2025年調整局面、過去の『冬』と決定的相違──TORICO株1週間で3倍、ガーナ合法化・ETF流出続く【12月24日暗号資産市場まとめ】

メリークリスマス。2025年12月24日、暗号資産市場は調整局面を迎えていますが、過去2度の「暗号資産の冬」とは決定的に異なる状況が明らかになっています。2018年と2022年の弱気相場では、規制の不透明感、詐欺プロジェクトの破綻(ICOバブル崩壊、FTX破綻)、機関投資家の撤退が同時発生しました。しかし2025年後半の調整局面では、トランプ政権の暗号資産支援、ビットコイン現物ETFの普及、規制整備が同時進行しており、従来の4年サイクルが崩れる可能性も指摘されています。大手マーケットメーカーWintermute(ウィンターミュート)の分析によると、機関投資家は夏以降一貫して買い圧力を維持し、個人投資家もアルトコインから主要通貨(BTC・ETH)へローテーションを開始しています。

日本では、TORICO(東証グロース上場)の株価が記録的な高騰を続けています。12月17日の140円から12月24日現在418円へ上昇し、わずか1週間で約3倍となりました。イーサリアム財務戦略の発表が好感され、連日のストップ高を記録しています。メタプラネットも臨時株主総会での議案承認を受けて株価が26%急騰し、回復基調を強めています。日本では、銀行・証券・暗号資産交換業が業態横断で結集する新団体「日本デジタル分散型金融協会(JDFA)」が設立されました。

国際的には、ガーナ議会が暗号資産取引を正式に合法化し、2024年の取引高は4,700億円(約30億ドル)規模に達しています。一方、フィリピン当局はコインベース(Coinbase)とジェミナイ(Gemini)へのアクセスを遮断し、ライセンス規制を強化しました。ロシア中央銀行は包括的な暗号資産規制案を発表し、政府に審議を求めています。

ETF市場では、ビットコインとイーサリアムのETFから資金流出が続き、機関投資家の一時的な撤退を示唆しています。一方、ブラックロック(BlackRock)は2025年の3大投資テーマにビットコインETFを選出し、長期的な重要性を強調しています。

本稿では、2025年調整局面の特異性、日本企業躍進、国際規制動向、ETH関連動向、その他重要トピックについて解説します。

目次

2025年調整局面、過去の『冬』と決定的相違──トランプ支援・ETF普及・規制整備が同時進行、4年サイクル崩壊の可能性、BTCとETHへ資金集中加速

2025年後半、暗号資産市場は調整局面を迎えています。しかし過去2度の「暗号資産の冬」(2018年、2022年)とは決定的に異なる状況が明らかになっています。トランプ政権の暗号資産支援、ビットコイン現物ETFの普及、規制整備が同時進行しており、従来の4年サイクルが崩れる可能性も指摘されています。Wintermuteの分析では、BTCとETHへの資金集中が加速しています。

2025年調整局面の特異性の詳細は以下の通りです。第一に、過去2度の「冬」との比較です。2018年の「暗号資産の冬」は、以下の要因で発生しました。(1)ICOバブル崩壊:2017年のICO(Initial Coin Offering)ブームが終焉し、多くの詐欺的プロジェクトが破綻しました。(2)規制の不透明感:各国政府が規制強化に乗り出し、市場に不安が広がりました。(3)機関投資家の撤退:リスクオフで資金が流出しました。(4)価格下落:ビットコインは2017年12月の2万ドル(約310万円)から2018年12月の3,200ドル(約50万円)まで約-84%下落しました。2022年の「暗号資産の冬」は、以下の要因で発生しました。(1)FTX破綻:2022年11月、大手取引所FTXが破綻し、市場に大きな衝撃を与えました。(2)テラUSD(UST)崩壊:2022年5月、アルゴリズム型ステーブルコインUST/LUNAが崩壊しました。(3)金利上昇:FRBの利上げにより、リスク資産から資金が流出しました。(4)価格下落:ビットコインは2021年11月の6万9,000ドル(約1,070万円)から2022年11月の1万6,000ドル(約248万円)まで約-77%下落しました。

