2026年1月4日、米最大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)が2026年の暗号資産市場トレンドを展望しました。DAT2.0(Digital Asset Treasury 2.0)、トークノミクス2.0、AIエージェント決済、ステーブルコイン市場拡大など注目ポイントを解説しています。米国債を中心に、RWA(Real World Assets、現実資産)のオンチェーン化が進んでいます。2025年末時点でトークン化米国債の残高は高水準を維持し、オンチェーン金融の実用化が本格化しています。暗号資産業界は規制が厳格化する中でも成長を続けており、2026年はライセンスとプロダクトが主戦場になるとの見方が示されました。投機的な上場や高レバレッジ取引ではなく、規制審査に耐える免許取得とプロダクト設計を軸に次のサイクルを描いています。本稿では、Coinbase 2026年トレンド展望とオンチェーン金融、規制強化下での成長戦略、その他重要トピックについて解説します。
Coinbase 2026年トレンド展望とオンチェーン金融──DAT2.0・トークノミクス2.0・AIエージェント決済・ステーブルコイン拡大、トークン化米国債高水準維持
Coinbaseが2026年の暗号資産市場トレンドを展望し、DAT2.0、トークノミクス2.0、AIエージェント決済、ステーブルコイン市場拡大を注目ポイントとして挙げました。トークン化米国債の残高は高水準を維持し、オンチェーン金融の実用化が本格化しています。
2026年トレンドの詳細は以下の通りです。第一に、DAT2.0です。1月3日報道の通り、企業が暗号資産と向き合うDAT(Digital Asset Treasury)2.0時代が到来しています。DAT1.0はビットコインのみを保有する時代でした。ストラテジー(Strategy、旧マイクロストラテジー)がビットコインを大量購入する戦略です。DAT2.0では、ビットコインに加え、ステーブルコイン、RWA、その他の暗号資産を組み合わせます。企業が多様なデジタル資産を活用し、財務戦略を最適化します。利回り商品への投資、決済手段としての活用、リスクヘッジなど用途が広がります。1月2日報道の通り、メタプラネットが698億円(約4.5億ドル)のビットコインを購入しましたが、今後は他の資産も組み合わせる可能性があります。
第二に、トークノミクス2.0です。トークノミクス(Tokenomics)とは、トークンの経済設計です。発行量、配布方法、インセンティブ設計などを指します。トークノミクス1.0は、投機的な設計が中心でした。初期投資家への大量配布、インフレ的な発行などが問題視されました。トークノミクス2.0では、持続可能で公平な設計が求められます。実用性を重視し、長期的な価値創造を目指します。ガバナンストークン、ユーティリティトークンの役割が明確化されます。コミュニティへの公平な配布が重視されます。
第三に、AIエージェント決済です。1月2日報道の通り、a16zが2026年トレンドとしてAIエージェントを挙げています。AIエージェントが自律的に暗号資産を取引し、決済を実行します。ユーザーが指示を与えると、AIが最適な決済手段を選択します。ステーブルコイン、ビットコイン、その他の暗号資産から最適なものを選びます。決済手数料、処理速度、為替リスクなどを考慮します。AIエージェント決済により、暗号資産の実用性が飛躍的に向上します。
第四に、ステーブルコイン市場拡大です。1月2日報道の通り、ステーブルコイン市場は2,450億ドル(約38兆円)規模に成長しました。2026年はさらに拡大する見込みです。決済での活用が拡大します。国際送金、EC(電子商取引)サイト決済などで普及します。企業の財務管理での活用が増えます。規制整備が進みます。米国でステーブルコイン規制法案が成立する見込みです。1月1日報道の通り、業界幹部20人がステーブルコイン2026年予測を示しています。
