【スクープ】暗号資産分離課税施行『2028年1月』か──金融庁ステーブルコイン50%国債運用解禁、片山さつき財務大臣『未来は非常に明るい』。エスクリプトエナジー2日連続ストップ高、JPYC累計発行5億円突破。BTC急落『日銀とAI株が背景』6億ドル清算、XRP ETF累計10億ドル流入──【12月17日暗号資産市場まとめ】

2025年12月17日、日本の暗号資産業界に重大なニュースが飛び込みました。国内の暗号資産税制の焦点となっている「申告分離課税」への移行時期について、2028年1月からの施行案が浮上していることがCoinDesk JAPANのスクープにより明らかになりました。政界関係者が明かしたもので、当初予想された2027年施行から1年遅れる可能性が出てきました。これは暗号資産投資家にとって極めて重要な情報であり、税制改正の具体的なスケジュールが初めて示されたことになります。

金融庁は12月16日、2025年6月に成立した改正資金決済法の施行に向けて、政令・内閣府令案を公表しました。ステーブルコイン発行者に50%までの国債運用を解禁する方針で、2026年6月施行を目指しています。片山さつき氏はN.Avenue Clubのイベントで、Web3・暗号資産の「未来は非常に明るい」と発言し、ガバナンスの重要性を強調しました。

日本企業では、エス・サイエンス(S Science、エスクリプトエナジー)が2日連続のストップ高となり、一時241円を記録しました。12月15日に発表した株主割当による新株予約権の無償発行および暗号資産への投資枠拡大が好材料となっています。JPYC(JPY Coin)は累計発行額5億円を突破し、口座開設数も1万件に達しました。

市場では、ビットコインが急落し、一時8万5,000ドル(約1,318万円)を割り込みました。日本銀行の利上げ観測とAI株の下落が背景にあるとの分析が出ており、24時間以内に約6億ドル(約930億円)規模のロングポジションが清算されました。XRP現物ETFは累計純流入額10億ドル(約1,550億円)の大台を突破し、上場後1日も資金流出なしという驚異的な記録を継続しています。

本稿では、日本税制・規制動向、日本企業の躍進、市場急落分析、米国規制・金融機関動向、その他重要トピックについて解説します。

目次

【スクープ】暗号資産分離課税施行『2028年1月』か──金融庁ステーブルコイン50%国債運用解禁2026年6月、片山氏『未来は非常に明るい』ガバナンス重要性強調

国内の暗号資産税制の焦点となっている「申告分離課税」への移行時期について、2028年1月からの施行案が浮上していることが17日、明らかになりました。金融庁はステーブルコイン発行者に50%までの国債運用を解禁する方針を示し、片山さつき財務大臣がWeb3・暗号資産の明るい未来を語りました。日本の暗号資産業界にとって歴史的な転換点となる政策が明らかになっています。

日本税制・規制動向の詳細は以下の通りです。第一に、暗号資産分離課税施行は2028年1月かです。CoinDesk JAPANのスクープによると、国内の暗号資産税制の焦点となっている「申告分離課税」への移行時期について、2028年1月からの施行案が浮上していることが17日、わかりました。政界関係者が明かしたもので、当初予想された2027年施行から1年遅れる可能性が出てきました。現行の暗号資産税制は総合課税(雑所得)で、最高税率55%(所得税45%+住民税10%)と非常に高い税率が適用されています。一方、株式やFX(外国為替証拠金取引)は申告分離課税で一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)です。暗号資産も申告分離課税に移行すれば、税負担が大幅に軽減され、投資家の参入が加速すると期待されています。2028年1月施行となれば、2027年分(2028年2月-3月申告)の所得から適用されることになります。当初は2027年施行が期待されていましたが、1年遅れる可能性が出てきたことで、投資家の期待と失望が交錯しています。

第二に、施行時期遅れの背景です。2028年1月施行案が浮上した背景には、以下の理由があると考えられます。(1)法案審議の遅れ:税制改正は通常、年末の税制改正大綱で方針が示され、翌年の通常国会で法案が審議されます。2025年末の税制改正大綱で暗号資産の分離課税が盛り込まれなかったため、2026年末の大綱を待つ必要があります。(2)システム整備の必要性:税務システムの改修や、取引所の対応など、実務面での準備に時間がかかります。(3)政治的調整:財務省や国税庁との調整、与野党間の合意形成に時間を要しています。(4)損益通算・繰越控除の議論:株式と同様に、損失を翌年以降に繰り越せる「繰越控除」や、他の所得との「損益通算」を認めるかどうかの議論が続いています。

