利引き下げへの期待が高まります。ビットコインにとってはポジティブです。マクロ経済指標がビットコイン相場の方向性を左右します。
第三に、週刊ニュース注目トピックです。今週は、ベネズエラ政権によるビットコイン蓄積の疑い、米司法省による押収ビットコイン一部売却の可能性、アーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏による暗号資産市場分析に関する記事が関心を集めました。ベネズエラ政権のビットコイン蓄積疑いは、大きな注目を集めています。1月5日報道の通り、マドゥロ前大統領が拘束されましたが、政権がビットコインを大量に蓄積していた可能性が指摘されています。国際制裁を逃れるため、ビットコインを利用していた可能性があります。米司法省が押収したビットコインの一部を売却する可能性も報じられています。大量のビットコインが市場に放出されれば、価格に影響を与える可能性があります。アーサー・ヘイズ氏は暗号資産取引所BitMEX(ビットメックス)の共同創業者です。ヘイズ氏がビットコイン上昇を予測したことで、市場に注目が集まりました。
第四に、BTC ETF週間6.81億ドル流出です。ビットコイン現物ETFは2026年の取引開始と同時に大きな資金流出に見舞われ、年初の最初の本格的な取引週だけで合計6億8,100万ドル(約1,055億円)が流出しました。マクロ経済の不透明感が重荷となりました。1月9日報道の通り、直近3営業日で約11億2,000万ドル(約1,736億円)の純流出を記録しました。週間全体では6億8,100万ドルの流出です。1月2日には大規模な流入がありましたが、その後は流出が続いています。背景には以下が考えられます。マクロ経済の不透明感:米国の金利動向、インフレ、雇用統計などマクロ経済指標への不透明感が投資家のリスク回避姿勢を強めています。利益確定売り:年末年始にビットコインが上昇したため、利益確定売りが出ています。年初効果の剥落:1月2日の大規模流入は年初効果と見られています。その後、通常の取引に戻っています。JPモルガン(JPMorgan)は流出が底を打ったと分析していますが、今後の動向に注意が必要です。
第五に、ハル・フィニー17周年です。ビットコインコミュニティは、2009年1月10日にサイファーパンクでありビットコインの先駆者でもあるハル・フィニー氏が、自身がビットコインのノードソフトウェアを稼働させていると世界に向けて投稿した記念日を祝っています。ハル・フィニー氏は暗号技術の専門家でした。ビットコイン創始者サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)と最初にやり取りした人物です。2009年1月10日、フィニー氏はTwitter(現X)に「Running Bitcoin」と投稿しました。この投稿は、ビットコイン史上最初の公開投稿の一つです。フィニー氏はサトシ・ナカモトから最初のビットコイン送金を受け取りました。ビットコインネットワークの最初の取引です。フィニー氏は2014年にALS(筋萎縮性側索硬化症)で亡くなりました。しかし、ビットコインの発展に大きく貢献した人物として記憶されています。「Running Bitcoin」から17年を迎え、ビットコインは時価総額約1.8兆ドル(約279兆円)の資産に成長しました。フィニー氏の功績を讃える記念日となっています。
第六に、週間市場の総括です。今週の暗号資産市場は、MSCI除外回避という好材料がありながら、ETFからの資金流出が続き、方向感の定まらない展開となりました。ビットコインは9万ドル(約1,395万円)前後で推移し、レンジ相場が続いています。1月9日と1月13日に発表される米国の経済指標が、今後の相場の方向性を決める重要な要因となります。投資家は、短期的な価格変動に惑わされず、長期的な視点で市場を見る必要があります。
投資動向とステーブルコイン──a16z 150億ドル調達AI・暗号資産重点次の100年見据え米国将来支援、Tether Ledn最大80億円出資企業価値1260億円評価レンディング強化、ルーブル建てステーブルコイン急成長制裁下USDT・USDC上回る伸び895億ドル供給増
ベンチャーキャピタルa16zが150億ドル超を調達し、AIと暗号資産に重点投資すると発表しました。ステーブルコイン大手テザー(Tether)が暗号資産レンディングのLedn(レドン)に最大80億円出資する可能性が報じられました。ルーブル建てステーブルコインが急成長し、制裁下でもUSDT・USDCを上回る伸びを記録しました。
