2025年12月27日、日本の暗号資産市場で歴史的な政策詳細が明らかになりました。金融庁が2026年度税制改正の資料を公開し、暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などについても挙げられました。前日報道で「政令改正で組成可能に」と示唆されていたETFについて、より具体的な内容が明示されています。税制改正は2028年から施行され、投資信託及び特定受益証券発行信託が暗号資産に投資できるようになります。これにより、日本でもビットコイン現物ETFなどが組成可能となり、機関投資家や個人投資家が証券口座を通じて簡単に暗号資産に投資できるようになります。繰越控除の導入により、損失を翌年以降3年間繰り越せるようになり、税務上の公平性が大幅に改善されます。
セキュリティ面では、重大な動きがありました。バイナンス(Binance)創設者のチャンポン・ジャオ(CZ、Changpeng Zhao)氏が同社傘下のトラストウォレット(Trust Wallet)のハッキング被害について10億円(約6.5百万ドル)以上の全額補償を表明しました。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われています。CZ氏の迅速な対応により、被害者が救済される見込みです。
日本企業では、東証プライム上場のKLab(クラブ)が25日にビットコインとゴールド(金)の購入を開始しました。前々日発表の「デュアル・ゴールド・トレジャリー戦略」(ビットコイン:金=6:4)を実行に移し、AIを活用した市場分析レポート「岐路に立つBTC」の不定期発刊も開始しました。日本企業の暗号資産投資が新たな段階に入っています。
イーサリアム市場では、2026年の強気予測が相次いでいます。ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズ(Fundstrat Global Advisors)の共同創業者トム・リー(Tom Lee)氏は、イーサリアムが2026年初頭までに7,000〜9,000ドル(約108〜139万円)に上昇する可能性があると述べました。イーサリアムは2026年に2つの大型アップグレード(Glamsterdam、Hegota)を計画しており、並列処理とプライバシー機能強化が予定されています。
本稿では、金融庁税制改正詳細、Trust Wallet全額補償、KLab購入開始とイーサリアム2026年展望、その他重要トピックについて解説します。
金融庁税制改正詳細──ETF解禁・申告分離課税20%・繰越控除導入、2028年施行で投資環境劇的改善、投資信託が暗号資産投資可能に
金融庁が2026年度税制改正の資料を公開し、暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などの詳細が明らかになりました。前日報道で「政令改正で組成可能に」と示唆されていたETFについて、より具体的な内容が明示されています。2028年から施行され、日本の暗号資産投資環境が劇的に改善されます。
金融庁税制改正の詳細は以下の通りです。第一に、申告分離課税20%への変更です。現在、暗号資産の利益は雑所得として総合課税の対象となり、最大55%(所得税45%+住民税10%)の税率が適用されます。給与所得など他の所得と合算され、累進課税が適用されます。2028年から、暗号資産の利益は申告分離課税の対象となり、一律20%(所得税15%+住民税5%)の税率が適用されます。株式や投資信託と同じ税率になります。他の所得と分離して課税されるため、給与が高くても税率は一律20%です。この変更により、高所得者ほど大きな減税効果を得られます。年収1,000万円以上の投資家は、税率が最大55%から20%へ約60%以上減少します。暗号資産投資のハードルが大幅に下がり、新規参入が増加する見込みです。
第二に、繰越控除の導入です。現在、暗号資産取引で損失が発生しても、翌年以降に繰り越すことはできません。損失が発生した年は、その年の利益と相殺できるのみです。2028年から、繰越控除が導入されます。暗号資産取引で損失が発生した場合、翌年以降3年間にわたり繰り越すことができます。翌年以降の利益と相殺できます。例えば、2028年に100万円の損失、2029年に50万円の利益、2030年に60万円の利益が発生した場合、以下のようになります。2028年:100万円の損失を繰り越し。2029年:50万円の利益と、繰越損失100万円を相殺し、課税所得はゼロ。残り繰越損失50万円。2030年:60万円の利益と、繰越損失50万円を相殺し、課税所得は10万円。税額は10万円×20%=2万円。繰越控除により、損失が無駄にならず、税務上の公平性が大幅に改善されます。株式投資と同じ仕組みになります。