第五に、トークン化米国債の現状です。米国債を中心に、RWA(現実資産)のオンチェーン化が進んでいます。2025年末時点で、トークン化米国債の残高は高水準を維持しています。トークン化米国債とは、米国債をブロックチェーン上でトークン化したものです。投資家が少額から米国債に投資できます。年利約4〜5%の利回りが得られます。24時間365日取引可能です。1月1日報道の通り、ブラックロック(BlackRock)のBUIDL(トークン化MMF)が配当累計1億ドル(約155億円)に到達しました。トークン化米国債市場が拡大しています。
第六に、オンチェーン金融の実用化です。トークン化米国債の拡大は、オンチェーン金融の実用化を示しています。従来の金融商品がブロックチェーン上で取引されます。決済、清算がオンチェーンで完結します。透明性、効率性が向上します。TradFi(伝統的金融)とDeFi(分散型金融)の融合が進みます。1月2日報道の通り、Visa(ビザ)がJPYC・USDCを活用したオンチェーン清算を主戦場としています。2026年は、オンチェーン金融が本格化する年となります。
第七に、2026年トレンドの意義です。Coinbaseの2026年トレンド展望は、以下を示しています。実用性への転換:DAT2.0、AIエージェント決済、ステーブルコイン拡大など、実際に使われるユースケースが成長します。投機から実用へ市場が転換します。持続可能な成長:トークノミクス2.0など、持続可能で公平な設計が求められます。短期的な投機ではなく、長期的な価値創造を目指します。TradFiとDeFiの融合:トークン化米国債、オンチェーン金融など、伝統的金融とブロックチェーンが融合します。新しい金融インフラが構築されます。2026年は、暗号資産市場が投機から実用へ本格的に転換する年となる可能性があります。
規制強化下での成長戦略──ライセンス・プロダクト主戦場、投機的上場・高レバレッジ追わず、規制審査耐える設計
暗号資産業界は規制が厳格化する中でも成長を続けています。2026年はライセンスとプロダクトが主戦場になります。大手取引所は投機的な上場や高レバレッジ取引による急成長を追わず、規制審査に耐える免許取得とプロダクト設計を軸に次のサイクルを描いています。
規制強化下での戦略の詳細は以下の通りです。第一に、規制強化の背景です。2025年、世界各国で暗号資産規制が強化されました。米国ではトランプ政権が暗号資産推進派ですが、規制整備も進めています。欧州ではMiCA(Markets in Crypto-Assets)規制が施行されました。日本では1月3日報道の通り、金商法移行が議論されています。規制強化により、詐欺的なプロジェクトが排除されます。投資家保護が強化されます。しかし、事業者の負担も増加します。
第二に、ライセンス取得が主戦場です。2026年、暗号資産取引所はライセンス取得を最優先します。各国の規制当局から免許を取得します。米国、欧州、日本、シンガポールなど主要市場でライセンスを取得します。ライセンス取得には、以下が求められます。コンプライアンス体制の強化、AML(マネーロンダリング対策)、KYC(顧客確認)の徹底、資本金の確保、セキュリティ対策の実施。ライセンス取得により、機関投資家が安心して取引できる環境が整います。
第三に、プロダクト設計の重要性です。規制審査に耐えるプロダクト設計が重視されます。投機的な商品ではなく、実用性のある商品を提供します。ステーブルコイン:決済、送金に活用できます。RWA(現実資産のトークン化):不動産、株式、債券などをトークン化します。ETF(上場投資信託):機関投資家が簡単に暗号資産に投資できます。これらの商品は、規制当局の承認を得やすいです。長期的な成長が期待できます。
第四に、投機的戦略からの脱却です。従来、暗号資産取引所は以下の戦略で急成長しました。投機的なトークンの上場:実用性のないトークンを大量に上場します。取引手数料で収益を上げます。高レバレッジ取引の提供:100倍、200倍のレバレッジを提供します。リスクが高いですが、取引量が増えます。しかし、これらの戦略は規制当局から問題視されます。投資家保護の観点から制限されます。2026年、大手取引所は投機的戦略から脱却します。規制に準拠した持続可能な戦略を採用します。
第五に、大手取引所の動向です。Coinbase:1月3日報道の通り、ステーブルコイン、Base、取引所機能拡充を優先します。規制準拠を重視しています。OKX:RWA、ステーブルコインに注力しています。規制当局との対話を強化しています。その他の大手取引所も同様の戦略を採用しています。2026年は、規制準拠が競争力の源泉となります。