第二に、2025年調整局面の特異性です。2025年後半の調整局面は、以下の点で過去と大きく異なります。(1)トランプ政権の暗号資産支援:トランプ大統領は暗号資産推進派として知られており、政権が規制整備を進めています。CFTC新委員長セリグ氏、SEC委員長アトキンス氏が就任し、「ドリームチーム」と称されています。CLARITY法案が2026年1月に審議入りし、規制明確化が進む見込みです。(2)ビットコイン現物ETFの普及:2024年1月にビットコイン現物ETFが承認され、機関投資家の参入が本格化しました。ブラックロックのIBITは年間で約350億ドル(約5.4兆円)の資金流入を記録しました。価格下落局面でも資金流入が継続し、「市場の成熟の証」とされています。(3)規制整備の進展:日本では税制改正大綱で分離課税20%導入が決定(2028年施行)しました。米国では超党派で暗号資産税制改革案が提出されています。各国で規制が明確化され、投資家保護が強化されています。(4)企業のBTC・ETH財務戦略:ストラテジー、メタプラネット、TORICOなど企業によるビットコイン・イーサリアム投資が継続しています。価格下落局面でも買い増しが行われています。

第三に、従来の4年サイクルが崩れる可能性です。ビットコインは過去、半減期(約4年ごと)を起点に、上昇→ピーク→下落→底値というサイクルを繰り返してきました。しかし、以下の理由で従来のサイクルが通用しない可能性があります。(1)ETFの影響:機関投資家の長期保有により、価格変動が緩和されています。(2)企業の財務戦略:企業が継続的に買い増しを行うため、需給が安定しています。(3)規制整備:規制が明確化され、投機的な動きが減少しています。(4)市場の成熟:過去のような極端な暴騰・暴落が減少し、より安定した成長が期待されます。一部アナリストは「4年サイクルは死んだ(4 year cycle is dead)」と指摘していますが、別のアナリストは「サイクルは継続している」と主張しており、見解が分かれています。

第四に、WintermuteのBTCとETHへ資金集中分析です。大手マーケットメーカーWintermuteの分析によると、暗号資産市場ではビットコインとイーサリアムへの資金集中が加速しています。機関投資家は夏以降一貫して買い圧力を維持しています。個人投資家もアルトコインから主要通貨(BTC・ETH)へローテーション(資金移動)を開始しています。アルトコイン市場は全体的に低迷しており、資金がBTCとETHに集中する「二極化」が進んでいます。これは、以下の理由によるものです。(1)ETFの存在:ビットコインとイーサリアムにはETFがあり、機関投資家が投資しやすいです。(2)流動性:BTCとETHは流動性が高く、大口投資に適しています。(3)規制の明確性:主要通貨は規制が比較的明確です。(4)リスク回避:アルトコインはボラティリティが高く、リスク回避の動きでBTC・ETHへ資金が流れています。

第五に、年末調整局面への見方です。ビットコイン起業家のアンソニー・ポンプリアーノ(Anthony Pompliano)氏は、年末に目立った価格ラリー(上昇)が起きなかったことが、来年第1四半期の大幅な暴落を防ぐ要因になる可能性があると指摘しました。過去、年末に急騰した後、翌年第1四半期に急落するパターンがありました。2025年は年末ラリーが不発に終わったため、過熱感がなく、2026年第1四半期の暴落リスクが低いとの見方です。ただし、市場は引き続き不安定であり、流動性の低下(年末年始の休暇シーズン)により、急変動のリスクがあります。

第六に、2026年の展望です。2025年の調整局面を乗り越えれば、2026年は以下の要因により市場が回復する可能性があります。(1)CLARITY法案成立による規制明確化。(2)日本の税制改正(2028年施行)への期待。(3)企業のBTC・ETH財務戦略継続。(4)機関投資家の本格参入。(5)半減期効果(2024年4月実施)の顕在化。一方、Fidelity(フィデリティ)のティマー氏は2026年を「冬」と予測しており、強気派と弱気派で見解が分かれています。

日本企業躍進:TORICO株1週間で3倍・メタプラネット急騰──イーサリアム戦略で418円到達、臨時総会後26%上昇、JDFA設立で業態横断・ANAP参入

日本企業による暗号資産戦略が市場から高い評価を受けています。TORICO(東証グロース上場)の株価が記録的な高騰を続け、わずか1週間で約3倍となりました。メタプラネットも臨時株主総会での議案承認を受けて株価が26%急騰しています。銀行・証券・暗号資産交換業が業態横断で結集する新団体「日本デジタル分散型金融協会(JDFA)」が設立されました。