第三に、ETF解禁の詳細です。金融庁の資料では、「投資信託及び特定受益証券発行信託が暗号資産に投資できるようにする」と明記されています。これは、投資信託法や金融商品取引法の関連政令を改正することで実現されます。具体的な手順は以下の通りです。(1)税制改正:2028年から暗号資産が申告分離課税の対象となります。(2)政令改正:金融商品取引法施行令などを改正し、投資信託が暗号資産に投資できるようにします。(3)ETF組成:証券会社や資産運用会社が、ビットコイン現物ETFなどを組成します。(4)取引所上場:東京証券取引所などにETFが上場されます。(5)個人投資家の投資:証券口座を通じて、個人投資家がETFを購入できます。ETF解禁により、以下のメリットがあります。(1)投資の簡便性:暗号資産取引所の口座開設が不要で、証券口座で購入できます。(2)税制優遇:ETFは申告分離課税20%の対象となります。(3)機関投資家の参入:年金基金、保険会社などの機関投資家がETFを通じて暗号資産に投資しやすくなります。(4)市場の活性化:ETFの登場により、暗号資産市場が活性化します。
第四に、米国ETFとの比較です。米国では2024年1月にビットコイン現物ETFが承認され、ブラックロック(BlackRock)のIBIT(iシェアーズ・ビットコイン・トラスト)が年間で約350億ドル(約5.4兆円)の資金流入を記録しました。日本でもETFが組成されれば、同様の資金流入が期待されます。ただし、日本の投資家基盤は米国より小さいため、資金流入規模は米国ほどではない可能性があります。それでも、数兆円規模の資金流入が期待されます。
第五に、施行時期と今後のスケジュールです。税制改正は2028年から施行されます。具体的なスケジュールは以下が想定されます。2026年:税制改正大綱が正式決定されます。2027年:政令改正が行われ、投資信託が暗号資産に投資できるようになります。証券会社や資産運用会社がETFの準備を開始します。2028年1月:税制改正が施行されます。申告分離課税20%、繰越控除が開始されます。2028年中:ビットコイン現物ETFなどが上場される見込みです。投資家は、2028年までの約2年間、準備期間があります。この期間に、暗号資産の知識を深め、投資戦略を立てることが重要です。
第六に、市場への影響です。今回の税制改正は、日本の暗号資産市場に以下の影響を与えます。(1)投資家の増加:税率が下がり、投資しやすくなることで、新規投資家が大幅に増加します。前々日報道のビットバンク調査では、税制改正で約5割が投資拡大を検討しています。(2)市場規模の拡大:投資家の増加により、市場規模が拡大します。取引高、時価総額が増加します。(3)機関投資家の参入:ETFの登場により、機関投資家が本格的に参入します。年金基金、保険会社などが暗号資産に投資します。(4)企業の財務戦略としての採用加速:メタプラネット、TORICO、KLab、ANAP、HODL 1など、企業による暗号資産投資がさらに加速します。税制改正により、企業も投資しやすくなります。(5)暗号資産業界の成熟:規制整備、税制改正により、暗号資産業界が成熟します。詐欺的なプロジェクトが淘汰され、健全な市場が形成されます。日本の暗号資産市場は、2028年を境に大きく変わる可能性があります。投資家は、この歴史的な転換点を見逃さないようにする必要があります。
Trust Wallet全額補償──CZ氏が10億円以上補償表明、ブラウザ拡張機能脆弱性で内部関与疑惑、迅速な対応で被害者救済へ
バイナンス創設者のCZ氏が同社傘下のトラストウォレット(Trust Wallet)のハッキング被害について10億円(約6.5百万ドル)以上の全額補償を表明しました。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われています。CZ氏の迅速な対応により、被害者が救済される見込みです。