投資動向とステーブルコインの詳細は以下の通りです。第一に、a16z 150億ドル調達です。テクノロジー分野に特化したベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)は、米国の将来を支え、次の世紀で勝利するために不可欠と見なす企業や技術への投資を目的として、150億ドル(約2.3兆円)超を調達したと明らかにしました。その中で、暗号資産は引き続き中核的な位置付けにあるといいます。a16zは世界最大級のベンチャーキャピタルです。Facebook(現Meta)、Airbnb、Coinbase(コインベース)など多数の有名企業に投資しています。暗号資産分野にも積極的に投資しています。今回の150億ドル調達は、a16z史上最大規模です。「次の100年」を見据えた投資を行います。重点投資分野は以下の通りです。AI(人工知能):生成AI、機械学習などAI技術に投資します。暗号資産:ブロックチェーン、DeFi、Web3などに投資します。その他:バイオテクノロジー、エネルギーなど幅広い分野に投資します。a16zは、AIと暗号資産が米国の将来を支える重要技術と位置づけています。1月10日報道の通り、a16zが2026年に3つの暗号資産技術が広範な業界に浸透すると予測しました。a16zの大規模投資により、暗号資産業界への資金流入が加速する可能性があります。
第二に、Tether Ledn出資です。ステーブルコイン大手のテザー(Tether)は2025年11月、ビットコインを担保に法定通貨やステーブルコインを貸し付ける暗号資産レンディング企業Ledn(レドン)への出資を発表しました。今回、最大5,000万ドル(約80億円)を出資し、Lednの企業価値を8億ドル(約1,260億円)と評価している可能性が報じられました。テザーは世界最大のステーブルコインUSDT(テザー)の発行企業です。時価総額は約1,400億ドル(約21.7兆円)です。テザーは収益の一部を、暗号資産関連企業への投資に振り向けています。Lednは、ビットコインなど暗号資産を担保に、法定通貨やステーブルコインを貸し付けるサービスを提供しています。ユーザーは、暗号資産を売却せずに、資金を調達できます。テザーのLedn出資により、以下が期待されます。Lednの事業拡大:テザーの資金支援により、Lednが事業を拡大します。暗号資産レンディング市場の成長:レンディング市場全体が成長します。テザーのエコシステム拡大:USDTの利用が拡大します。暗号資産レンディングは、DeFiの重要な分野です。テザーの投資により、市場が活性化する可能性があります。
第三に、ルーブル建てステーブルコイン急成長です。ルーブル建てステーブルコイン「A7A5」は過去1年で、オンチェーン上の供給量を895億ドル(約14兆1,400億円)増やしました。制裁下でも昨年、USDT・USDCを上回る伸びを記録しました。ロシアは国際制裁を受けています。SWIFT(国際銀行間通信協会)から排除され、国際決済が困難になっています。そのため、暗号資産を利用した決済が増加しています。A7A5はルーブルに連動したステーブルコインです。ロシア国内外での決済に利用されています。供給量が895億ドル増加したことは、需要が急増していることを示します。制裁下でも、USDT・USDCを上回る伸びを記録しました。ロシアでは暗号資産の利用が拡大しています。国際制裁を逃れるため、ルーブル建てステーブルコインが利用されています。一方で、制裁逃れでの暗号資産利用は国際的な懸念事項です。1月9日報道の通り、制裁逃れで暗号資産の不正利用が増加し、2025年の不正アドレス受取額は1,540億ドル(約23兆9,000億円)に達しました。規制当局は監視を強化しています。
第四に、ステーブルコイン市場の展望です。a16zの大規模調達、テザーのLedn出資、ルーブル建てステーブルコインの急成長は、ステーブルコイン市場が成長を続けていることを示しています。ステーブルコインの時価総額は約2,000億ドル(約31兆円)です。1月9日報道の通り、ブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)がステーブルコイン決済は2030年までに56兆ドル(約8,680兆円)規模に達する可能性を予測しました。ステーブルコインは以下の分野で活用が拡大しています。国際送金:低コスト、高速で国際送金ができます。決済:オンライン決済、店舗決済で利用されます。DeFi:DeFiで基軸通貨として利用されます。制裁逃れ:国際制裁を受けた国で利用されます(問題視されています)。ステーブルコインは、金融インフラとして定着しつつあります。規制整備と実用化が同時進行しています。
個別銘柄・企業動向──XRPインフラ整備強気予測オンチェーン活動停滞機関化転換点、メタプラネット株価堅調BTC圧倒年間パフォーマンスプラスMSCI除外見送り好材料
XRPはインフラ整備で強気予測が加速していますが、オンチェーン活動の停滞が進んでいます。メタプラネット株は堅調で、ビットコインを圧倒する年間パフォーマンスを記録しました。MSCI指数除外見送りが好材料となりました。
個別銘柄・企業動向の詳細は以下の通りです。第一に、XRPインフラ整備と停滞です。リップル(XRP)市場は現在、オンチェーン活動の停滞とウォール街での歴史的な成功が同居する極めて「二極化した」状態にあります。ネットワークでのユーザー離れという懸念の一方で、2025年はリップルにとって「機関化への転換点」となりました。XRPの強気材料は以下の通りです。インフラ整備の進展:1月9日報道の通り、リップル社が英FCAから事業認可を取得しました。決済プラットフォームを拡大します。1月10日報道の通り、BNYメロン(BNY Mellon)が機関投資家向けにトークン化預金サービスを開始し、リップル・プライム(Ripple Prime)が早期採用者として参画しました。大手金融機関との提携が進んでいます。XRP ETFの成功:1月6日報道の通り、XRP ETFは上場以来1,800億円(約11.6億ドル)の純流入を記録しました(1月9日に初の流出を記録しましたが、全体的には好調です)。機関投資家の需要が拡大しています。