日本企業動向の詳細は以下の通りです。第一に、TORICO株1週間で3倍です。株式会社TORICO(7138、東証グロース上場、漫画全巻ドットコム運営)の株価が記録的な高騰を続けています。12月17日時点では140円で推移していた株価は、翌18日には190円まで上昇しました。その後も勢いを維持し、12月24日現在は418円をつける展開となりました。これはわずか1週間で約3倍(+198%)という驚異的な上昇率です。TORICOは、12月17日にイーサリアム投資事業を専門とする完全子会社「株式会社TORICO Ethereum」の設立を決議したことが好感されました。「日本No.1イーサリアム投資運用企業」を目指すと表明し、Web3起業家の國光宏尚氏がアドバイザーに就任しています。ホリエモン(堀江貴文氏)も評価し、國光氏のファンドを通じて投資に関与していることを明らかにしました。連日のストップ高を記録し、「第2のメタプラネット」として市場から注目されています。

第二に、TORICOのイーサリアム戦略の特徴です。TORICOがビットコインではなくイーサリアムを選択した理由は、以下の通りです。(1)Web3・NFT事業との親和性:TORICOは漫画・コンテンツ事業を展開しており、NFT(非代替性トークン)との親和性が高いです。イーサリアムはNFTの主要プラットフォームです。(2)ステーキング収益:イーサリアムは保有するだけでステーキング報酬(年利約3-5%)を得られます。(3)スマートコントラクト:イーサリアムのスマートコントラクト機能を活用し、新しいビジネスモデルを構築できます。(4)DeFi活用:イーサリアムはDeFi(分散型金融)の中心であり、レンディング(貸付)やイールドファーミング(利回り獲得)などで運用益を得られます。TORICOの戦略は、ビットコイン財務戦略とは異なる独自のアプローチです。ビットコイン(デジタルゴールド)とイーサリアム(Web3プラットフォーム)の両方に日本企業が投資することで、暗号資産市場の多様化が進んでいます。

第三に、メタプラネット株26%急騰です。メタプラネットの株価が回復基調を強めています。直近5日間で13%、過去1ヶ月間では26%の上昇を記録しています。この株価高騰の背景には、12月22日に開催された臨時株主総会において会社側が提案した全議案が承認されたことがあります。212億円(約1.37億ドル)の資金調達が可決され、21万BTC(約187億ドル、約2.9兆円)取得計画の推進が決定しました。ノルウェーの政府系ファンド(ノルゲ銀行投資運用会社)も支持を表明しており、国際的な信任を得ています。メタプラネットは現在約1,700BTC(約1.5億ドル、約232億円)を保有していますが、今回の調達により約3,100BTCへ拡大する見込みです。サイモン・ゲロヴィッチ(Simon Gerovich)CEOは、今後の「沈黙」を破る動きが期待されています。メタプラネットは、米国で新ティッカー「MPJPY」を始動させ、国際展開を加速させています。

第四に、日本デジタル分散型金融協会(JDFA)設立です。12月24日、銀行、証券、暗号資産交換業といった異なる業態が参画する新団体「日本デジタル分散型金融協会(JDFA、Japan Digital Finance Association)」が設立されました。伝統的な金融機関と暗号資産領域の事業者が業態を横断して結集する画期的な組織です。JDFAの目的は、以下の通りです。(1)業態横断の連携:銀行、証券、暗号資産交換業が協力し、デジタル金融の発展を促進します。(2)規制対応:政府・金融庁と連携し、適切な規制枠組みを構築します。(3)技術標準の策定:ブロックチェーン技術の標準化を進めます。(4)投資家保護:利用者保護の仕組みを整備します。(5)国際連携:海外の同様の組織と協力し、グローバルスタンダードを形成します。JDFAの設立は、日本の暗号資産市場が成熟し、業界全体で協力する体制が整ったことを示しています。

第五に、ANAP参入です。東証スタンダード上場のANAPホールディングスは、企業によるビットコイン活用を進めており、CoinDesk JAPANにブランドチャンネルを開設しました。「企業のビットコイン活用」を紐解く情報発信を行います。ANAPは、企業戦略の現在地を発信し、ビットコインを軸にした経営戦略を展開しています。日本企業によるビットコイン・イーサリアム投資が、メタプラネット、TORICO、エスクリプトエナジー(旧エス・サイエンス)、Def consulting、ANAPと広がっています。税制改正(分離課税20%、2028年施行)が実現すれば、さらに多くの企業が参入する見込みです。