第三に、金融庁ステーブルコイン50%国債運用解禁です。金融庁は12月16日、2025年6月に成立した改正資金決済法の施行に向けて、政令・内閣府令案を公表しました。2026年1月19日までパブリックコメントを募集し、2026年6月施行を目指します。注目される内容として、ステーブルコイン発行者に対し、準備資産の50%までを国債で運用することを解禁する方針が示されました。これまでステーブルコイン発行者は、準備資産を銀行預金や短期国債など、極めて安全性の高い資産で保有する必要がありました。50%までの国債運用を認めることで、発行者は運用益を得られるようになり、ステーブルコイン事業の収益性が向上します。一方、国債は価格変動リスクがあるため、投資家保護の観点から50%という上限が設定されました。

第四に、暗号資産・ステーブルコインの仲介業を規制対象にです。金融庁の政令・内閣府令案では、暗号資産・ステーブルコインの仲介業を規制対象とする方針も示されました。仲介業者(アフィリエイトサイト、紹介業者など)は、金融庁への登録が必要になります。これにより、詐欺的な業者を排除し、投資家保護を強化します。仲介業者は、適切な情報提供、リスク説明、苦情処理体制の整備などが義務付けられます。規制強化により、健全な仲介業者のみが市場に残り、投資家の信頼が向上します。

第五に、片山さつき氏「未来は非常に明るい」発言です。片山さつき氏は、N.Avenue Clubの「Year End Party 2025」イベントで、Web3・暗号資産の「未来は非常に明るい」と発言しました。ガバナンス(統治・管理)の重要性を強調し、適切な規制整備により、日本が暗号資産・Web3分野で世界をリードできると訴えました。片山氏は自民党のWeb3プロジェクトチームで重要な役割を果たしており、税制改正や規制整備を推進しています。政治家が明確に「未来は明るい」と発言したことは、日本政府が暗号資産・Web3を成長分野として位置付けている証左です。ガバナンスの重要性を強調したことは、野放しではなく、適切な規制の下で健全に成長させる方針を示しています。

第六に、税制改正の重要性です。暗号資産の分離課税への移行は、日本の暗号資産業界にとって最重要課題です。税率が55%から20%に下がれば、以下の効果が期待されます。(1)個人投資家の参入増加:税負担が軽減され、投資しやすくなります。(2)利益確定売りの増加:現在は税率が高いため、利益確定を控える投資家が多いですが、税率が下がれば売買が活発化します。(3)海外投資家の流入:日本の税制が改善されれば、海外投資家も日本市場に参入しやすくなります。(4)企業の参入促進:税制が明確化されれば、企業も暗号資産事業に参入しやすくなります。2028年1月施行となれば、あと約3年待つ必要がありますが、方向性が明確になったことは大きな前進です。

日本企業の躍進『エスクリプトエナジー2日連続ストップ高・1000BTC目標』『メタプラネット議決権行使19日締切』『JPYC累計発行5億円突破』──日本版BTC財務戦略本格化

エス・サイエンス(エスクリプトエナジー)が2日連続のストップ高となり、一時241円を記録しました。12月15日に発表した株主割当による新株予約権の無償発行および暗号資産への投資枠拡大が好材料となっています。メタプラネットは12月22日の臨時株主総会に向けて、株主に議決権行使を呼びかけています(締切は19日)。JPYCは累計発行額5億円、口座開設数1万件を突破しました。日本企業による暗号資産戦略が本格化しています。

日本企業動向の詳細は以下の通りです。第一に、エスクリプトエナジー2日連続ストップ高です。東証スタンダード上場の株式会社エス・サイエンス(エスクリプトエナジー)の株価が連日活況を呈しています。同社が12月15日に発表した株主割当による新株予約権の無償発行および暗号資産への投資枠拡大が好材料となり、15日は前日比200.00%高の161円、16日はストップ高の193円、17日も一時241円を記録しました(2日連続ストップ高)。株価は12月13日の60円から4倍以上に急騰しており、市場の注目度の高さを示しています。同社は2026年4月1日付で商号を「エスクリプトエナジー株式会社(英文名: S Crypto Energy Inc.)」に変更すると発表しており、1000BTC(約8兆6,000億円)の取得を目指しています。創業80年の金属老舗企業が、ビットコイン財務戦略企業へ大転換する歴史的な動きです。