第六に、投資家へのインプリケーションです。規制強化は、短期的には市場成長を抑制します。しかし、長期的には市場の信頼性を向上させます。投資家は以下に注目すべきです。ライセンスを取得した取引所を選ぶ:安全性が高いです。規制準拠の商品に投資する:ステーブルコイン、RWA、ETFなど。投機的な商品を避ける:実用性のないトークン、高レバレッジ取引など。2026年は、規制強化下で健全な成長を遂げる年となります。
その他重要トピック──BTC誕生17周年デジタルゴールド進化、ベネズエラ攻撃でも9万ドル底堅い、経済不透明感で反発抑制
ビットコインが2009年1月3日の最初のブロック生成から17周年を迎えました。デジタルゴールドとして進化してきた歴史を振り返ります。米国とベネズエラの地政学的緊張が高まる中、ビットコインは9万ドル(約1,395万円)前後で底堅く推移しました。経済の不透明感がビットコインの反発を抑制していますが、9万ドル回復は達成しました。
その他トピックの詳細は以下の通りです。第一に、BTC誕生17周年です。2009年1月3日、サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)がビットコインの最初のブロック(ジェネシスブロック)を生成しました。2026年1月3日で17周年を迎えました。ビットコインは以下のように進化してきました。2009年〜2012年:誕生期。技術者のみが知る存在でした。2013年〜2016年:認知拡大。価格が1,000ドル(約15.5万円)を超えました。2017年〜2020年:投機ブーム。2万ドル(約310万円)に到達後、暴落しました。2021年〜2025年:機関投資家の参入。ETFが登場し、史上最高値12.6万ドル(約1,953万円)を記録しました。ビットコインはデジタルゴールドとして、価値保存手段の地位を確立しました。
第二に、ベネズエラ攻撃でも底堅いです。米国とベネズエラの地政学的緊張が高まりました。米国がベネズエラに対して軍事行動を検討しているとの報道がありました。通常、地政学リスクが高まると、リスク資産は売られます。しかし、ビットコインは9万ドル前後で底堅く推移しました。これは、ビットコインが安全資産としての性格を持ち始めたことを示唆します。金(ゴールド)と同様に、地政学リスクに対するヘッジとして機能する可能性があります。
第三に、経済不透明感で反発抑制です。ビットコインは1月3日に9万ドルを上回りました。7週間ぶりの水準です。しかし、9.5万ドル(約1,473万円)への上昇には勢いが不足しています。経済の不透明感が反発を抑制しています。米国の雇用統計、インフレ率など経済指標が注目されます。FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策も影響します。1月2日報道の通り、金融緩和が追い風となる一方、米中間選挙がリスクです。2026年前半は、経済指標を注視する必要があります。
おわりに
2026年1月4日、Coinbaseが2026年の暗号資産市場トレンドを展望し、DAT2.0、トークノミクス2.0、AIエージェント決済、ステーブルコイン市場拡大を注目ポイントとして挙げました。トークン化米国債の残高は高水準を維持し、オンチェーン金融の実用化が本格化しています。実用性への転換、持続可能な成長、TradFiとDeFiの融合が2026年の主要テーマです。暗号資産業界は規制強化下でも成長を続けており、2026年はライセンスとプロダクトが主戦場になります。投機的な上場や高レバレッジ取引ではなく、規制審査に耐える免許取得とプロダクト設計が競争力の源泉となります。ビットコインは誕生17周年を迎え、デジタルゴールドとして進化してきました。ベネズエラ攻撃の地政学リスクにも底堅く推移し、安全資産としての性格を示しました。経済不透明感が反発を抑制していますが、9万ドルは回復しています。2026年は規制整備と実用化が同時進行する重要な年です。投資家は短期的な価格変動より、ライセンス取得済み取引所、規制準拠商品、実用性あるプロジェクトに注目してください。リスク管理を徹底し、余裕資金の範囲内で投資を行ってください。