国際規制動向:ガーナ合法化4,700億円規模・フィリピン遮断・ロシア規制案──アフリカ300万人利用、コインベース・ジェミナイ遮断、適格投資家以外も購入可能へ

国際的に暗号資産規制の整備が進んでいます。ガーナ議会が暗号資産取引を正式に合法化し、2024年の取引高は4,700億円(約30億ドル)規模に達しています。フィリピン当局はコインベースとジェミナイへのアクセスを遮断し、ライセンス規制を強化しました。ロシア中央銀行は包括的な暗号資産規制案を発表し、適格投資家以外の購入も認める提案を行いました。

国際規制動向の詳細は以下の通りです。第一に、ガーナ合法化4,700億円規模です。アフリカのガーナ議会が暗号資産サービスプロバイダー法案を可決し、約300万人が利用する暗号資産取引を正式に合法化しました。中央銀行がライセンス発行・監督を担当します。2024年の取引高は4,700億円(約30億ドル)規模です。個人の取引を保護しつつ、事業者には厳格な規制を適用する新たな枠組みが整備されました。ガーナの暗号資産合法化は、アフリカ大陸での暗号資産普及を加速させる重要な動きです。アフリカでは、以下の理由で暗号資産が普及しています。(1)送金手数料の削減:アフリカから海外への送金手数料は高額(平均約8%)ですが、暗号資産を使えば大幅に削減できます。(2)金融包摂:銀行口座を持たない人々(アンバンクト)が多く、暗号資産が金融サービスへのアクセスを提供します。(3)インフレ対策:一部の国では自国通貨のインフレが深刻で、暗号資産が価値保存手段として利用されています。ガーナに続き、他のアフリカ諸国(ナイジェリア、南アフリカ、ケニアなど)でも規制整備が進む見込みです。

第二に、フィリピン遮断です。フィリピンのインターネットサービスプロバイダー(ISP)は、暗号資産サービス事業者に対するライセンス制度の執行強化を受け、主要な暗号資産取引プラットフォームへのアクセス遮断を開始しました。コインベース(Coinbase)とジェミナイ(Gemini)が遮断対象となっています。フィリピンでは、暗号資産サービス事業者(VASP、Virtual Asset Service Provider)として営業するには、中央銀行(BSP、Bangko Sentral ng Pilipinas)からライセンスを取得する必要があります。コインベースとジェミナイは、フィリピンでライセンスを取得していないため、アクセスが遮断されました。フィリピンの規制強化は、以下の背景があります。(1)投資家保護:無登録業者による詐欺や不正行為を防ぐ。(2)マネーロンダリング対策:資金洗浄やテロ資金調達を防ぐ。(3)市場の健全性確保:登録業者のみが営業できる環境を整備する。日本でもBybitが撤退(前週報道)しており、各国で無登録業者の取り締まりが強化されています。

第三に、ロシア規制案です。ロシア中央銀行(Bank of Russia)は2025年12月23日、暗号資産に関する新たな規制提案を正式に発表し、ロシア政府に審議を求めて提出しました。包括的な暗号資産規制案で、以下の内容が含まれます。(1)適格投資家以外の暗号資産購入を認可:これまでロシアでは、適格投資家(富裕層や機関投資家)のみが暗号資産を購入できましたが、一般投資家にも開放する提案です。(2)ライセンス制度:暗号資産取引所、カストディ業者などにライセンス取得を義務付けます。(3)マネーロンダリング対策:KYC(本人確認)を徹底し、資金洗浄を防ぎます。(4)税制:暗号資産取引に対する課税ルールを明確化します。ロシアは、ウクライナ侵攻後の経済制裁を受け、暗号資産の活用を検討しています。国際送金手段として暗号資産を利用する動きがあります。中央銀行は慎重な姿勢を維持しつつ、規制整備を進めています。

第四に、米アリゾナ州免税法案です。米国アリゾナ州で暗号資産を州税から免除する法案が提出されました。連邦レベルでは、200ドル(約3.1万円)未満のステーブルコイン取引を非課税とする超党派法案の草案が発表されています(前週報道)。米国では、州レベルでも暗号資産に友好的な政策が進んでいます。アリゾナ州の免税法案が成立すれば、他の州も追随する可能性があります。暗号資産を日常決済に使いやすくする環境が整備されつつあります。

ETH関連動向:トレンド・リサーチ58万ETH保有・イーサナUSDeが83億ドル減少──4万6,379ETH追加で上場企業最大級、Fusakaアップグレード後バリデーター7,000減少も強気材料