Trust Wallet補償の詳細は以下の通りです。第一に、CZ氏が全額補償表明です。前日報道の通り、暗号資産ウォレットTrust Walletで約700万ドル(約10.9億円)の不正流出が発生し、数百人のユーザーが被害を受けました。CZ氏は27日、Xで「Trust Walletのハッキング被害について、バイナンスが全額補償する」と表明しました。被害額は約650万〜700万ドル(約10億〜10.9億円)と推定されています。バイナンスが全額を負担し、被害者に返金します。CZ氏の迅速な対応により、被害者が救済されることになりました。
第二に、ハッキングの詳細です。前日報道の通り、Trust Walletのブラウザ拡張機能バージョン2.68のみに影響するセキュリティインシデントが発生しました。クリスマス当日(12月25日)に発生し、数百人のユーザーが被害を受けました。攻撃は12月初旬から計画されていたと報じられています。オンチェーン探偵のザックXBT(ZachXBT)氏が、Trust Walletの複数ユーザーから資金の不正流出報告があったと明らかにしました。
第三に、内部関与の可能性です。攻撃が12月初旬から計画されていたこと、特定のバージョン(2.68)のみが標的となったことから、内部者が関与している可能性が指摘されています。Trust Wallet側は調査を進めていますが、詳細は明らかになっていません。CZ氏は、内部関与の可能性について言及していませんが、徹底的な調査を行うと述べています。
第四に、CZ氏の対応の意義です。CZ氏の全額補償表明は、以下の意義があります。(1)被害者の救済:被害者が全額返金を受けられることで、損失を回復できます。(2)信頼の回復:バイナンスグループの信頼を回復する動きです。Trust Walletはバイナンス傘下であり、バイナンスの責任として補償を行います。(3)業界のスタンダード設定:ハッキング被害に対して全額補償を行うことは、業界のスタンダードを設定する動きです。他の企業も同様の対応を求められる可能性があります。(4)迅速な対応:ハッキング発生から約2日で全額補償を表明したことは、極めて迅速です。被害者の不安を早期に解消しました。
第五に、バイナンスの財務力です。バイナンスは、世界最大の暗号資産取引所で、豊富な資金力を持ちます。10億円程度の補償は、バイナンスにとって大きな負担ではありません。CZ氏は、「ユーザーの信頼が最も重要」と述べており、補償を惜しまない姿勢を示しています。
第六に、今後の対策です。Trust Walletは、以下の対策を講じる必要があります。(1)脆弱性の修正:ブラウザ拡張機能の脆弱性を修正し、再発を防ぎます。(2)セキュリティ監査:外部の専門家によるセキュリティ監査を実施します。(3)内部調査:内部関与の可能性について、徹底的に調査します。(4)ユーザーへの注意喚起:ユーザーに対して、最新版へのアップデートを促します。古いバージョンの使用を停止するよう呼びかけます。ユーザーは、以下の対策を取る必要があります。(1)Trust Walletブラウザ拡張機能を最新版に更新する。(2)資金を別のウォレットに移動する(念のため)。(3)Trust Wallet公式からの情報を確認する。CZ氏の全額補償表明により、Trust Walletへの信頼が回復する可能性があります。ただし、セキュリティ対策の強化が不可欠です。
KLab購入開始とイーサリアム2026年展望──AI分析レポート「岐路に立つBTC」発刊、ETH 7,000~9,000ドル予測・TVL 10倍増加予測、2大アップグレード計画
東証プライム上場のKLabが25日にビットコインとゴールド(金)の購入を開始し、AIを活用した市場分析レポート「岐路に立つBTC」の不定期発刊も開始しました。イーサリアム市場では、2026年の強気予測が相次いでおり、トム・リー氏が7,000~9,000ドル到達を予測し、シャープリンク(SharpLink)CEOがTVL(Total Value Locked、総ロック価値)10倍増加を予測しています。イーサリアムは2026年に2つの大型アップグレードを計画しています。
KLabとイーサリアム展望の詳細は以下の通りです。第一に、KLab購入開始です。東証プライム上場のKLab(クラブ、モバイルオンラインゲーム開発)が25日、ビットコインとゴールド(金)の購入を開始しました。前々日発表の「デュアル・ゴールド・トレジャリー戦略」(ビットコイン:金=6:4)を実行に移しました。具体的な購入額は明らかにされていませんが、6:4の比率で購入を開始したと発表しています。