一方で、XRPの弱気材料もあります。オンチェーン活動の停滞:1月10日報道の通り、XRPレジャー(XRPL)のユーザー活動が低迷しています。トランザクション数、アクティブアドレス数が減少しています。XRPは、機関投資家に買われていますが、実際の利用は進んでいません。投機的な投資が中心となっている可能性があります。需給悪化:1月10日報道の通り、XRPは需給悪化で戻り売りが出ています。高値で買った投資家の含み損が重石となっています。最終防衛ラインは2.00ドル(約310円)と見られています。XRPは、インフラ整備で強気予測が加速していますが、実用化が進まなければ、長期的な成長は難しいです。機関化と実用化のバランスが鍵となります。
第二に、メタプラネット株価堅調です。今週の株式会社メタプラネットは投資家の注目を集める複数の大きな動きがありました。市場では最高値からの大幅な下落率に目が向けられがちですが、実際には2025年の年間パフォーマンスでビットコイン(BTC)を上回るプラス成績を維持しています。メタプラネット株は堅調に推移しています。1月9日報道の通り、5日間で28%急騰しました。ビットコイン上昇で注目が集まっています。年間パフォーマンスでビットコインを圧倒しています。ビットコインは2025年に約30%下落しました(2025年10月の最高値126,000ドルから現在約91,000ドル)。メタプラネット株は、2025年にプラスのパフォーマンスを記録しました。ビットコインを保有する企業として、ビットコイン価格に連動しますが、独自の企業価値もあります。
MSCI指数除外見送りが好材料となりました。1月7日報道の通り、MSCIがビットコイン保有企業の指数除外を見送りました。メタプラネットのmNAV(保有ビットコイン純資産価値に対する株式時価評価額の倍率)が約1.25倍に上昇し、3カ月ぶりの高水準となりました。MSCI除外見送りにより、以下のメリットがあります。指数連動ファンドによる強制売却回避:最悪シナリオが回避されました。投資家の信認向上:メタプラネット株への投資家の信認が向上しました。ただし、株式数更新停止により自動買い需要が消失した可能性があります。今後の動向に注意が必要です。
第三に、個別銘柄の展望です。XRPとメタプラネットは、それぞれ異なる課題と機会を抱えています。XRPは機関化が進む一方、実用化が遅れています。実用化が進まなければ、長期的な成長は難しいです。リップル社は決済プラットフォームの拡大に注力しています。国際送金などでの利用が拡大すれば、XRPの真価が発揮されます。メタプラネットはビットコイン保有企業として、ビットコイン価格に連動します。ビットコインが上昇すれば、メタプラネット株も上昇します。MSCI除外見送りは好材料ですが、自動買い需要消失のリスクもあります。メタプラネットは、ビットコインの積立を継続しています。長期的にビットコインが上昇すれば、企業価値も上昇します。投資家は、各銘柄の特性を理解し、リスクを管理しながら投資する必要があります。
おわりに
2026年1月11日、今週の暗号資産市場を振り返りました。ビットコイン保有企業のMSCI指数除外回避やXRPが年間最注目銘柄と評価されるなど重要な材料が相次ぎました。bitbankアナリストがビットコイン対円相場は1,440万円周辺でソーサーボトムを形成し、米雇用統計とCPIがブレイクアウトの鍵を握ると分析しました。マクロ経済指標が今後の相場の方向性を左右する重要な局面です。ビットコイン現物ETFは週間6億8,100万ドルの流出を記録し、マクロ経済の不透明感が重荷となりました。JPモルガンは流出が底を打ったと分析していますが、1月9日の雇用統計と1月13日のCPIの結果が重要です。ベンチャーキャピタルa16zが150億ドル超を調達し、AIと暗号資産に重点投資すると発表しました。「次の100年」を見据えた大規模投資により、暗号資産業界への資金流入が加速する可能性があります。ステーブルコイン大手テザーが暗号資産レンディングのLednに最大80億円出資し、ルーブル建てステーブルコインが制裁下でも急成長を記録しました。ステーブルコイン市場は成長を続けており、2030年までに56兆ドル規模に達する可能性があります。XRPはインフラ整備で強気予測が加速していますが、オンチェーン活動の停滞が進んでいます。機関化と実用化のバランスが鍵となります。メタプラネット株は堅調で、年間パフォーマンスでビットコインを圧倒しています。MSCI除外見送りが好材料となりましたが、自動買い需要消失のリスクもあります。ハル・フィニー氏の「Running Bitcoin」から17年を迎え、ビットコインは時価総額約1.8兆ドルの資産に成長しました。先駆者たちの功績を讃え、今後の発展を期待します。今週は重要なマクロ経済指標の発表が控えており、相場の方向性を決める重要な週となります。投資家は短期的な価格変動に惑わされず、長期的なファンダメンタル、規制動向、実用化の進展に注目し、リスク管理を徹底し、余裕資金の範囲内で投資を行ってください。