イーサリアム関連では、トレンド・リサーチ(Trend Research)が水曜日に4万6,379ETH(約1.37億ドル、約212億円)を追加購入し、保有量を約58万ETH(約17億ドル、約2,635億円、1ETH=2,930ドルで計算)に引き上げました。一方、イーサナ(Ethena)の合成型ステーブルコインUSDeは10月の暴落以降、時価総額が83億ドル(約1兆2,865億円)減少し、投資家がレバレッジ型モデルから後退しています。

ETH関連動向の詳細は以下の通りです。第一に、トレンド・リサーチ58万ETH保有です。トレンド・リサーチは水曜日、イーサリアムを4万6,379ETH(約1.37億ドル、約212億円、1ETH=2,960ドルで計算)購入し、保有量を約58万ETH(約17億ドル、約2,635億円)に引き上げました。これは、コインゲッコー(CoinGecko)が追跡する上場イーサリアム保有企業の大半を上回る規模となります。トレンド・リサーチは、イーサリアムを中核資産として保有するトレジャリー企業です。TORICOやビットマイン(Bitmine、前日報道で400万ETH保有)と同様に、イーサリアム財務戦略を推進しています。58万ETHという保有量は、上場企業としては最大級の規模です。イーサリアムへの強い信念を示しています。トレンド・リサーチの積極的な買い増しは、イーサリアムの将来性への期待を反映しています。企業によるイーサリアム投資が、ビットコインと同様に拡大しつつあります。

第二に、イーサナUSDeが83億ドル減少です。イーサナの合成型ステーブルコインUSDeは、10月10日の暴落以降、時価総額がほぼ半減しました。10月初旬には約150億ドル(約2兆3,250億円)だった時価総額が、現在は約67億ドル(約1兆385億円)まで減少しています。約83億ドル(約1兆2,865億円)の減少です。投資家がレバレッジ型および合成担保モデルから後退しています。USDeは、暗号資産を担保にデリバティブ取引を行うことで利回りを生み出す合成型ステーブルコインです。高利回り(年利20%超)を提供していましたが、リスクも高いです。10月10日の市場暴落(トランプ関税ショックとバイナンス技術障害が重なった大規模ロスカット)により、USDe保有者がリスクを懸念し、償還(ステーブルコインを米ドルに戻す)を進めました。信頼低下により、時価総額が大幅に減少しました。USDeの減少は、投資家がリスクの高いレバレッジ型商品から、より安全な資産へ移行していることを示しています。

第三に、イーサリアムFusakaアップグレード後バリデーター減少も強気材料です。12月3日に実施されたイーサリアムブロックチェーンのアップグレード「Fusaka(フサカ)」は、処理能力とトランザクション性能を引き上げました。しかし、ステーキングに参加するバリデーター(検証者)の数が約7,000減少しました。一見するとネガティブに見えますが、CoinDesk Japanの分析によれば、価格には強気材料の可能性があります。バリデーター減少の理由は、以下が考えられます。(1)報酬率の低下:バリデーターが増えすぎると、1人あたりのステーキング報酬が減少します。採算が合わないバリデーターが撤退しました。(2)効率化:一部の大規模バリデーターが複数のバリデーターを統合し、効率化を図りました。(3)技術的な調整:Fusakaアップグレードに対応できないバリデーターが一時的に撤退しました。バリデーター減少が強気材料となる理由は、以下の通りです。(1)供給減少:バリデーターが減少すると、ステーキングされるETHの量が減り、市場での流通量が増える可能性があります。ただし、これは短期的な影響です。(2)報酬率の向上:バリデーター数が減ると、残ったバリデーターの報酬率が上昇し、ステーキングの魅力が高まります。新たなバリデーターが参入しやすくなります。(3)ネットワークの効率化:非効率なバリデーターが撤退することで、ネットワーク全体の効率が向上します。

第四に、その他のETH関連動向です。(1)イーサリアムとビットコインのETFから資金流出続く:グラスノード(Glassnode)の分析によると、ビットコインおよびイーサリアムの上場投資信託(ETF)では資金流出が長期化しており、機関投資家が暗号資産市場から一時的に距離を置いている状況がうかがえます。短期的な調整局面での一時的な撤退と見られています。(2)ブラックロック、ビットコインETFを2025年の3大投資テーマに選出:前日報道の通り、ブラックロックは2025年の3大投資テーマにビットコインETFを選出しました。イーサリアムETFも今後重要性が高まる可能性があります。