第二に、新株予約権の詳細と投資枠拡大です。エス・サイエンスは12月15日、株主割当による新株予約権(非上場)の無償割当を発表しました。株主は無償で新株予約権を取得し、権利行使により株式を取得できます。調達資金は暗号資産への投資に充てられます。同社はまた、暗号資産への投資枠を大幅に拡大する方針を示しました。現在の投資枠は限定的ですが、1000BTC取得を目標に、投資枠を数百億円規模に拡大します。メタプラネットに続く日本版マイクロストラテジーとして、投資家から注目されています。ただし、12月17日には新株予約権の重要スケジュールが一部変更されることが発表され、関係法令の要請を踏まえた措置であることが明らかになりました。割当基準日や権利行使期間などに変更がある可能性があります。

第三に、メタプラネット議決権行使19日締切です。メタプラネットは12月22日(月)に開催される臨時株主総会に向けて、株主に対し議決権の行使を呼びかけています。締切は12月19日です。総会では、200億円超の資金調達に関する議案が審議される予定です。議案が承認されれば、メタプラネットはビットコイン買い増しを大幅に加速できます。現在の保有量は約1,700BTC(約1億4,700万ドル、約2,279億円)ですが、200億円の調達により約1,400BTC(1BTC=約1,450万円で計算)を追加購入でき、保有量は約3,100BTCに達します。サイモン・ゲロビッチ(Simon Gerovich)CEOは株主に対し、「ぜひ議決権の行使をお願いします」と呼びかけています。議決権行使は、メタプラネットのビットコイン戦略を支持するかどうかを示す重要な機会です。メタプラネット株は12月16日に前日比10.30%の大幅反落となりましたが、長期的なサポートラインと重なっており、底打ちの可能性が指摘されています。

第四に、JPYC累計発行額5億円突破です。JPYC株式会社は、同社が提供する日本円ステーブルコインの発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」において、累計口座開設数が1万件、累計発行額が5億円を突破したことを発表しました。JPYCは日本円と1対1の価値で交換できるステーブルコインで、決済、送金、DeFiなど、幅広い用途で利用されています。12月13日に総流通量3億円を突破したことが報じられていましたが、累計発行額(これまでに発行された総額)は5億円に達しています。総流通量と累計発行額の違いは、償還(換金)された分です。累計発行額5億円のうち、現在流通しているのが約3億円で、残り2億円は償還されたことになります。口座開設数1万件突破は、JPYCの認知度と利用が拡大していることを示しています。導入店舗も増加しており、決済手数料ほぼゼロの仕組みが事業者から高く評価されています。

第五に、日本版BTC財務戦略の本格化です。エスクリプトエナジー、メタプラネットという2つの日本企業が、ビットコイン財務戦略を本格化させています。米国のマイクロストラテジー(Strategy)に触発された動きですが、日本でも企業によるビットコイン買い増しが加速しています。エスクリプトエナジーは1000BTC(約8兆6,000億円)、メタプラネットは当面3,100BTC規模を目指しています。合計すると約1兆円規模のビットコイン購入となり、日本企業による大規模な暗号資産投資が実現しつつあります。税制改正(分離課税への移行)が実現すれば、さらに多くの企業が参入する可能性があります。日本企業によるビットコイン採用が加速すれば、国内市場の活性化、個人投資家の参入増加、規制整備の促進などが期待されます。

市場急落『BTC日銀とAI株が背景・6億ドル清算』中期EMAで戻り売り完了、XRP 1.90ドル攻防──XRP ETF累計10億ドル流入、上場後1日も流出なし驚異的記録

ビットコインが急落し、一時8万5,000ドル(約1,318万円)を割り込みました。日本銀行の利上げ観測とAI株の下落が背景にあるとの分析が出ており、24時間以内に約6億ドル(約930億円)規模のロングポジションが清算されました。テクニカル分析では、中期EMA(指数平滑移動平均線)での戻り売りが完了し、移動平均線が頭上で「蓋」として機能する弱い地合いとなっています。一方、XRP現物ETFは累計純流入額10億ドル(約1,550億円)の大台を突破し、上場後1日も資金流出なしという驚異的な記録を継続しています。