第二に、AI分析レポート「岐路に立つBTC」発刊です。KLabは、AIを活用した市場分析レポートの不定期発刊を開始しました。第1弾は「岐路に立つBTC」というタイトルです。AIを使ってビットコイン市場を分析し、投資家に有益な情報を提供します。レポートの内容は、ビットコインが重要な転換点(岐路)に立っているとの分析です。短期的には弱気要因(需要の空白、流動性低下など)があるものの、長期的には強気要因(規制整備、ETF普及、企業の財務戦略など)があります。投資家は、長期的な視点を持つべきだとの提言です。KLabがAI分析レポートを発刊する意義は、以下の通りです。(1)企業のブランディング:暗号資産投資企業としての専門性を示します。(2)投資家への情報提供:市場分析を通じて、投資家に有益な情報を提供します。(3)透明性の向上:自社の投資戦略や市場認識を公開し、透明性を高めます。KLabは、メタプラネット、TORICO、ANAPに続き、情報発信を強化しています。日本企業の暗号資産投資が、単なる財務戦略から、業界への貢献へと進化しています。
第三に、トム・リー氏:ETH 7,000〜9,000ドル予測です。ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズの共同創業者兼リサーチ責任者であるトム・リー(Tom Lee)氏は、イーサリアム(ETH)は2026年初頭までに7,000〜9,000ドル(約108〜139万円)に上昇する可能性があると述べました。現在のイーサリアム価格は約2,930ドル(約45万円)です。7,000〜9,000ドルになると、約2.4〜3.1倍の上昇となります。トム・リー氏の予測の根拠は以下の通りです。(1)トークン化の進展:イーサリアムは、RWA(Real World Assets、現実資産)のトークン化プラットフォームとして台頭しています。不動産、株式、債券などがイーサリアム上でトークン化され、取引されています。トークン化市場の拡大により、イーサリアムの需要が増加します。(2)金融インフラとしての地位確立:イーサリアムは、DeFi(分散型金融)、ステーブルコイン、NFTなどの中心的なプラットフォームです。金融インフラとしての存在感が拡大しています。(3)ステーブルコインの成長:USDT、USDC、JPYC(日本円ステーブルコイン)など、多くのステーブルコインがイーサリアム上で発行されています。ステーブルコイン市場の拡大により、イーサリアムの需要が増加します。(4)機関投資家の採用:機関投資家がイーサリアムを採用しています。イーサリアムETFへの資金流入が増加する見込みです。
第四に、シャープリンクCEO:TVL 10倍増加予測です。シャープリンク・ゲーミング(SharpLink Gaming)の共同CEOであるジョセフ・シャロム(Joseph Shalom)氏によると、複数のユースケースと機関投資家の採用拡大を背景に、イーサリアムのTVL(Total Value Locked、総ロック価値)は2026年に10倍へ急拡大する可能性があります。TVLとは、DeFiプロトコルにロック(預けられている)されている資産の総額です。現在のイーサリアムのTVLは約500億ドル(約7.8兆円)です。10倍になると、約5,000億ドル(約78兆円)に達します。TVL増加の要因は以下の通りです。(1)DeFiの普及:レンディング(貸付)、DEX(分散型取引所)、イールドファーミング(利回り獲得)などのDeFiサービスが普及します。(2)ステーブルコインの成長:ステーブルコインがDeFiで活用されます。(3)RWAのトークン化:現実資産がトークン化され、DeFiで運用されます。(4)機関投資家の参入:機関投資家がDeFiに参入し、大規模な資金を投入します。