その他重要トピック──IMFがチボ売却協議・DTCCが米国債トークン化・BTC流動性枯渇・Aave運営権争い・資さんうどんPayPay停止でJPYC注目

IMFがエルサルバドル政府運営のビットコインウォレット「チボ(Chivo)」売却を協議中であることを明らかにしました。DTCCが米国債のトークン化でDigital Assetと提携し、Canton Network上で発行します。ビットコインの流動性が枯渇し、わずかな売りでも急落の危機が指摘されています。Aaveでは運営権争いによりトークンが20%急落しました。日本では資さんうどんがPayPay停止し、JPYCに注目が集まっています。

その他重要トピックの詳細は以下の通りです。第一に、IMFチボ売却協議です。IMF(国際通貨基金)は12月23日、エルサルバドルに対する40カ月間の拡大信用供与措置(EFF)の第2回レビュー報告を発表しました。報告では、エルサルバドル政府運営のビットコインウォレット「チボ(Chivo)」の売却に向けた交渉が「かなり進展している」と述べています。エルサルバドルは2021年9月、世界で初めてビットコインを法定通貨として採用しました。ナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領が推進し、政府はチボウォレットを開発・提供しました。しかし、IMFはビットコインの法定通貨化に反対しており、融資の条件としてビットコイン関連事業の縮小を求めています。ブケレ大統領は「政府はビットコインの購入を止めない」と主張していますが、IMFとの交渉でチボウォレットの売却を検討しているようです。エルサルバドルのビットコイン戦略は、国際的な注目を集めていますが、IMFとの関係で困難に直面しています。

第二に、DTCC米国債トークン化です。世界中の金融機関に対してポストトレード業務のマーケットインフラを提供するDTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)が、米国債のトークン化でDigital Asset(デジタル・アセット)と提携しました。Canton Network(カントン・ネットワーク)上で発行します。DTCCは、米国の証券決済を担う巨大インフラ企業です。年間約2.5京ドル(約3.9京円、2,500兆ドル)の取引を処理しています。DTCCが米国債のトークン化に乗り出すことは、従来の金融システムがブロックチェーン技術を本格採用することを意味します。トークン化米国債は、前日報道の通り2024年以降50倍に急拡大し、現在70億ドル(約1,085億円)市場となっています。DTCCの参入により、市場規模がさらに拡大する見込みです。Canton Networkは、Digital Assetが開発したプライベートブロックチェーンで、金融機関向けに最適化されています。

第三に、BTC流動性枯渇です。10月以降、暗号資産市場は不安定な状態が続いています。10月10日に発生した歴史的な清算イベント(トランプ関税ショックとバイナンス技術障害が重なった大規模ロスカット)を経て、市場は流動性が枯渇しレバレッジが著しく低下した新たな局面へと移行しました。トレーダーの間で囁かれる「市場の変質」は、少量の売り注文でも価格が大きく下落するリスクを示唆しています。流動性枯渇の要因は、以下の通りです。(1)レバレッジ削減:10月の大規模ロスカット後、投資家がレバレッジを削減しました。(2)機関投資家の一時撤退:ETFからの資金流出が続いています。(3)年末の流動性低下:年末年始の休暇シーズンで市場参加者が減少しています。流動性が低いと、少量の売買でも価格が大きく変動します。わずかな売りでも急落の危機があります。投資家は慎重な姿勢を維持する必要があります。

第四に、Aave運営権争いで20%急落です。分散型レンディングプラットフォームとして最大規模を誇るAave(アーヴェ)において、プロトコルの管理権限を巡る内部対立が激化し、これを受けてトークン価格が過去1週間で約20%下落する事態となっています。520億ドル(約8兆600億円)規模の資産を有するAaveで、ガバナンス(運営方針の決定)を巡る対立が発生しました。創業者のスタニ・クレチョフ(Stani Kulechov)氏と、一部のコミュニティメンバーが対立しています。対立の焦点は、手数料収入の配分、新機能の実装方針などです。運営権争いが激化すると、プロトコルの将来性に不安が生じ、トークン価格が下落します。Aaveは、DeFi(分散型金融)を代表するプロジェクトですが、分散型ガバナンスの難しさを露呈しています。