市場動向の詳細は以下の通りです。第一に、BTC急落の背景は日銀とAI株です。ビットコインは一時8万5,000ドル(約1,318万円)を割り込み、暗号資産市場全体で24時間以内に約6億ドル(約930億円)規模のロングポジションが清算される事態となりました。急落の背景として、以下の要因が指摘されています。(1)日本銀行の利上げ観測:日銀が12月19日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げる観測が強まっており、円キャリートレードの巻き戻しが加速しています。円キャリートレードとは、低金利の円で借り入れを行い、高金利の外貨や暗号資産に投資する取引手法です。円金利が上昇すれば、円建て借り入れを返済するため、暗号資産を売却して円を買い戻す動きが強まります。(2)AI株の下落:米国のAI関連株(エヌビディアなど)が大幅に下落しており、リスク資産全般から資金が流出しています。ビットコインもリスク資産として扱われるため、AI株の下落に連動して下落しました。(3)清算連鎖:6億ドル規模のロングポジション清算により、下落が加速しました。

第二に、テクニカル分析では中期EMAで戻り売り完了です。9万ドル台への復帰を試みていたビットコインですが、中期EMA付近で上値を抑えられ、再び下落に転じました。中期EMAでの「戻り売り」が完了した形となっています。移動平均線が頭上で「蓋」として機能する弱い地合いとなっており、上値が重い展開が続いています。サポートラインとしては、8.5万ドル(約1,318万円)が重要な水準です。この水準を維持できるかが、今後の展開を左右します。8.5万ドルを割り込めば、さらなる下落リスクがあります。一方、8.5万ドルを維持し、中期EMAを上抜けられれば、反発の可能性があります。ストラテジー(Strategy)株は、ビットコインの重要なサポートレベル付近で取引されているビットコイン本体と異なり、すでにこの水準を下抜けています。ビットコイン保有企業の株価は、ビットコイン価格以上に変動が大きく、下落局面では大きく売られる傾向があります。

第三に、XRP 1.90ドルの攻防です。XRPの日足チャートを分析すると、買い方の勢力が衰え、売り方が主導権を握っている状況です。粘り強く防衛していた2.00ドルの節目をついに割り込み、サポートラインの崩壊により下落トレンドが加速しました。次の重要な水準は1.90ドルです。1.90ドルを割れると、下落が加速する可能性があります。二番底は1.80ドル付近と見られており、1.80ドル台で踏みとどまり底割れ回避できるかが焦点です。7期間EMAを上抜けられるかが鍵となっており、EMAを上抜ければ短期的な反発が期待できます。

第四に、XRP ETF累計10億ドル流入の驚異的記録です。米国上場のXRP現物ETF(上場投資信託)は、11月中旬のデビュー以来、全ての取引日で純流入を記録し、累計純流入額が10億ドル(約1,550億円)の大台を突破しました。上場後1日も資金流出なしという驚異的な記録を継続しています。ビットコインやイーサリアムのETFが複数日にわたる流出を経験する中、XRP ETFは一貫して資金流入が続いており、投資家の強い需要を示しています。XRP ETFへの資金流入が続く理由として、以下が考えられます。(1)リップル(Ripple)とSEC(米証券取引委員会)の訴訟が和解に向かう可能性があり、規制リスクが低下。(2)リップル決済が欧州初の銀行採用(スイスのAMINA銀行)となり、実用化が進んでいる。(3)XRPの価格上昇期待。(4)ビットコインやイーサリアムに比べて割安感がある。累計10億ドル流入は、XRP ETFが投資家から高い支持を得ていることを示しています。

第五に、ビットコイン対金比率、2025年に50%低下です。2025年は金がビットコインを大きく上回るパフォーマンスを示し、BTC対金比率は50%低下しました。金は地政学リスク(中東情勢、ウクライナ情勢など)を背景に、安全資産として買われました。中央銀行(特に中国)が金を大量購入したことも金価格上昇の要因です。一方、ビットコインは12月に大幅下落し、パフォーマンスが悪化しました。2026年に流れはビットコイン優位へ転じるかが注目されます。歴史的には、金とビットコインは数年単位で優劣が入れ替わる傾向があります。2026年はビットコイン半減期の翌年であり、過去の半減期サイクルでは、半減期の翌年に大幅な価格上昇が見られました。

米国規制・金融機関『銀行GENIUS法でステーブルコイン発行可能』『Bank of America複数年でオンチェーン移行』『ブラックロック7デジタル資産職募集』──SECアーベ調査終了、Ondo Financeソラナでトークン化株・ETF提供