第五に、イーサリアム2026年2大アップグレードです。イーサリアムは2026年に2つの大型アップグレードを計画しています。(1)Glamsterdam(グラムステルダム):並列処理とガスリミット拡大で性能向上を目指します。完全な並列処理の実現により、トランザクション処理能力が大幅に向上します。ガスリミット(1ブロックあたりのガス量上限)を引き上げ、より多くのトランザクションを処理できるようにします。データブロブ数を増加させ、レイヤー2(L2)の処理能力を向上させます。(2)Hegota(ヘゴタ):プライバシー保護と検閲耐性の強化を目指します。ゼロ知識証明(ZK)技術を導入し、プライバシーを保護します。検閲耐性を強化し、誰もがトランザクションを実行できるようにします。イーサリアムネットワークの約10%がZKへ移行する予定です。これらのアップグレードにより、イーサリアムの性能、プライバシー、検閲耐性が大幅に向上します。金融インフラとしての地位がさらに確立されます。
第六に、イーサリアム vs ビットコインです。前日報道の通り、暗号資産アナリストのベンジャミン・コーウェン(Benjamin Cowen)氏は、現在のビットコインの状況を踏まえると、イーサリアムが来年に最高値を更新する可能性は低いとの見方を示しました。イーサリアムは、ビットコインに連動する傾向があります。ビットコインが弱気であれば、イーサリアムも弱気になります。一方、トム・リー氏やシャロム氏は、イーサリアム独自の強気要因(トークン化、DeFi、アップグレード)を強調しています。イーサリアムが、ビットコインから独立して上昇する可能性を示唆しています。2026年、イーサリアムがビットコインを上回るパフォーマンスを示すかが注目されます。
その他重要トピック──ミームコイン60%下落・プーチン発言ザポリージャBTCマイニング・BNB Fermiフォーク・トークン化コモディティ40億ドル・AIバブル崩壊リスク
ミームコイン市場が2025年に60%下落し、トランプ氏による独自暗号資産「TRUMP」発行から始まった激動の一年が終わろうとしています。プーチン大統領が、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所でビットコインマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べました。BNBチェーン(BNB Chain)が2026年1月14日にFermi(フェルミ)ハードフォークを実施し、ブロック間隔を短縮します。
その他重要トピックの詳細は以下の通りです。第一に、ミームコイン60%下落です。ミームコイン市場は2025年に60%下落しました。2025年初頭、ミームコイン市場の時価総額は約1,000億ドル(約15.5兆円)でした。2025年末には約400億ドル(約6.2兆円)まで減少しています。60%の下落です。2025年のミームコイン市場の主なイベントは以下の通りです。(1)トランプ氏「TRUMP」発行:2025年1月、トランプ大統領が独自の暗号資産「TRUMP」を発行しました。話題を呼びましたが、価格は大幅に下落しています。(2)ドージコインETF誕生:ドージコイン(DOGE)ETFが米国で承認されました。ただし、資金流入は限定的でした。(3)投機熱の冷却:ミームコインへの投機熱が冷却し、投資家がビットコインやイーサリアムなど主要通貨に資金を移動しました。前々日報道の通り、Wintermuteの分析では、BTCとETHへの資金集中が加速しています。ミームコイン市場の下落は、以下の要因によるものです。(1)実用性の欠如:ミームコインは、ジョークやミームをベースにしており、実用性がありません。(2)投機的な性格:価格が急騰・急落しやすく、リスクが高いです。(3)規制強化:各国で規制が強化され、ミームコインが取り締まりの対象となっています。(4)市場の成熟:暗号資産市場が成熟し、投資家が実用性のあるプロジェクトに資金を振り向けています。
第二に、プーチン発言:ザポリージャBTCマイニングです。プーチン大統領は、ウクライナにあるザポリージャ原子力発電所で暗号資産のマイニングを行うことに米政府が関心を持っていると述べました。今後の和平交渉に注目が集まります。ザポリージャ原子力発電所は、ヨーロッパ最大の原子力発電所です。現在、ロシアが占領しています。ウクライナとロシアの紛争地域にあります。プーチン大統領の発言の意図は不明ですが、以下の可能性があります。(1)和平交渉の材料:米国との和平交渉において、ザポリージャ原発でのマイニングを交渉材料として提示している可能性があります。(2)経済的利益:原発の余剰電力を活用して、ビットコインマイニングを行い、経済的利益を得る計画がある可能性があります。(3)政治的メッセージ:米国が暗号資産に関心を持っていることを強調し、政治的メッセージを発信している可能性があります。ただし、この発言の真偽は不明です。米国政府は、公式にはコメントしていません。和平交渉の進展に注目が集まります。