第五に、資さんうどんPayPay停止でJPYC注目です。北九州発祥の人気うどんチェーン「資さんうどん」が、国内シェア首位のコード決済サービス「PayPay(ペイペイ)」の取り扱いを停止し波紋を呼んでいます。この決断の背景には、数%の決済手数料が外食産業の薄い利益を圧迫するという構造的な課題があります。資さんうどんは、PayPayの決済手数料(約3%)が経営を圧迫するため、取り扱いを停止しました。代わりに、手数料が低い(またはゼロの)決済手段を模索しています。この動きを受けて、日本円ステーブルコイン「JPYC」に注目が集まっています。JPYCは、以下の特徴があります。(1)手数料ゼロ:送金手数料が無料(ブロックチェーンのガス代のみ)です。(2)即時決済:リアルタイムで決済が完了します。(3)円建て:価値が安定しており、事業者が導入しやすいです。資さんうどんがJPYCを導入するかは不明ですが、決済手数料の課題を解決する手段として注目されています。JPYCは前日報道の通り、実質流通量が3.6億円へ急伸し、10日間で20%増加しています。企業導入が進めば、さらに普及が加速する見込みです。

おわりに

2025年12月24日、暗号資産市場は調整局面を迎えていますが、過去2度の「暗号資産の冬」(2018年、2022年)とは決定的に異なる状況が明らかになっています。トランプ政権の暗号資産支援、ビットコイン現物ETFの普及、規制整備が同時進行しており、従来の4年サイクルが崩れる可能性も指摘されています。Wintermuteの分析では、機関投資家は夏以降一貫して買い圧力を維持し、個人投資家もアルトコインからBTC・ETHへローテーションを開始しています。過去の「冬」では規制の不透明感、詐欺プロジェクトの破綻、機関投資家の撤退が同時発生しましたが、2025年は真逆の状況です。ポンプリアーノ氏は、年末ラリー不発が2026年第1四半期の暴落を防ぐ要因になる可能性を指摘しました。

日本では、TORICOの株価が記録的な高騰を続け、わずか1週間で約3倍(140円→418円)となりました。イーサリアム財務戦略の発表が好感され、ホリエモンも評価しています。メタプラネットも臨時株主総会での議案承認を受けて株価が26%急騰し、212億円調達が可決されました。日本デジタル分散型金融協会(JDFA)が設立され、銀行・証券・暗号資産交換業が業態横断で結集する体制が整いました。ANAPもビットコイン活用を進め、CoinDesk JAPANにブランドチャンネルを開設しています。日本企業による暗号資産投資が、ビットコインからイーサリアムへと多様化し、市場が成熟しつつあります。

国際的には、ガーナが暗号資産取引を正式に合法化し、2024年の取引高は4,700億円規模に達しています。アフリカでの普及が加速する見込みです。一方、フィリピンはコインベースとジェミナイへのアクセスを遮断し、ライセンス規制を強化しました。ロシア中央銀行は包括的な暗号資産規制案を発表し、適格投資家以外の購入も認める提案を行いました。各国で規制整備が進み、市場の健全性が向上しつつあります。

ETH関連では、トレンド・リサーチが4万6,379ETHを追加購入し、保有量を58万ETH(約17億ドル)に引き上げました。上場企業としては最大級の規模です。一方、イーサナのUSDeは10月暴落以降83億ドル減少し、投資家がレバレッジ型モデルから後退しています。イーサリアムFusakaアップグレード後、バリデーターが7,000減少しましたが、価格には強気材料の可能性があります。

その他、IMFがエルサルバドル政府のチボウォレット売却を協議中であることが明らかになり、DTCCが米国債トークン化でDigital Assetと提携しました。ビットコインの流動性が枯渇し、わずかな売りでも急落の危機が指摘されています。Aaveでは運営権争いによりトークンが20%急落し、資さんうどんがPayPay停止を決断したことでJPYCに注目が集まっています。

市場は、過去の「冬」とは異なる新しい局面に入っています。規制整備、ETF普及、企業の財務戦略、政府支援という4つの追い風が同時進行しています。短期的には流動性枯渇と年末調整に警戒が必要ですが、長期的には市場の成熟化が進んでいます。日本企業による暗号資産投資の多様化(ビットコイン+イーサリアム)は、市場の健全な発展を示しています。投資家は、短期的な価格変動に一喜一憂せず、ファンダメンタルに基づいた長期的な視点を持つことが重要です。リスク管理を徹底し、余裕資金の範囲内で投資を行ってください。良いクリスマスをお過ごしください。

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