米連邦預金保険公社(FDIC)の提案により、米銀行がGENIUS法実施案の下でステーブルコイン発行が可能になる見通しです。バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)のレポートでは、米国の銀行が複数年かけてオンチェーンに移行すると予測されています。ブラックロック(BlackRock)は、7つのデジタル資産関連ポジションを募集し、同分野の戦略強化を図っています。SEC(米証券取引委員会)はアーベ(Aave)の調査を4年で終了し、執行措置を勧告しない意向を示しました。

米国規制・金融機関動向の詳細は以下の通りです。第一に、米銀行GENIUS法でステーブルコイン発行可能です。米連邦預金保険公社(FDIC)の提案は、米国の規制当局が立法段階から規則策定段階へ移行する中、銀行が決済用ステーブルコインの発行承認をどのように申請できるかを示しています。GENIUS法(Guiding and Establishing National Innovation for US Stablecoins Act)は、ステーブルコインの規制枠組みを定める法律です。FDICの実施案により、以下が明確化されます。(1)銀行がステーブルコイン発行を申請する手順。(2)準備資産の管理方法。(3)監査・報告義務。(4)リスク管理体制。銀行がステーブルコインを発行できるようになれば、以下のメリットがあります。(1)信頼性:銀行は厳格な規制監督下にあるため、投資家の信頼が高い。(2)預金保険:FDIC保険の対象となる可能性があり、安全性が向上。(3)決済ネットワーク:銀行の既存決済ネットワークを活用できる。

第二に、Bank of America複数年でオンチェーン移行です。米銀のバンク・オブ・アメリカは12月15日のレポートで、OCC(米通貨監督庁)、FDIC(米連邦預金保険公社)、FRB(米連邦準備制度理事会)が銀行のステーブルコイン発行を許可する規則を策定中であり、米国の銀行が複数年かけてオンチェーンに移行すると予測しています。オンチェーン移行とは、銀行業務をブロックチェーン上で行うことです。具体的には、以下が含まれます。(1)ステーブルコイン発行:銀行が独自のステーブルコインを発行。(2)決済・送金:ブロックチェーン上で決済・送金を行い、迅速・低コストを実現。(3)トークン化資産:株式、債券、不動産などをトークン化し、ブロックチェーン上で取引。(4)スマートコントラクト:契約の自動執行により、業務効率化。バンク・オブ・アメリカは、この移行には複数年(3-5年程度)かかると予測しています。規制整備、システム構築、人材育成などに時間を要するためです。

第三に、ブラックロック7デジタル資産職募集です。ブラックロックは、トークン化資産やオンチェーン資産への機関投資家の関心が高まる中、暗号資産(仮想通貨)およびブロックチェーン関連商品を世界的に拡大するため、7つのデジタル資産関連ポジションを募集しています。募集職種には、デジタル資産戦略責任者、ブロックチェーン開発者、トークン化商品マネージャーなどが含まれると見られます。世界最大の資産運用会社(運用資産額約10兆ドル、約1,550兆円)であるブラックロックが、デジタル資産分野の人材を大量募集することは、同社が同分野を成長戦略の柱と位置付けていることを示しています。ブラックロックは既にビットコイン現物ETF「IBIT」を提供しており、業界最大規模の資金流入を記録しています。今後、イーサリアムETF、XRP ETF、トークン化株式・債券など、デジタル資産商品を拡充する見込みです。

第四に、SECアーベ調査終了です。プロトコル創設者兼CEOが公開した書簡によると、米証券取引委員会(SEC)はアーベに対する執行措置を勧告する意向はないとしています。アーベは分散型金融(DeFi)プラットフォームで、レンディング(貸付)やステーキングなどのサービスを提供しています。SECは4年にわたりアーベを調査してきましたが、執行措置を取らないことを決定しました。これは、SECが暗号資産業界に対する姿勢を軟化させていることを示しています。トランプ政権下では、SECは暗号資産に対してより友好的な姿勢を取ると期待されており、アーベ調査終了はその兆候と見られています。