第三に、BNB Fermiハードフォークです。BNBチェーンが2026年1月14日にFermi(フェルミ)ハードフォークを実施します。ブロック間隔を750ミリ秒から450ミリ秒に短縮し、時間依存型アプリケーションへの対応を強化する予定です。ブロック間隔とは、新しいブロックが生成される間隔です。現在、BNBチェーンは750ミリ秒(0.75秒)ごとに新しいブロックを生成しています。Fermiフォーク後は、450ミリ秒(0.45秒)に短縮されます。約40%の高速化です。ブロック間隔短縮のメリットは以下の通りです。(1)トランザクション処理速度の向上:より多くのトランザクションを短時間で処理できます。(2)時間依存型アプリケーションへの対応:ゲーム、DeFi、NFTなど、リアルタイム性が求められるアプリケーションに対応できます。(3)ユーザー体験の改善:トランザクションの確認時間が短くなり、ユーザー体験が改善されます。BNBチェーンは、バイナンスが運営するブロックチェーンで、世界最大のDApp(分散型アプリケーション)エコシステムの一つです。Fermiフォークにより、さらに競争力が高まります。
第四に、トークン化コモディティ40億ドル接近です。ブロックチェーンベースのトークン化コモディティ(商品)市場が、世界の主要貴金属が相次いで過去最高値を更新したのを受け、40億ドル(約6,200億円)の節目に近づいています。トークン化コモディティとは、金、銀、プラチナなどの貴金属をブロックチェーン上でトークン化したものです。1トークン = 1グラムの金、などの形で発行されます。トークン化のメリットは以下の通りです。(1)少額投資:従来、金は数十万円単位での投資が必要でしたが、トークン化により数千円から投資できます。(2)即時決済:ブロックチェーン上で即時に決済が完了します。(3)24時間365日取引:いつでも取引できます。(4)透明性:ブロックチェーン上で取引が記録され、透明性が高いです。前々日報道の通り、金と銀が最高値を更新しています。金の最高値更新により、トークン化ゴールド(金のトークン)への投資が増加しています。トークン化コモディティ市場は、40億ドルに近づいており、今後さらに拡大する見込みです。前日報道のパンテラ・キャピタル(Pantera Capital)2026年予測では、トークン化ゴールドがRWA(現実資産)の主役になると予測されています。
第五に、AIバブル崩壊リスクです。AIに対する過度な楽観論を背景に、世界の株式市場が再びバブル局面に入りつつあるとの懸念が強まっています。このバブルが2026年に崩壊した場合、ビットコイン(BTC)や暗号資産市場全体が最初に影響を受ける可能性があります。AIバブルとは、AI関連企業の株価が実態以上に高騰している状態です。エヌビディア(NVIDIA)、マイクロソフト(Microsoft)、グーグル(Google)などのAI関連企業の株価が急騰しています。AIの実用化が期待されていますが、収益化には時間がかかる可能性があります。過度な期待が剥がれると、株価が暴落するリスクがあります。AIバブルが崩壊すると、以下の影響があります。(1)株式市場の暴落:AI関連企業を中心に、株価が暴落します。(2)リスクオフ:投資家がリスク資産から撤退します。暗号資産も売却されます。(3)暗号資産市場への波及:ビットコインや暗号資産全体が下落します。前日報道の通り、「ビットコインにとって最大のリスク」と指摘されています。投資家は、AIバブル崩壊リスクを念頭に置き、リスク管理を徹底する必要があります。
第六に、その他のトピックです。(1)アーサー・ヘイズDeFi買い増し:著名投資家アーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏が185万ドル(約2.9億円)のLDO(Lido DAO)トークンと97.3万ドル(約1.5億円)相当PENDLE(Pendle)トークンを追加購入しました。イーサリアムを売却して割安なDeFiトークンへの買い増しを加速しています。(2)ジーキャッシュシールドプール23%安定:暗号資産ジーキャッシュ(Zcash、ZEC)のシールドプール(プライバシー保護機能を持つプール)供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定しています。