第五に、Ondo Financeソラナでトークン化株・ETF提供です。トークン化現実資産(RWA、Real World Assets)の発行会社であるオンド・ファイナンス(Ondo Finance)は、来年早々にソラナ(Solana)ブロックチェーン上でトークン化された米国株とETFを提供開始すると発表しました。トークン化により、以下のメリットがあります。(1)24時間365日取引:株式市場の取引時間外でも取引可能。(2)分数取引:高額株式を小口化し、少額から投資可能。(3)即時決済:T+2(取引日から2営業日後)の決済が、数分で完了。(4)グローバルアクセス:世界中の投資家が簡単にアクセス可能。Ondo Financeは、米国債のトークン化商品で知られており、株式・ETFのトークン化により商品ラインナップを拡充します。

その他重要トピック──ブータン1万BTC拠出、ジェミナイ予測市場開始、テザーBTC L2出資、CZ氏BTC財務戦略評価、Phantom暗号資産デビットカード、英国保有率8%低下

ブータンは特別行政区のゲレプ・マインドフルネス・シティの開発を支援するため、現在の価格で約8億6,000万ドル(約1,333億円)相当の最大1万ビットコインを拠出すると発表しました。億万長者の双子、タイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏とキャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏が創業した暗号資産取引所ジェミナイ(Gemini)は、主要な規制承認を得たことで、米国で予測市場サービスを正式に開始しました。

その他重要トピックの詳細は以下の通りです。第一に、ブータン1万BTC拠出です。ブータンは、特別行政区のゲレプ・マインドフルネス・シティ(GMC)の開発を支援するため、最大1万BTC(約8億6,000万ドル、約1,333億円)を拠出します。ブータンは水力発電の余剰電力を利用してビットコインマイニングを行っており、政府保有のビットコインは約1万BTCと推定されています。GMCは、ブータンが建設を計画している新都市で、デジタル資産やブロックチェーン技術を活用したスマートシティを目指しています。1万BTCの拠出により、インフラ整備、企業誘致、雇用創出などが進みます。ブータンは、暗号資産マーケットメーカーのカンバーランドDRW(Cumberland DRW)と複数年にわたる覚書を締結しており、デジタル資産インフラ構築で協力しています。

第二に、ジェミナイ予測市場開始です。億万長者の双子、タイラー・ウィンクルボス氏とキャメロン・ウィンクルボス氏が創業した暗号資産取引所ジェミナイは、主要な規制承認を得たことで、米国で予測市場サービスを正式に開始しました。予測市場とは、政治、スポーツ、経済などの将来の出来事に対して賭けを行う市場です。ジェミナイの予測市場は、米国50州で利用可能です。規制承認を得たことで、合法的にサービスを提供できるようになりました。Polymarket(ポリマーケット)、Kalshi(カルシ)などの競合に対抗します。予測市場は、2024年米大統領選挙で大きな注目を集め、市場規模が急拡大しています。

第三に、テザーBTC L2決済スタートアップ出資です。ステーブルコイン発行企業テザー(Tether)が、ビットコインL2(レイヤー2)決済スタートアップSpeed(スピード)に出資しました。SpeedはビットコインライトニングネットワークをレバレッジしてUSDT転送を容易にし、テザーとEgo Death Capital(エゴ・デス・キャピタル)から800万ドル(約12億4,000万円)を調達しました。ライトニングネットワークは、ビットコインの決済速度を向上させるL2ソリューションです。Speedは、ライトニングネットワークを利用してUSDT(テザー発行のステーブルコイン)を迅速・低コストで転送できるサービスを提供します。テザーの出資により、USDTの利用範囲が拡大します。

第四に、CZ氏BTC財務戦略評価です。バイナンス(Binance)創設者であるチャンポン・ジャオ(CZ)氏は、登壇したQ&Aセッションにおいて、企業の財務戦略としての暗号資産活用について言及しました。CZ氏は、企業が主要な財務資産として暗号資産を保有するモデルを高く評価し、ストラテジー(Strategy)やメタプラネット(Metaplanet)などの企業を称賛しました。また、暗号資産業界における「決済」の重要性と今後の展望について語り、決済領域が依然として日常生活における主流の支払い手段として確立されていないことを指摘しました。CZ氏は、暗号資産決済の普及は数年以内に実現する可能性があるとの見通しを示しました。技術の成熟、規制整備、ユーザー教育が進めば、暗号資産決済が日常化する日も近いとしています。

第五に、Phantom暗号資産デビットカード米国開始です。Solanaエコシステムを中心に人気を集める暗号資産ウォレットPhantom(ファントム)は、キャッシュデビットカードの早期アクセスを今週から開始すると発表しました。現在は米国での展開が進んでおり、国際的な展開も近日中に予定されています。Phantomのデビットカードは、暗号資産を法定通貨に変換せずに、直接店舗やオンラインで利用できます。暗号資産を保有しながら、日常的な買い物ができるようになります。Visa(ビザ)やMastercard(マスターカード)との提携により、世界中の加盟店で利用可能です。

第六に、英国保有率8%低下です。英国では暗号資産の保有率が低下した一方、保有額は増加しており、回答者の過半数がビットコインとイーサリアムを保有していることが分かりました。ユーガブ(YouGov)調査によると、2025年の英国の暗号資産保有率は8%に低下しました(前年は12%)。保有率の低下は、価格下落や規制強化により、一部の投資家が市場から退出したことを示しています。一方、保有額は増加しており、残った投資家が買い増しを続けています。ビットコインとイーサリアムの保有率が高く、アルトコインへの投資は限定的です。

第七に、その他注目情報です。エクソダス(Exodus)は、フィンテック企業ムーンペイ(MoonPay)との提携により、米ドルに完全に裏付けられたステーブルコイン競争に参入しました。BNBチェーン(BNB Chain)が新たなステーブルコインの導入を示唆する発表を行いました。OpenSea(オープンシー)がWave 3のチェストをロック解除し、財宝や報酬を公開すると発表しました。同時にWave 4のスターターチェストの受け取りも開始されます。Moonbirds(ムーンバーズ)は、フィギュアのブラインドボックスが出荷開始されたことを発表しました。

おわりに

2025年12月17日は、日本の暗号資産業界にとって歴史的な一日となりました。国内の暗号資産税制の焦点となっている「申告分離課税」への移行時期について、2028年1月からの施行案が浮上していることがCoinDesk JAPANのスクープにより明らかになりました。当初予想された2027年施行から1年遅れる可能性が出てきましたが、具体的なスケジュールが初めて示されたことは大きな前進です。金融庁はステーブルコイン発行者に50%までの国債運用を解禁する方針を示し、片山さつき氏がWeb3・暗号資産の明るい未来を語りました。日本の暗号資産業界が、規制整備と成長促進のバランスを取りながら前進していることが確認されました。

日本企業の動きも活発です。エスクリプトエナジー(エス・サイエンス)が2日連続のストップ高となり、1000BTC取得を目指す方針を示しました。メタプラネットは12月22日の臨時株主総会に向けて株主に議決権行使を呼びかけ、200億円超の資金調達を目指しています。JPYCは累計発行額5億円、口座開設数1万件を突破し、日本円ステーブルコインの普及が加速しています。日本版BTC財務戦略が本格化しており、今後さらに多くの企業が参入する可能性があります。

市場では、ビットコインが急落し一時8万5,000ドルを割り込みました。日本銀行の利上げ観測とAI株の下落が背景にあり、24時間以内に約6億ドル規模のロングポジションが清算されました。テクニカル分析では、中期EMAで戻り売りが完了し、上値が重い展開が続いています。一方、XRP現物ETFは累計純流入額10億ドルの大台を突破し、上場後1日も資金流出なしという驚異的な記録を継続しています。投資家のXRPへの強い需要が示されています。

米国では、銀行がGENIUS法実施案の下でステーブルコイン発行が可能になる見通しです。バンク・オブ・アメリカは、米国の銀行が複数年かけてオンチェーンに移行すると予測しています。ブラックロックは7つのデジタル資産関連ポジションを募集し、同分野の戦略強化を図っています。SECはアーベの調査を4年で終了し、執行措置を勧告しない意向を示しました。伝統金融機関のブロックチェーン参入が加速しています。

ブータンが1万BTC拠出、ジェミナイが予測市場開始、テザーがBTC L2出資、CZ氏がBTC財務戦略を評価、Phantom暗号資産デビットカード開始など、多様な動きがありました。

日本税制の具体化、日本企業の躍進、市場調整、米国金融機関のオンチェーン移行という4つの大きな流れが、暗号資産市場の構造変化を示しています。2028年1月の分離課税施行まで約3年ありますが、方向性が明確になったことで、企業や投資家は長期的な戦略を立てやすくなります。短期的な価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点で市場と向き合ってください。リスク管理を徹底し、余裕資金の範囲内で投資を行いましょう。

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