プライバシー採用指標は依然として安定しており、プライバシー保護取引への持続的な関心を示しています。(3)米政府1月末閉鎖可能性:米政府が1月末に再び閉鎖される可能性が浮上しました。再び発生すれば、1月に審議入りが予定されている最重要な暗号資産市場構造法案(CLARITY法案など)の議決がさらに延期されてしまいます。(4)ビットメインマイニング機器値下げ:PoW(Proof of Work)型暗号資産のマイニングに用いられるASIC(特定用途向け集積回路)の最大手メーカーであるビットメイン(Bitmain)が、マイニング業界全体の混乱を背景に、複数世代のマイニング機器の価格を大幅に引き下げたと報じられています。マイニング業界の収益環境悪化を示しています。(5)AI生成コンテンツとブロックチェーン:AI生成コンテンツの氾濫に対し、ブロックチェーンが何が「本物」かを証明できるかという議論が活発化しています。ブロックチェーンの改ざん耐性を活用し、コンテンツの真正性を証明する試みが進んでいます。
おわりに
2025年12月27日、日本の暗号資産市場で歴史的な政策詳細が明らかになりました。金融庁が2026年度税制改正の資料を公開し、暗号資産取引を総合課税55%から申告分離課税20%へ変更することに加えて、ETF解禁や繰越控除などの詳細が明示されています。投資信託及び特定受益証券発行信託が暗号資産に投資できるようになり、日本でもビットコイン現物ETFなどが組成可能となります。繰越控除の導入により、損失を翌年以降3年間繰り越せるようになり、税務上の公平性が大幅に改善されます。2028年から施行され、日本の暗号資産投資環境が劇的に改善されます。前々日報道のビットバンク調査では、税制改正で約5割が投資拡大を検討しており、市場規模が大幅に拡大する見込みです。
セキュリティ面では、CZ氏がTrust Walletのハッキング被害について10億円以上の全額補償を表明しました。ブラウザ拡張機能の脆弱性が原因で、内部関係者の関与が疑われていますが、CZ氏の迅速な対応により被害者が救済されます。ハッキング発生から約2日で全額補償を表明したことは極めて迅速で、業界のスタンダードを設定する動きです。バイナンスグループの信頼回復に繋がる可能性があります。
日本企業では、KLabがビットコインとゴールドの購入を開始し、AIを活用した市場分析レポート「岐路に立つBTC」の不定期発刊も開始しました。メタプラネット、TORICO、ANAP、HODL 1に続き、KLabも情報発信を強化しています。日本企業の暗号資産投資が、単なる財務戦略から業界への貢献へと進化しています。
イーサリアム市場では、2026年の強気予測が相次いでいます。トム・リー氏が7,000~9,000ドル到達を予測し、シャープリンクCEOがTVL 10倍増加を予測しています。イーサリアムは2026年に2つの大型アップグレード(Glamsterdam、Hegota)を計画しており、並列処理とプライバシー機能強化が予定されています。トークン化、DeFi、RWAの中心プラットフォームとして、金融インフラとしての地位が確立されつつあります。一方、ベンジャミン・コーウェン氏は最高値更新は困難と予測しており、見解が分かれています。
その他、ミームコイン市場が60%下落し、投機熱が冷却しています。プーチン大統領がザポリージャ原発でのビットコインマイニングに言及し、和平交渉の材料となる可能性があります。BNBチェーンがFermiハードフォークでブロック間隔を短縮し、トークン化コモディティ市場が40億ドルに接近しています。AIバブル崩壊リスクが暗号資産市場の最大のリスクとして指摘されています。
市場は、金融庁の税制改正詳細公開という歴史的な光明と、AIバブル崩壊リスクという暗雲が交錯する状況です。2028年の税制改正施行により、日本の暗号資産市場は大きく変わる可能性があります。投資家は、約2年間の準備期間に暗号資産の知識を深め、投資戦略を立てることが重要です。同時に、AIバブル崩壊リスク、セキュリティリスクなどに警戒し、リスク管理を徹底する必要があります。短期的な価格変動に一喜一憂せず、ファンダメンタルに基づいた長期的な視点を持ち、余裕資金の範囲内で投資を行ってください。2026年は日本の暗号資産市場にとって転換の年となる可能性があります。良い年末年始をお過ごしください。
